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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-12(lab)】和室がない-新潟産小さな家-

2022-08-16 17:11:52 | ministock-12(lab)
住宅設計.jpというサイトで
ミニストック-01と
ミニストック-09
ミニストック-11
を紹介していただきました。

竣工写真を貼り付けただけのサイトなんですが、

サイト運営の目的が
「住宅の美しい写真を集めること」
と担当者の方から伺って、めっちゃうれしくなりました。


過去には、建築家住宅手帖というサイトでも紹介していただきましたが、そのサイトは「誰かのために建てられた家を、別の誰かが住み繋いでいく世界」の実現を目指して、という趣旨で運営されています。つまり、後世に残したい住まいということなんですけど、

サイトの目的が素晴らしく、そこにミニストックが声をかけてもらえるなんて、自分がやってきたことに対して褒めてもらえているようでとてもうれしいです。

なんで声をかけていただいたといえば、布施貴彦さんに竣工写真を撮影してもらっているからだと思うんですけど、
布施さんにお願いしている理由は、私が布施さんの写真好きだから。

写真って撮影者の性格がモロに出ます。

布施さんの写真はピュアというか、変な飾り気がないのがいいところ。

イマドキの写真ってカメラ性能がすごすぎてエフェクトかけ放題ですが、そんな中でこの色を出してくる布施さんって、ある意味尖ってるなと思います。

職人技。かっけっす。

さて、今日は工務店さんとの打ち合わせ中に、大工さんの腕の見せ所の話になりました。(例のごとく打ち合わせ30分、雑談1時間)
かつて、腕の見せ所と言えば「和室」だったわけですが、今や絶滅危惧種。

ぱたぱた作って終わりの住宅では、大工さんになろうと思うはずがないよねって、大工あがりの社長は嘆くばかり、

大工さんが減っている原因ってまさにそこだと思う。
資材の重量化が進んで体力的にきついという面もあるんですけど、
それにしたって、お客さんに分かりやすいくらいに喜んでもらえそうな見せ所がないんです。

和室が減ってきていることは認めるしかないよね。
だから、和室にこだわらずに他に腕を試せるところをどんどん設計に盛り込んでいくからガンガン行こうよ、って話をしていました。

ということで、ミニストック-12はお盆前から内装工事に入ったわけですが、例えばこんなところはいかがでしょうか。
昨日も見てもらいましたが、1階天井のモイス施工がほぼ完了しました。
遠目で見ると単なる白い板ですが、これを拡大すると
こんなのの集合体になります。
縦横に線がきれいに揃っています。

まあ、1か所くらいならなんてことないんですけど、これが天井一面に広がっています。
隣がちょっとズレると、隣もズレちゃう。
つまり、全部がそろってないとこうならない。

とんでもない技術です。

しかも、そこに私わざといじわるスパイスを入れています。
こういう時の施工って、ちょっと目地を作って、線を少しぼかすんですが、モロ突付け(ギョーカイ用語で糸面)で施工してってお願いしました。

モイスの特徴は素材感。

その素材感を表現するには、素材そのままの形で使うのが一番きれいだと思っているから。
面と面でちょっと凸凹が出ちゃうんです。

それがよくないから目地を作って、凸凹が分かりにくいようにするんですけど、

自然素材って凸凹していて当然だと思うんです。
いわば、工業製品には絶対できないことを見せつけたいなっていう、

私特有の逆張り設計。

素材と大工さんの腕が融合する住まい。

そこに家族の思い出を沢山染めていただくと、住まいがどんどん成長していくと考えています。



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