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浅考:ボランティアバスツアーに参加してきました(2~3日目)


(前回の続き)
深夜、ツアー参加者39名が車内で眠るなか、バスは目的地へと移動していく。
途中、2度ほど、サービスエリアに停車し、トイレに行ったり、
飲料や軽食をとるものもいた。
朝9:00、「ボランティアセンター七ヶ浜」に到着。
七ヶ浜は、宮城県の海沿いの半島になる。
ボランティアセンターは、市営体育館のような建物。
壁などがキレイなので、新しく建てられたものかも知れない。
中に入ると、屋内でありながらテントが張られ、
数台の折りたたみテーブルの広げられた受付がある。
その後方の床には、スコップやツルハシ、バケツなどの道具が並べられていた。
建設現場のような雰囲気だった。

朝10:00にマッチングとなった。
”マッチングって?”
事前のミーティングのようなものらしい。
参加ボランティア全員への説明と作業のふりわけが行われた。

ここでも言われたのは、
ボランティア活動中におけるカメラ撮影などの行為はやめてくれということ。
当たり前だとは思ったけど・・・。
こんな注意がされるのは、非常識なアホウがいるということだろう。

ちなみに今回の記事などにアップされている画像は、
ボランティア活動中のものではなく、移動中や宿泊先でのもの。
画質の悪さには、ご勘弁を・・・。



さて・・・。
今回の活動場所は、半島の外側、海のそばだった。
内容は、道路脇の側溝に詰まったドロを掻き出す作業。
つまり、ドブさらい。
単純に重機やバキュームを使えるような場所ではなく、
ボランティアの人員が望まれることになった。
力仕事ではあったが、厳しいノルマやペースが求められる訳でもない。
少し拍子抜けだった。
「なぁんだ。物足りないなぁ♪」
「この程度なのか♪」
と思ってしまった。
しかし・・・。
1日の活動が終わり、宿泊先に向かうバスの中で考えることになった。
”これ”って、本当に深刻な状況じゃないかな?
昨日、今日来たばかりのボランティア参加者に細かい作業を指示しても
マゴつくだけになってしまう。
ましてや40名以上のボランティアへ、
適時、指示していくのは無理なのはハッキリしている。
ボランティアの参加人数も安定しているわけでもない。
人数によっては、活動内容も”出来るもの”と”出来ないもの”とだってある。

翌日は、午前中までの作業だった。
前日の作業の後片付けを主としたもので、晴れた日差しのなか、
眼前に広がる海の景観に、一瞬、開放感を覚えていた。
しかし、漁港近くで、ひん曲がった電柱の下で、ツブれた受電盤を見て、
その気分が反転した。
この2日間で見てきたのは、一部でしかないのだと考えさせられることになった。

追記:
芸能人の被災地での活動などを話題にしたテレビの震災報道には、
どこか疑問を覚える。
被災者の多くは、この場所で日常生活を送ってきた人たち。
一般的に日常生活というものは、地味で、それほど刺激的な話題のないもの。
それでも、日常は、多くの”もの”を内包している。
例えば・・・。
「テレビ放映されている海外ドラマに夢中になり」
「資格試験の学習のため、近所のファミレスで3時間以上、粘ったり」
「友人から勧められたコンピューターゲームで一緒に遊んだり」
「なじみのインドカレーの店で、腹一杯、ナンを食べる」
「たまの贅沢に、カウンターバーで、高い酒をショットで頼んだりもする」
そういう全ての時間と場所が途絶えることは、想像しにくい。
それが”当たり前”だから。
テレビ的には、”当たり前”を表現するのが難しいのかも知れないが、
被災地へと向かう”足”を鈍らせてしまう。
テレビなどの震災報道が、被災地を日常生活から離れた異空間のような印象に感じさせるところがあったからです。

正直、旅行会社のツアーとは言え、ボランティアに参加するのは、少し躊躇した。
飲料水も食料、宿泊地もなく。
機材も、自前で準備するなどと考えれば、誰もが身構えてしまう。
実際には、ボランティアセンターに自動販売機もあり、
周辺には食料や備品の購入が可能なコンビニだってある。
もちろん、手ぶらの観光気分で行くのは、間違いだけど、ね。

今回、伝えられるのは、ここまでというところ。
(「ボランティアバスツアー」に関する最初の記事へ)




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空曇り:ボランティアバスツアーに参加してきました(2日目の前に)。

(前回の続き)
旅行会社からの案内用紙には、
ボランティア参加者に用意してもらう”持ち物”リストがあった。

活動中に必要となる飲料(目安2リットル)。
これは、炎天下の夏を想定したものだったのだろう。
今回は、ボランティアセンターにも自動販売機が設置されていたので、
荷物が重くなっただけだった・・・が、
ツアー主催者を責めるのは、酷なところだろう。

安全靴またはクギ踏抜き防止の鉄板の入った長靴。
瓦礫の中での作業も想定されていたのだろう。
数年前までは、バイク乗りだった身には、安全靴の用意があったが、
世間一般には難しいものかも知れない。

リュックサックまたは荷物を小分けするバッグ。
活動中に使用する荷物を携行していくためのもの。
活動中に使用しない物品はバス車内に置いていくことになる。

雨合羽。
雨の中でも、作業予定は組まれるので活動できるように準備とあった。
ゴアッテクス製で丈夫なものがあったので、上着を羽織っていくことにした。
下は、ザックに詰め込んでいくことにした・・・が、今回は使わないで済んだ。

皮手袋、作業用の厚手のゴム手袋(軍手は不可)。
今回の作業で、例を挙げるなら。
道路脇の側溝を清掃することになったのだが、
排水は清潔とは言えなかった(下水でも汚水ではなくてもです)。
素手で作業すれば、単にケガをするだけでなく。
清潔とは言えない場所での作業もあるだけに、
ケガや傷があれば破傷風にもなりかねない。
水を通さないものなら、水仕事をしていても手が凍えにくいだけでなく。
衛生的な面でも、安心できる。

個人的に携行しておいてよかったと思ったものは、タオルとマスク。
マスクは息苦しく感じる方もいるかもしれないが、
作業現場の多くはホコリが舞って、泥が跳ねることも多い。
使い捨てできるものなら、金額的な負担も少なく、
邪魔にもならないので、用意しておいて正解というところだった。
タオルは、頭部にまいておけば、ホコリ除けになり、作業中も邪魔にならない。
どちらも気が付いたら、ドロまみれだった。

身動きがしやすく、汚れてもいい服装を用意していたが、
実際、かなりドロまみれになる。
ある程度、ドロを落としたつもりでも、
宿泊先のホテルに着いてから、慌てることにもなった。



当日の人員や状況により、ボランティアの活動内容は変化していく。
作業を割り振っていくボランティアセンターも、
複数の人員に細かい指示を必要としていけるだけの余裕もないだけに、
団体行動ができない人間は望ましくないのは言うまでもないが・・・。
そんな人間でも、何故か、ボランティアに参加してくる(ときもある)。
自身の時間と身銭を切って、参加するボランティアは、
たしかにありがたい存在なのだろう。
しかし、それで身勝手で傲慢な態度が許されるわけでもない。

人の善意や良心というものに懐疑的な性格なので、不思議には感じないけど、
不快にはなった。
(続く)



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夜雨:ボランティアバスツアーに参加してきました(1日目)。


先週末、職場の先輩同僚に誘われて、
被災地ボランティアのツアーに参加してきました。
昨年の震災以来、被災地の状況を見てみたいという気持ちもあった。
職場にも、2~3日のまとまった休みを取れるように、お願いしてみたのですが・・・。
ツアーの参加人員が満たないため、ツアー中止となることが、
この1~2ヵ月、続いていた。
まとまっていた休みの予定が空いてしまうのは、何かと問題も多く。
今月、参加できなければ、しばらくチャンスはないかなと思っていた。

そんな状況下でツアー決行となったこともあり、
安心と緊張を一緒に味わうことになった。
どのような状況で?
何を望まれているのか?

いずれにしても行かないと、分からない。



この日、雨が降っていた。
ツアーバスの集合場所は、深夜の池袋。
週末のため、電車は深夜でも満員状態。
大きな荷物を背負って、片手を雨傘でふさがれるのは、かなり煩わしい。
雨は、池袋に着いても、降っていた。
雨傘をさしながら、集合場所へと向かうと、バスから同僚が下りてきた。
案内され、バスに乗り込む。
こうして1日目は、深夜の東京・池袋から、
宮城県・七ヶ浜へと移動しながらの車中泊となった。
(続く)

追記:
テレビ報道などで、被災地の復興が遅れているなどと言われてはいても・・・。
被災地は、”今”しか、存在しない場所。
いずれ復興させないといけない場所。
それだけに行ってみたいと思っていた。

はっきり記せば、この気持ちは、”善意”でも”良心”でもなく。
単なる興味本位でしかない。
それでも、どこかで身構えるような気持ちにはなっていた。


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この先・・・。


昨年、記録的な大地震のとき。
朝から、出社してきた同僚たちは、職場でムダ話をしていた。
話題は「スーパーに物がなくて、ガラガラだったよ」などと、
地震に関連するものだったが、どれも深刻なものではなかった。
ただ会話に飢えているようにも見えた。
休憩時間でもないときのムダ話や私語などで注意されるわけでもないが、
いつまでも途切れることがない状態が続き。
どこか熱を帯びたような言動に”浮かれている”ような危うさもあって、
煩わしい気分にさせられた。

昨年3月の震災というものが、何だったのか?
先々月、震源地の近くまで行ってはみたもの、結局、分からないまま。
もちろん分かるなどとは思ってなかったのですけど、ね。
それで、今度は、”被災地”に近いところへ行こうと思っています。
(具体的に、何をするのかは未定なんですけど、ね)




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また、いつもの話


ときどき昼食で利用している店でのこと。
いつものように食事とビールを頼むと、店の人間は、少し神妙な顔をしていた。
「今週で、この店を閉めることになりました」
「いままで、ありがとうございました」
そう聞かされた。
残念ではあったが、何故か、あまり驚かなかった。
”この人は、お店を閉めたあと、どうするのか?”
そのようなことも思い浮かんだが、敢えて、聞かなかった。



先週末、昼すぎに時間が空いた。
とくに意識していたわけでもなかったが、店に向かうと、少し混んでいた。
まずビールを頼む。
これが、最後に1本だったらしい。
食事中も、とくに酒が欲しかったわけでもなかったが、
グラスでワインを2杯頼んでいた。
それでも、食事を終え、コーヒーも飲み終えていた。
少し迷うような気持ちにはなったが、席を立った。
「ありがとうございます」
いつものように言われた。
「ごちそうさまでした」
いつものように返事をした。





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