先日も少し触れましたが、6月から改正建築基準法が施行されますので、本日講習会に参加してきました
。
今回の改正は主に確認申請に関する事。建築物そのものには直接影響はありません。木造の小規模建築物
に関する部分を大雑把に説明すると、新築時の申請が少し楽
になって、増改築の申請が少し難しく
なったという所です。
まず新築の場合ですが、19年の大改正以降、申請書のちょっとした手直しでさえも審査が進められない理由として法定通知を受けてきましたが、6月からは「所謂ちょっとした手直し」が復活します。
それ用の書面に記入しての手直しになりますが、無駄な審査期間の延長が減りますので工程も多少は組みやすくなるでしょう。←そもそも書類に最初から不備がなければ何の問題もない話。
また、工事期間中の軽微な変更も従前よりは範囲が拡大されました。間仕切り壁の位置変更や開口部の変更、天井高の変更などが適用されることになります。
但し、適用させる為の条件もあるので事前に建築主事と相談・調整するのが原則として考えた方がいいです。
確認申請そのものの方ですが、申請の度に添付してきた認定証や承認図の写し等が不要になったり、CADで作図した場合は三斜求積図が不要になったりします。
換気については、PQ線図を記載する条件付きなのでどっちが楽なのかなと「?」が浮かびましたが、一応簡素化したみたいです。
新築木造住宅に関する改正点はこんな所ですが、はっきり言ってどーでもいい改正の様な気がします。審査の迅速化
、申請の簡素化と大々的なコピーの割には・・・というのが率直な感想です。
まぁ、今まで通りまじめにやりましょう。
そして、楽になるはずの新築の改正がやや期待外れだった分、難しくなる増改築の改正の方は「また無駄が増えたな」とため息の出る改正でした。
増改築に関してはそもそも「既存不適格」が大きな問題なんです。
既存不適格とは、当時の法律には合っていたけど、改正後の法律には適合していない建物を言います。
一定の範囲内の増改築をする場合、新しく工事する部分だけ今の法律に合っていれば、古い部分はそのままでいいよっていう緩和規制なんですが、
当時の基準には適合しているけど、今の基準には適合していない事を証明する調書を作成しなければいけません。
ややこしくないですか。
杓子定規的に解釈すると、古い建物が今の基準に合っていない事と古い建物が当時の基準に合っていた事の確認なんて、当時の図面が詳細に残っていなければ分かるはずがありません。
当時の検査済証があれば、当時の基準に適合していると解釈出来ますが、15年位前までは完了検査を受けない建物の方が多かったんですよね。
確認済証でも代用出来るので、とりあえず書類は揃える事が出来るんでしょうけど、じゃぁ、その古い建物が本当に当時の基準に適合している建物なのかと具体的に証明を求められたら壁や天井を剥いで、確認しない限り分かり得ないと思います。
それだけに無駄な書類がまた増えたなと感じちゃったわけですが、そのくせ4号建築物の特例撤廃は延期されたりするもんだから、なんか捻じれたまんまこれからも進んでいくんだろうなとため息も漏れてしまったわけです。
まぁ、まじめにやるだけですけどね。
お客様の為にも。
将来、その家の図面を読む事になるかも知れない次世代の設計士の為にも。
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