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空の下、地の上


子供の頃…。
自分の知らなかったことを、他人から伝えられても、
理解しきれないこともあれば、
自分の知っていることを、他人に伝えようとしても、
言葉が足りなかったこともある。
もう充分に、大人と呼ばれる年代を過ぎている。
それでも、疑問にも感じていないことは、答えなど知る術もなく。
もしかしたら、大人になった今でさえ
世の中のことなど、分かっていないのかも知れない。

紀元前にアリストテレスは、
「物体が落下するのは、重量(重さ)があるからであり」と考え、
「重い物体の方が、軽い物体より、早く落ちる」と述べていた。
この考え方は、ガリレオガリレイ(1564~1642)の「落体の法則」まで、
およそ2千年間、疑問に思われなかった。
(ガリレオに関連した過去の記事「ガリレオの衛星を探そう!?」)
同じように、紀元前、宇宙は天上界と地上界とに分かれていて、
太陽や月、星々が、地球(世界)の上で周回軌道しているのは、
それぞれに異なる運動法則で支配されているからだと考えられていた。
この考え方にアイザック・ニュートン(1642~1727)は、疑問を覚える。

アイザック・ニュートンは、ピューリタン革命や
チャールズ2世の時代のイングランドで生まれる。
ニュートンは、リンゴが地面に落下するのを見て、
「リンゴは落ちたのではなく。地面に引っ張られたのでは?」
「そして、リンゴも地球を引っ張っているのでは?」

…と考えていくことで、万有引力の法則に行きついていく。
(諸説あり)
そこで疑問になってくるのは、空の上より、はるかに上、
宇宙空間に浮かぶ、地球の衛星である“月”の存在。
万有引力が存在し、地球が月を引っ張っているのなら、
月は、何故、地球に落ちてこないのか?



物体を、地上から、秒速11.2kmの速度で打ち出すと、
地球の外へ飛び出してしまう。
しかし、秒速7.9~11.2kmの間の速度であれば、
物体は、地球の中心へと引っ張られながらも、
地球の周囲を移動して行くことになる。
つまり、月は、地球に向かって引っ張られて、
いつまでも落下し続けていることになる。

この発見がなければ、現在の宇宙開発はなく。
気象観測用の人工衛星もGPSも存在しないことになる。
携帯電話の位置情報サービスも精度の高い天気予報などもない。
現在にも続く、天才の発見による恩恵には圧倒されるときがある。
<2020年7月誤字脱字訂正>
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