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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

低炭素まちづくり促進法

2012-01-20 10:22:52 | 建築法規・施策

昨日、国交省が次期通常国会に提出する「低炭素まちづくり促進法案」の概要を委員会に提示したとニュースで知りました。

この法案は色々な顔が見え隠れしていて、目的は省エネですが、その方法が法律でエネルギーを無駄使いしない様に規制を掛けるのではなく、まずは経済が回るように省エネに関するほにゃららをしたらいい事がありますよという餌をぶら下げる方法が原則となっています。

いやらしい感じもしますが、一番効果が出やすいのは間違いない。

個人レベルでは具体的にどんなメリットがあるのかと言えば、省エネ住宅を建築すれば減税措置を受けられると言った辺りだと思います。住宅建築は人生で一番大きな買い物ですので、それに素直に乗っかった方がいいのではないでしょうか。

そしてこの法案のもう一つの目玉は、市町村主導で街のコンパクト化を図ろうというもの。

人の移動距離が少なくなれば省エネになるのはその通りですが、コンパクトってどの規模のことを言うのかな。

私も職住近接で省エネに貢献するために、昨夏事務所を自宅に移しました。

しかし、それを法律にはめられるのでしょうか。

この目的のために、例えば同じ仕様の家でも市街地に家を建てる人は何かの優遇があるけれど、郊外に家を建てる人には特別メリットありませんみたいな措置も出てくるわけです。

さらに考え詰めれば、じゃあ街中の高層マンションなんかに住めばより優遇されるのかと、戸建て住宅専門の設計士は不安に思ってしまいます。

この時点で、省エネに縛られるあまり、田舎に住みたいとか、一戸建てに住みたいとかの精神的な部分での快適性が無視されてるように思えますし、さらに付け加えれば、新しい街を作るのではなく、もう街は出来上がっています。

街中が便利かと言えば、そう言い切れません。新潟市は大型店の郊外進出が著しすぎて、街の空洞化が懸念されてるくらいです。そして、その郊外に建つ大型店に各方面から人が自動車で集まるのが現状です。

そこで公共交通の利用促進が促されると思います。でも、この年末年始の忘年会やら新年会のためにバスで待ち合わせ場所に向かうときに思いました。(新潟の公共交通と言えばバス。軟弱地盤の新潟では、地下鉄は無理と言われています)

電車よりもバスのダイヤは乱れやすいです。そして、乱れれば乱れるほど、突風吹き荒れる外(バス停)に何十分もバスを待たせられると、なんで新潟が車社会(マイカー)なのかが身に染みて分かります。

状況が分かりやすい様に、降雪の動画(Youtube)を用意しました。体を動かすわけでもなく、ただじっと立って待つだけです。動画は、風が吹いていないので、まだましな方ですが、これに風が加われば、雪は下から舞い上がり、傘の骨は折れ使い物にならず、頭と肩に雪を積もらせながら、いつ来るか分からないバスを待ち続けます。

寒冷地にあった公共交通の整備が必要ですね。

とても、個人住宅の税制優遇措置と並ぶ話ではない気がします。

長期目標としては素晴らしいと思いますが、法律としてはかなり?が浮かびます。

やらなきゃいけないのは分かっていますので、もうちょっとモチベーションを上げやすくしてもらいたいです。


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