今月のアクアニュースは「サウナ」についてです。
熱湯風呂はやけどするのに、サウナはやけどしない理由って?
なぜ、サウナは体をよく拭いてから入らないとだめなの?
素朴な疑問を解決します。
気温が低くなってくるとお風呂に浸かるのが気持ちよいですね。お風呂にはいろいろな種類がありますが、近年サウナ風呂に近いようなお風呂も一般家庭向けに売られるようになってきているようです。今回は「サウナ風呂」について考えてみましょう。
サウナ風呂の発祥は1000年以上前のフィンランドとされています。サウナ風呂にはいくつかの種類があり、大き分けて乾式のものと湿式のものがあります。乾式サウナは室温80~100℃以上と非常に高温な状態に保ち、湿度は10%程度と乾燥しております。一般的に日本人がサウナと言われて連想するのはこの乾式です。一方、本場フィンランドのサウナは「ロウリュ」と呼ばれる湿式サウナで、室温は80~90℃、湿度は70%程度と非常に湿っています。湿式にはロウリュの他にもスチームサウナやミストサウナなどいくつかの種類があり、日本の「かま風呂」や、温泉の蒸気を利用した「蒸し湯」なども湿式サウナの一種です。
人は70℃の水に触れればやけどしますが、サウナでは室温が70℃以上なのになぜやけどしないのでしょうか。そこにはいくつかの理由が複合的に絡んでいます。一つ目は「水と空気の熱伝導率の違い」です。水は空気の約30倍の熱伝導率を有しています。その為、同じ100℃の状態にあっても、水の場合は皮膚に対して熱がすぐに伝わりますが、空気であれば非常にゆっくりと熱が伝わるため急激には火傷しないのです。ただし、温度が同じ100℃であっても湿度が10%と70%では熱伝導率が大きく変わってきます。特に乾式サウナで手ぬぐいやタオルを絞る行為は室内の湿度を上げてしまうので一気に熱伝導率が上がって熱くなりやすく注意が必要です。二つ目は「発汗による効果」です。サウナの中は高温なので、汗がどんどん蒸発していきます。汗は蒸発するときに身体から熱を奪っていきます。
そのため、身体の周りがサウナの室温よりも低い状態に保たれるのです。ちなみに、サウナは30分で体重が1kg減ることもありますが、これは発汗による脱水が原因ですので水分補給をすれば体重も元に戻ってしまいます。三つ目は「空気の層」です。皮膚の表面を覆っている空気の層というものが存在しているようです。この層は私達が動かなければ殆ど動かず、さらにこの空気の層の温度は体温近くに保たれているため、サウナの中では空気の層が保護膜のような役割をしてくれていると考えられています。空気の層と言われてもあまり実感がわかないかもしれませんが、例えばドライヤーなどで熱い空気を送ると火傷してしまいますが、これは空気の層が乱されてしまうために保護が効かないからです。サウナの中で激しい運動をしたり、うちわや扇風機などで風を送ったりすると空気の層が乱れてしまうため熱い思いをすることになります。
サウナに限らずお風呂での死亡事故は年間1万人以上と言われています。2万人近く亡くなった年もあり、交通事故による死亡者が年間5千人程度ということを考えると身近な事故であることが解ります。しかし、サウナは正しい入り方をすれば、ストレスの解消や乱れた自律神経を整えるなど健康の維持にも効果的です。サウナは10~15分で充分な効果が得られますが、15分以上入ると、かえって疲労してしまいますので長居はNGです。サウナを出たら、まずは汗を洗い流しましょう。心臓から遠い場所よりゆっくりと水を掛け、最後に頭に水をかぶった後、水風呂に浸かりましょう。サウナから出てすぐに水風呂に入る人がいますが、心臓等への負担だけでなく衛生面上の観点からも控えましょう。サウナと水風呂を3回程度繰返すのがおすすめです。サウナに入っていると大量に汗をかくので、サウナから出たらまずは、水を一杯飲むようにしてください。ちなみに満腹時にサウナに入ると、胃腸などに血液が集中できず、消化不良などの原因となるので避けましょう。
熱湯風呂はやけどするのに、サウナはやけどしない理由って?
なぜ、サウナは体をよく拭いてから入らないとだめなの?
素朴な疑問を解決します。
気温が低くなってくるとお風呂に浸かるのが気持ちよいですね。お風呂にはいろいろな種類がありますが、近年サウナ風呂に近いようなお風呂も一般家庭向けに売られるようになってきているようです。今回は「サウナ風呂」について考えてみましょう。
サウナ風呂の発祥は1000年以上前のフィンランドとされています。サウナ風呂にはいくつかの種類があり、大き分けて乾式のものと湿式のものがあります。乾式サウナは室温80~100℃以上と非常に高温な状態に保ち、湿度は10%程度と乾燥しております。一般的に日本人がサウナと言われて連想するのはこの乾式です。一方、本場フィンランドのサウナは「ロウリュ」と呼ばれる湿式サウナで、室温は80~90℃、湿度は70%程度と非常に湿っています。湿式にはロウリュの他にもスチームサウナやミストサウナなどいくつかの種類があり、日本の「かま風呂」や、温泉の蒸気を利用した「蒸し湯」なども湿式サウナの一種です。
人は70℃の水に触れればやけどしますが、サウナでは室温が70℃以上なのになぜやけどしないのでしょうか。そこにはいくつかの理由が複合的に絡んでいます。一つ目は「水と空気の熱伝導率の違い」です。水は空気の約30倍の熱伝導率を有しています。その為、同じ100℃の状態にあっても、水の場合は皮膚に対して熱がすぐに伝わりますが、空気であれば非常にゆっくりと熱が伝わるため急激には火傷しないのです。ただし、温度が同じ100℃であっても湿度が10%と70%では熱伝導率が大きく変わってきます。特に乾式サウナで手ぬぐいやタオルを絞る行為は室内の湿度を上げてしまうので一気に熱伝導率が上がって熱くなりやすく注意が必要です。二つ目は「発汗による効果」です。サウナの中は高温なので、汗がどんどん蒸発していきます。汗は蒸発するときに身体から熱を奪っていきます。
そのため、身体の周りがサウナの室温よりも低い状態に保たれるのです。ちなみに、サウナは30分で体重が1kg減ることもありますが、これは発汗による脱水が原因ですので水分補給をすれば体重も元に戻ってしまいます。三つ目は「空気の層」です。皮膚の表面を覆っている空気の層というものが存在しているようです。この層は私達が動かなければ殆ど動かず、さらにこの空気の層の温度は体温近くに保たれているため、サウナの中では空気の層が保護膜のような役割をしてくれていると考えられています。空気の層と言われてもあまり実感がわかないかもしれませんが、例えばドライヤーなどで熱い空気を送ると火傷してしまいますが、これは空気の層が乱されてしまうために保護が効かないからです。サウナの中で激しい運動をしたり、うちわや扇風機などで風を送ったりすると空気の層が乱れてしまうため熱い思いをすることになります。
サウナに限らずお風呂での死亡事故は年間1万人以上と言われています。2万人近く亡くなった年もあり、交通事故による死亡者が年間5千人程度ということを考えると身近な事故であることが解ります。しかし、サウナは正しい入り方をすれば、ストレスの解消や乱れた自律神経を整えるなど健康の維持にも効果的です。サウナは10~15分で充分な効果が得られますが、15分以上入ると、かえって疲労してしまいますので長居はNGです。サウナを出たら、まずは汗を洗い流しましょう。心臓から遠い場所よりゆっくりと水を掛け、最後に頭に水をかぶった後、水風呂に浸かりましょう。サウナから出てすぐに水風呂に入る人がいますが、心臓等への負担だけでなく衛生面上の観点からも控えましょう。サウナと水風呂を3回程度繰返すのがおすすめです。サウナに入っていると大量に汗をかくので、サウナから出たらまずは、水を一杯飲むようにしてください。ちなみに満腹時にサウナに入ると、胃腸などに血液が集中できず、消化不良などの原因となるので避けましょう。
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