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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-07(lab)】前前前世-新潟を一望する小さい家-

2018-09-07 18:39:24 | ministock-07(lab)
前回の続き。

システムキッチンは1m95cmもとい、2m10cmの間違いでした。
だとしても、新築一戸建てではかなり短い方です。
(冷蔵庫と横並びのシステムキッチンなんですが、冷蔵庫の幅を再ヒアリングして(今使っている冷蔵庫だけでなく、今後のライフスタイルも含めて)15cm大きくしようって事になったんでした)

で、なんでそんなに短いかと言うと、実はメインがそこじゃないから。

メインは逆。

つーか、

この景色を、プラス家族の顔を見ながら料理をしたいので、テーブルがL型になっていて、キッチン作業ができるようになっているんです。

つまり、Ⅱ型キッチンという事になりますが、そんな単純ではありません。

今までのダイビングテーブルは、リビングダイニング子供部屋書斎家事スペースでしたが、


今回のダイビングテーブルは、リビングダイビング子供部屋書斎家事スペースキッチン作業台家電収納ゴミ箱置き場になってます。
で、相変わらずの畳コーナーとも組み合わせてますので、階段昼寝(寝落ち)スペースアイロンスペースも加わるという第三世代のダイビングです。

もちろん一度に全部はできませんが、一日24時間。
どこかの時間帯でそれぞれ使うと考えれば超余裕です。

ただし、

ここまで兼ねるとデメリットも生まれます。
一番が、キッチンとリビングが近いと作業(調理)音でテレビの音が聞こえなくなること。
結構、ケンカの原因になります。

うるさい!テレビの音が聞こえないよ!
は?じゃ、お前が料理しろよ!(お前が皿洗えよ!)
とか、
は?じゃ、テレビと結婚すればよかっただろ!

的な。


・・・

臭いの問題とかもあります。
同時に使うときのメリットとデメリットを良く打ち合わせしてから組み合わせましょう。

今回のテーマは、「料理をしながら家族仲良く!」

キッチンの作業台を兼ねてるのでリビングを囲いながら料理をするような生活になります。

とにかくすっごい、楽しそう。
毎日パーティ気分。

さては、Fさんパリピだな。

ところでテレビ問題は?


Fさん、テレビ見ないのでそもそも問題の原因がありません。
よって、今回の間取りとなりました。
にしても、こんなオープンなキッチンに収納は?

まず、テーブルの上の吊戸棚。

棚が2段になっていますが、下の段はキッチンから手の届く高さ。
上の段はさすがに手が届きませんが、畳コーナーからだと超楽勝。

食卓調味料置き場であったり、
マガジンラックに使ってもいいですね。
一回一回キッチンに片付ける必要なくなるし、
雑誌や新聞が散らかりません。

で、あのテーブルの下。
右側が電子レンジ置き場。
もちろんラップ収納付。
もちろんキッチン側からとリビング側からとで動線が重ならない位置。

左側が食器など。
ここで大切なのが、キッチン廻りには日常使いのモノしか置きません。それでも十分ありますが、
季節ものや来客用は床下に片付けてしまえば、キッチンは意外にコンパクトになります。

キッチン道具を全部キッチンに片付けようとすると雑多になります。
毎日使うものだけを身近に置く。
滅多に使わないものの為にスペースを広げない。


キッチン通路の幅は綿密に打ち合わせした寸法に。
使い方で幅が変わります。

そして、カウンター下にあるのがごみ収納用のワゴン。
ワゴンを引き出さなくてもゴミが入れられる隙間を設けてあります。

ついでに言うと、

いい景色だなぁ
ではなくて、
カウンター上に丸い穴が開いてます。

リビング側からもゴミを捨てられるように穴が開いてます。
一石二鳥が考え方のベース。
兼ねるから少なく、小さく済みます。


この第三世代仕様は、見た目以上に複雑で、この使い方を実現するために、畳部分は1階の床より40cm上がるし、キッチン部分は1階の床より12cm下がっています。

また、掃除がしにくいデッドスペースも生まれたので、そこは床下との通気口として、そもそも掃除が必要ない造りにしました。

そんな思いが超詰まっているので、テーブルとキッチン周辺のアイソメ図が

あののれんのデザインになっています。

それだけ力入れたってことですね。

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