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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

アクアニュース’17.09号

2017-09-13 19:26:37 | アクアニュース
今月のアクアニュースは、「ミドリムシ」についてです。
誰もが知ってるミドリムシですが、誰も知らないことばかりの不思議生物です。

植物か動物かは関係ない。
ミドリムシのすごさはミドリムシだけ。

世界の救世主になるかも!?


以下、本文より引用

ミドリムシとは
ミドリムシ(学名:ユーグレナ)は名前に虫という言葉がついてはいますが、昆布やワカメの仲間で、体長0.05ミリの小さな藻の一種です。ミドリムシは田んぼや池の中など、淡水、特に止水状態の浅い水たまりなどに、普通に生息しています。鞭毛運動という動物的性質をもちながら、同時に植物のように葉緑体を持ち、光合成を行うため、動物/植物の区別がつかず、学者の間でも未だに意見が別れています。微生物には動物/植物の区別がつきにくいものがいますが、ミドリムシはその好例として挙げられます。構造上の特徴が捉えやすく、遊泳速度もさほど速くないため、初歩的な顕微鏡観察の題材に向きます。そのため、理科や生物の授業などでは観察対象として利用される場合が多いです。ミドリムシはビタミン類、必須アミノ酸、DHAなど59種類の豊富な栄養素を持ち、細胞壁を持たないため、吸収効率も約93%と良好です。乾燥したミドリムシを100グラム摂取できれば一日分の栄養バランスをほぼ確保できるそうです。そのため食品としての可能性も注目を集めています。また細胞内には貯蔵物質としてパラミロンという食物繊維の一種が見られます。これはミドリムシしか持っていない物質だと言われており、難消化性かつ油分を吸着する作用などから様々な効果が期待されています。

ミドリムシの培養
ミドリムシはごく一般的な微生物であり、実際ミドリムシを増やすこと自体はそれほど難しくはありません。
しかし、大量培養には「食物連鎖」という大きな問題がありました。ミドリムシは食物連鎖の最下層にいます。そのため、ミドリムシを大量培養するのであればミドリムシを捕食する他の微生物が一切侵入できないような工夫をしなくてはならないと考えられていました。しかし、微生物はあらゆる原因で侵入してきてしまうため、大規模な施設でそれ実現することは不可能だったのです。そんな中、ミドリムシの大量培養に世界ではじめて成功したのは2005年のことでした。成功の裏には発想の転換がありました。従来の「微生物の侵入を防ぐ」という考えではなく「ミドリムシ以外の微生物が生育できない環境を探す」ことに主眼をおいたのが成功の鍵だったそうです。1ヶ月で耳かき1匙分しか作れなかった乾燥状態のミドリムシを、一気に2キロも作ることに成功しました。当時、一般的には1カ月で10グラムつくれればいいというのが定説でしたので飛躍的な進歩だったと言えます。これにより、現在では毎月100トン以上もの生産が可能なようです。

ミドリムシの燃料
ミドリムシはバイオ燃料の原料となることから、環境問題解決の一助を担う素材として注目されています。
ミドリムシの光合成効率は熱帯雨林の数倍とも言われ、CO2を吸収しながら成長する過程で油をつくりだします。この油からバイオ燃料が作れます。この燃料は結果的にCO2の排出を抑えられる循環型の燃料だと考えられています。現存のシステムの場合、9000㎡(東京ドームが13000㎡)で年間125キロリットルの燃料が確保可能とのことです。ちなみに、日本の田んぼの面積をすべて合わせると
240万ヘクタールあるのですが、それらをすべてミドリムシ培養にあてた場合、
1ヘクタール≒10000㎡とみて計算すると年間2億7千万キロリットルもの燃料が得られることになります。平成28年に航空運送事業が年間使用した燃料消費量は約1千万キロリットルなので、日本中の田んぼのうち27分の1の面積をミドリムシに明け渡せば、飛行機の国内年間需要を満たせてしまうのです。
ミドリムシに乗っ取られた田んぼが現れるそんな未来があるかもしれません。


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