二日酔いを意味する英語の「はんぐおーば(a hangover)」
まあ“酔っ払い”の言うこと。by.NA-094
はんぐおーば
腐怪な奇聞(毒猫)
その日、スマートフォンにメッセージの表示があった。
画面をチェックすると、システム(OS)のアップデートを促すものだった。
自宅の無線LANは不調で、アップデートを行える環境ではなかったけど。
ちょうどファミレスで遅い食事をとっていたこともあり。
店内のWi-Fiを使うことにした。
アップデートに際しての規約なども表示されていたけど、
ほとんど見ないまま、アップデートしていた。
しばらくしてから、自宅に戻り。
その日は、寝ることにした。
翌日、目覚まし時計に起こされると、顔を洗って、着替えていた。
どうにもピンと来なかった。
いつもとは、何かが違っている。
電車の中で、スマートフォンのタイマーを起動して、
仕事のスケジュールをセットしようとして、気が付いた。
いつもなら起床時間に鳴るハズのスマートフォンのタイマーが、
正常に起動していなかった。
そのまま待機状態となり、やがて画面が落ちてしまった。
少し気になって、他のアプリを起動してみたが、
一部を除いて、ほとんどが正常に動かなかった。
タイマーやスマートフォンがなくても、仕事はできるもの。
この日は、かなりキツいものとなった。
夕方、このスマートフォンの契約をした大型量販店に向かった。
契約先の携帯電話会社のカウンターで、故障受付の順番を待つことにした。
正直、かなり疲れていた。
順番になり、ブースに案内された。
まず状態を伝えることにした。
前日の深夜帯にアップデートを行ったこと。
そして、本体をぶつけたり、
落とすなどの強い衝撃を加えるようなことはなかったこと。
これらの状況から、どのようにするのが望ましいのかを相談したところ。
「こちら(携帯電話会社)では、
このスマートフォンの修理の受付を行えません」
「有楽町(銀座)にあるメーカーのショップで対応することになります」
時計を見てみると、20時前だった。
これから有楽町まで行けば、なんとかしてもらえるのだろうか?
「いえ、時間外になられるかと思われます」
どうにもならないのだろうか?
「こちらとしては修理の受付はできませんが、
新しい機種を購入されるのはいかがでしょうか?」
その場で、見積もりを出してもらったところ、
6万円以上するようだったが、
これまで通りの環境で利用できるのなら、魅力的にも思えた。
しかし…。
何故、このスマートフォンは、正常に動かなくなってしまったのか?
本当に故障なのだろうか?
ほとんどのアプリが正常に起動しないとは言え、
再起動状態になるのだから、システム的なトラブルではないのか?
「いえ、分かりません」
バックアップしてあるデーターを用いれば、復旧するのではないのか?
「いえ、分かりません」
それなら、これまでに同じような相談は聞いていないのか?
「こちらでは、分かりません」
もし類似の案件がないのなら、
不特定個人を狙ったクラッカーやウイルスによる攻撃なのだろうか?
もちろん、抗ウイルスソフトウェアは入れてあるもの。
新機種へ変更したとしても、スマートフォンの利用環境が、
今まで通りに維持されているとは思えない。
「そうかも知れませんけど、分かりません」
こう言われてしまっては、本当に手詰まりだった。
(続く⇒)
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