完全に地域のモニュメント化していて大地の芸術祭の作品に見えなくもなくなくない、工事中に使っていた階段が外に出ているということは、いよいよな時期に来たということ。
ラボの階段はレッドシダーが標準でしたが、物価高騰のあおりを受けてSPFに変更しています。
3層パネルを多用するネイティブディメンションズにとって、ラボの階段はSPFでよかったやうです。
いとおかし
ラボの引き戸はレッドシダーの原木を使い果たしてしまい、樹種変更を検討していましたが、引き続きレッドシダーにすることにしました。
玄関はやっぱりこれが格好いい(※)
さて、今日お伝えしたいことは設計事務所の話。
僕の頭の中のお話しを。
元々はシステムキッチンをお勧めするネイティブディメンションズ。
ただ、ご要望の優先順位がシステムキッチンにはできないことだったら造作キッチンでご提案しますよスタイルです。
今回の最初の提案は壁付けのI型でした。
ミニストックで一番多いスタイルです。
その後、追加要望の流れでL型になって、実施設計の段階でなぜか「鈴木、もうちょいお前の引き出しを開けてみろ」という声が聞こえたというのは噂レベルの話ですが、コの字型の提案をして採用となりました。
「採用!」=「終わり」ではなくて、
ネイティブディメンションズの設計はここからがスタート。
ここから使い勝手に関する寸法や素材などの細かい打ち合わせが始まります。
そしてその結果、造作キッチンとしては一番面倒くさい組み合わせに。
「ステンレスのコの字型キッチン」
もう、ワードが強すぎ。
小野伸二のベルベットタッチなキックから生み出されるスルーパスではなくて、
中田英寿のお前が追い付いたら点が入るぞ的なキラーパス寄りの強さ。
そこで、やめておけばいいのに自らそのキッチンにダイビングを組み合わせて南葛・石崎了の顔面ブロック並みのガッツを見せる始末。
すみません。久々ブログではしゃいでいます。
こんな感じに仕上がりました。
いつも通りに見えなくもないんですけど、ポイントは
平らなステンレスと、
宙に浮くコの字と
ダイビングの段差
サッシと平らも添えて。
今まではこの複雑な形状はモールテックスで処理していました。
過去にステンレスで作ったこともありますが、それは段差を作ることでステンレスパーツを1枚1枚単独で納められるようにして施工の難易度を下げていたんです。
そして、設計はProMaxで施工の難易度を上げずにスムーズに工事ができるようするために書いた詳細図は24項目。
詳細な図面を用意しておくことで現場では
こんなところの出っ張り、引っ込みや
こんな場所の出っ張り、引っ込み
この出っ張り、引っ込みなんかも
ここを平らにする処理についても、
現場で一切打ち合わせをすることなく、
図面通りに仕上げてもらいました。
もちろん作っている最中に現場を訪れています。
お疲れ様のあいさつだけで、大工さんがぶつぶつ言いながら作っているのを横目で見ていました。
別の大工さんに言わせると「喜んでいる証拠」だと。
私もすきを見て採寸して、図面通りの寸法になっているかを確認します。
その結果、
業界用語でいうと、
ステンレス、3層パネル、キッチン幕板、塗装壁、畳み込上がり、キッチンサッシ窓枠、リビングサッシ窓枠の
チリがきれいに納まりました。
かなり複雑な形状でありながら全体的にすっきりとまとまっていて、
どちらかというとシンプルなキッチンに仕上がったと思います。
皆さんと楽しくお話ししているとアイディアが無限に湧いてきます。
この仕事が天職だと自分でも思っているくらいアイディアが湧いてきます。
そのイメージを図面にして、現場とバチバチの勝負をする。
「絶対納めてやる」
皆さんと笑えば笑うほど現場ではヒリヒリが待っている。
そして、現場と協力して完成したときのニヤニヤ
設計事務所が設計事務所であることを確認できる瞬間です。
そんなストーリーのあるキッチンをぜひ見に来てください。
見学会は
10月28日(土)と29日(日)
(※)もし、その時に玄関引き戸をレッドシダーではなく、ひのきで作ってみたいご要望がありましたらお受けします。
ご連絡お待ちしております。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます