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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-01】設計アップデートその3-省エネ狭小住宅-

2021-04-11 18:42:39 | ministock-01
昨日の記事で太陽光パネルの収支についての検証は終わりました。
今日はそれに関わる外野の話もしておきたいなと。

理由は、私が研究者や評論家であれば昨日で終わりでいいと思うんですけど、私は実務者ですので総合的な判断をしたいんです。

今日のお話しの根本は一昨日の記事でも少し触れていますが、
まずは「なくてもいいものを減らすこと」を先に考えるべきであって、

「省エネのために設備を新たに増やす」という文章に少し違和感を感じてしまうんです。

違和感の理由は、こちらも一昨日の記事に触れた通り、太陽光パネルは「家庭の光熱費のため」ではなく、「世の省エネルギーのため」の設備ととらえてるから。

その省エネルギーのために使用する設備の中で昨日の記事で気になった方がいるんじゃないでしょうか。
ミニストック-01は給湯器のみに都市ガスを採用しています。

そこまできたらオール電化だろという突っ込みは受け付けます。
もちろんエコキュートを採用した方がエネルギー消費量を減らすことができます。
計算で2GJほど。
それを光熱費に換算すると年間約17,000円の差額になるので結構大きいんですが、設置費用に¥20万円ほどの差額があって機器寿命が10年ほどなので、結局差し引きゼロくらいになります。

「4/14追記 エコキュートの金額を改めて調べたら、エコジョーズとの差額が10万円ほどで購入できる機種もありました。これで、エコキュート有利か!
!となりそうですが、エコジョーズの方が機器寿命が長いと思われるため(あくまでも思われる)、そこを含めてトントンくらいかなというところです。」

よって、買い替えの気軽さを優先してのガス給湯器(都市ガス)なのか、太陽光パネルとの相性(日中の保温)を優先してのエコキュートなのか、その辺りをご説明しながら設置機器を決めていくことになります。

もう一つが自家消費を増やすための工夫ですが、一番発電する日中に全員が在宅しているわけではないので、自家消費はなかなか増えません。
そこで蓄電池やV2H(電気自動車から家に電気を戻す設備)などの設備の追加設置が考えられるのですが、まだまだ高価な設備です。(数十万や100万円を超えるレベル)
これらの設備を設置しなくてもペイできるシミュレーション結果でしたので、これらは今すぐ設置しなくてもいいと考えています。

そして、単純に太陽光パネルを増やせればエネルギーの削減率も増やすことができます。
小さい家の欠点は屋根にパネルを多く載せられないことですが、駐車スペースに設置したカーポートの屋根にもパネルを載せることができます。

「ネイティブディメンションズとして」

ミニストックは、建設時の使用材料を少なくすることで、建設費という面でオーナーの負担や製造時の二酸化炭素排出量を減らすことができます。

設備機器も同様の考え方です。
なるべく単純な機器を採用することでコストを下げつつ機器寿命も延びやすいので買い替え頻度を減らすことができます。

というように減らせるものから考えて、

だけど、小さいから我慢してくださいではなく、
小さくても快適に暮らせるアイディアを提案するのが、私の一番の役割と考えています。

高効率設備の提案はその次の話かなと。

最後に。
今回のシミュレーションはあくまでも極端に小さい住まいで検証した場合の結果です。
これよりも大きな住まいと大きなパネルで検証すればエネルギー消費量の削減率はもっと増やせるかもしれません。
ただし繰り返しになりますが、私は割合ではなく絶対量を減らすべきと考えているので、最初に小さい家のご提案とさせていただいています。

おまけ
今日のハート君





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