5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は170品種ほどの花木や鳥の撮影ができました。毎月恒例の記録として18回に分けて投稿します。
back number - はなびら (full)
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東アジアの温帯~冷帯にかけて分布するバラ科に分類される落葉性の低木です。北海道から東日本など日本海側の海岸の砂地に多く自生しています。

背丈は1~1.5mほどに生長し、太い枝にはたくさんの細かいトゲが生えています。

5月~8月になると、野生のバラの仲間では最大級の直径6~10cmほどにもなる花を咲かせます。

紅紫色や白色をしており、豊かな香りを漂わせることが特徴です。その後、赤く熟した実がつきます。

この実が、ナスやナシに似ていることから、本種の名前で呼ばれるようになったそうです。
<ハマナス(浜茄子) バラ科バラ属>
5/2 つくば実験植物園
中央〜南アメリカ原産の黄緑色の花が可愛いつる性のラン科植物。淡い黄緑色の花を咲かせます。

直径5~7cmの程の花が咲きます。 茎は多肉質で、各節から葉と気根が伸び、葉は細長い楕円形で長さは10~20cmです。

バニラアイスなど食品の香料としても有名です。食品や香水などの香料として使用されるバニラビーンズとは、本種の実を熟成させたものです。
<バニラ・プラニフォリア ラン科バニラ属>
5/2 つくば実験植物園
全国の日当たりのよい畑地、原野、道端などにごく普通に見られるキク科の越年草です。

高さは20~30 cmほどで全体に白軟毛があり、葉は先が丸みを帯びたへら状で、互生します。

4~6月に茎の先端に頭状花序の黄色い小花を多数つけます。春の七草の1つで、季語として古くから俳句や短歌などにたびたび登場します。
<ハハコグサ(母子草) キク科ハハコグサ属>
5/22 北柏ふるさと公園
中央アメリカ、西インド諸島原産。荒れた貝塚の上などに生え、高さは3~4メートルほどになります。

夏から秋にかけオレンジ色の鮮やかな花を咲かせます。花は細長い筒状で、気温さえあれば周年開花します。

実は最初赤く、同じアカネ科のコーヒーの実に似ています。熟すと黒紫色になり、熱帯地域では飲料として利用されています。

花はやや地味ですが、葉が生き生きしており、特に新葉は赤みがかった透明感があります。
<ハメリア・パテンス アカネ科ハメリア属>
5/2 つくば実験植物園
北海道から沖縄まで日本全土にわたって広く分布します。肥沃地を好み、土地の肥沃度を判定する指標樹とも言われています。

枝先に球形の散形花序を総状に多数つけ、淡黄色で直径5mmほどの小さな花を多数開きます。一見、線香花火のようにも見えます。

タラの芽やコシアブラ同様ウコギ科の植物で、新芽は春の山菜として人気があり、最近ではウコギ科天ぷら三兄弟と呼ばれています。

名前の由来は、幹のトゲが鋭いので「針」、葉が大きいのでキリの葉にみたてたとの事です。
<ハリギリ(針桐) ウコギ科ハリギリ属>
5/2 つくば実験植物園
モーリシャス原産のキツネノマゴ科の常緑樹。樹高は60~90㎝程度で葉柄の付け根に鋭い棘があり、葉の表面には光沢があります。

10~3月頃、枝先に円筒状の苞を出し、そこから黄色い筒状花をつけます。花冠は5裂し、花弁の長さは1cm程度です。

和名の松毬ヴァーレリアは、苞の形状が松毬(松ぼっくり)を思わせることから名付けられました。

<バルレリア・ルプリナ(松毬バーレリア) キツネノマゴ科バルレイラ属>
5/2 つくば実験植物園
中国の固有種で、自生地は標高2000mほどの高原で、耐暑性が強いわけではありませんが、四国や九州でも栽培され開花しています。

4月下旬から5月に、前年枝に白いハンカチのような姿の花を咲かせます。

しかし、花弁はなく、たくさんの雄花と1個の雌花が1つの球形をつくり、大型の2枚の苞に抱かれるような形で開花します。ハンカチに見立てられるのは、この2枚の大きな苞です。

両性花の後には果実ができ、秋はキウイフルーツほどの大きさになります。果柄は4センチほどあり、果実は一つずつぶら下がります。

花についた白い大きな2枚の苞葉が垂れ下がりよく目立つため、ハンカチに見立てられ、日本では「ハンカチの木」と呼ばれます。
ハンカチノキ(手巾木)ミズキ科ハンカチノキ属(ダヴィディア属)>
5/2 つくば実験植物園
コバトベラの仲間で、ヒメトベラの斑入り品種。中国が原産の常緑低木。日本では庭園や公園に植えられます。
5/2 つくば実験植物園
コバトベラの仲間で、ヒメトベラの斑入り品種。中国が原産の常緑低木。日本では庭園や公園に植えられます。

花もトベラやコバトベラに似ています。色はスイカズラやヒョウタンボクのように白から黄色に変わっていきます。

トベラ 同様、実が熟し、割れた殻のなかから赤い実が顔を出します。

和名のヒメトベラはトベラに比べ、全体的に小形であるため。
<ピットスポルム・ヘテロフィルム(姫海桐) トベラ科トベラ属>
5/2 つくば実験植物園
本種は、四国の固有種でメギ科イカリソウ属の多年草です。バイカイカリソウとイカリソウの自然交雑種といわれます。草丈は最大30cmです。

春に花茎を出しその先端から総状花序を伸ばし、距のある白い小花を付けます。花名はイカリソウより小さいことによります。

花は4弁花で萼片が8枚ありますが、開花時に4枚落ちます。1本の雌蕊の周りを4本の雄蕊が取り囲みます。
<ヒメイカリソウ(姫碇草) メギ科イカリソウ属>
5/2 つくば実験植物園
日本固有種の植物で、日本の関東より西に広く分布するアジサイ科の低木です。
5/2 つくば実験植物園
日本固有種の植物で、日本の関東より西に広く分布するアジサイ科の低木です。

梅雨頃に白くて美しい花を咲かせることから、古くから花材や庭木、観葉植物として親しまれてきた植物です。

花期は4月~5月で、枝先に花序を出し小さな白い花を多数咲かせます。名前はウツギに似ていて、花が小さいことに由来しています。

<ヒメウツギ(姫空木) アジサイ科ウツギ属>
5/2 つくば実験植物園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「5月の花のアルバム(13)」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム(14)」に続きます。