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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

名前よりも大切な事

2010-01-28 21:53:33 | こだわり設計

当事務所は木造住宅を専門としていますが、構造計算と熱損失の計算を行い、お客様にご説明しています。

木造住宅を詳しく知らない方(主にお客様)であれば、「それは当たり前の事じゃないの?」と思うかもしれません。

木造住宅を少し知っている方であれば、「へぇ、計算してるんだ」と思うかもしれません。

木造住宅をもう少し知っている方であれば、「まさか、壁量計算を構造計算って言ってるんじゃないだろうな」と思うかもしれません。

私が最初に書いたわずか1行の文章ですが、感想に温度差があると思いませんか?

改めて。

当事務所は木造住宅を専門としていますが、許容応力度設計による構造計算を行い、省エネルギー基準の性能規定Bタイプによる熱損失計算を行い、お客様にご説明しています。

理由はお客様に安心していただきたいので。

計算はご契約前に行うので、建物の性能について充分に納得していただいてから建物を作る事が出来ます。

今日、とあるセミナーに出席してきましたが、「住宅を建てる最初の段階でのアンケートで、新しい住宅に求めるものを聞いた時、「地震に強い建物」が必ず上位にあるのに対して、契約後のアンケートで決め手になった事を聞くと、「営業マンの人柄」などが上位で地震の「地」の字も出てこなくなる」との事でした。

なんとなく言っている事が分かります。

お客様にとって、地震に強い家なんて当たり前と思っているからでしょう。

ほにゃらら工法だから安心したのかも知れません。

当事務所では、構造にも断熱にも特別な名前は一切ありません。日本中のどこでも通用する計算方法で私以外の人が後からでも手を加えられる方法で設計をしています。

ある意味、私が死んでしまっても図面と計算書さえ残っていれば、その建物を引き継ぐことができます。

わたしは、大手ハウスメーカーや地元のビルダーさんとオリジナリティ競争をしているわけじゃないので、全国どこでも通用する特別な名もない方法で設計しているんです。

理由は、末長くお客様に安心していただきたいので。

ちなみに、ほにゃらら工法で建てられたお客様は、家を建てる時、設計してもらった建物の構造計算書を見せてもらいましたか?どのくらいの熱損失係数でどのくらいの冷暖房費がかかりそうか説明を受けましたか?

ほにゃらら工法の説明を受けただけでは、その家の性能の説明を受けた事にはなりません。

例えば、ほにゃらら工法は耐震等級2が標準と説明を受けたならば、ご契約した間取りが実際に耐震等級2であったか計算結果を見せてもらうべきです。ほにゃらら工法は次世代省エネ基準相当が標準と説明を受けたならば、ご契約した間取りが実際にどの程度の熱損失係数であったか計算結果を見せてもらうべきです。

だって、自動車買う時に「当社の自動車はすべて低燃費です」とだけ言われて買う事はまずありません。15km/lなのか20km/lなのか25km/lなのか。どれも燃費は良いと思いますけど、15と25じゃすごく違いますからね。

また、建築基準法で一般的な木造住宅は、確認申請時に構造計算などの書類を添付する必要はありませんが、計算自体は行わなければいけません。

同業者としてあまり言いたくはありませんが、上の文章を履き違えて「一般的な木造住宅に構造計算は必要ない」と解釈しているお店もあるようです。今日のセミナーで「構造計算をしてない業者が、計算を偽装した姉歯氏を批判するからおかしなもんだ」とも言ってました。

たしかに。

まぁ、どっちもどっちなのは間違いないです。


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