native dimensions blog

新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

「ministock-02(lab)」狭小住宅の住まい方-省エネルギーな小さい家-

2016-09-20 10:36:56 | ministock-02(lab)
一気に涼しくなった感じがします。
この窓の景色ももうしばらくしたら秋色に衣替えしそうです。

さて、狭小住宅はただ小さいだけなのか。
世の設計者は小さい家を手掛ける際、いかに広く見えるかの工夫に夢中になります。

広い家は最初から広いし、狭く見せる必要もないから、小さい家を広く見せる工夫というのは、設計士としての職能が発揮される場面でもあります。

前回の記事でも、ちらっと見えていましたが、ミニストック-02には5帖のバルコニーがダイニング脇にあります。
バルコニー作るんだったら、屋根掛けて部屋にすればいいじゃん、ってなるのも一つ。

それもそうですが、単に室内が5帖広くなっただけでは数字通りの広がりしか感じられません。
しかし、5帖のバルコニーにつながるというのは、バルコニーの床が5帖できるほかに、天井、つまり空は無限大に広がるということです。
室内の5帖の天井と空はどちらが広いかは明らかです。

そして、室内から広く見えたとしても、そのバルコニーが積極的に使えなければ意味がありません。

そこでタープの登場です。
バルコニーのほぼ全面を覆うタープ。
タープから透ける日差しで圧迫感はありません。

適度な日陰になってくれます。
ここで過ごす休日なんて、想像するだけで楽しくなっちゃいます。
室内では絶対に過ごせない楽しみがここにあります。

街中のオープンテラス風な過ごし方もよし、
郊外のキャンプ場の様な過ごし方でもよし、
使い方は自由です。

ここに漏水のメンテナンス対策を加えれば、設計士としての役割を果たすことになりますね。

このように、外との距離感を近づけるのが小さい家での住まい方の一つと言えます。

もう一つ。

家の中で、居室と廊下などの境目を作らない事。
食事はダイニングで、くつろぐのはリビングで、寝るのは寝室で、なんて、一部屋一役割みたいなプランニングしてたら小さく感じるばかりです。


例えば、階段の踊り場が過ごしやすい場所だったら。

すでに愛犬のお気に入りの場所になって、お布団が敷いてあります。

ペットなんて、どこでも適当に居場所みつけるだろ思った方。

残念。

たしかにペットは部屋か廊下の違いやルールなんて作らないですから、どこにいても不思議じゃないんですが、

でも、

絶対に居心地のいい所にいます。

それは、暖かかったり、涼しかったりする場所。

絶対にその家で一番居心地のいい場所にいます。
わざわざ居心地の悪い所にはいきません。

家の中で、居室と廊下などの境目を作らない事を書きましたが、それは気温や湿度の境目がない事。
そのために断熱・気密性能と換気・空調計画を設計士として提案します。

どこにいても気持ちがいい結果、窓から景色が眺められる階段の踊り場にいるようになったのが上の画像です。
もちろん住む人にとっても、居心地の悪い所はありません。

階段に腰掛けて読書したっていいんじゃないですか。

使える場所が増えれば、広くなります。
っていうか、わざわざ広くする必要もなくなります。

すべて使い切ることと、可能性を広げることが小さい家の住まい方。
すごく楽しいですよ。



コメントを投稿