6月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。6月はアジサイを始めとして、夏の花が咲き揃う季節でもあります。6月は約140品種ほどの花木や鳥の撮影ができました。毎月恒例の記録として9~10回に分けて投稿します。
<本日のバラ アプリコット キャンディ>
系統:FL 作出:2007年 メイアン(仏)
花色は名前が示すとおり、優しい杏色です。花付きが良く、花首がしっかりした半剣弁高芯咲きの大輪種です。
開くにつれて花弁が波打ってくると、やわらかい香りが漂ってきます。2008年ローズヒルズINTローズトライアルズ金賞。
北海道、本州、四国、九州に分布する日本の固有種で、山地の草原に生育します。
本種の和名はマツムシソウ(松虫草)。高原のお花畑を彩るさわやかな花で、昆虫のマツムシが鳴くころに咲くのでこの名がつけられています。
葉を出して冬を越し、花を付けてから枯れる冬型一年草ですが、高地では枯れずに2年目の葉を出す多年草です。
開花は8~10月で、長く伸びた花柄の先端に直径4~5センチ大の半球形をした花が一輪ずつ咲きます。
<スカビオサ(松虫草) マツムシソウ科マツムシソウ属>
6/12 あけぼの山農業公園
北アメリカの南西部に分布する、毎年花を咲かせるキク科の多年草です。
和名は「ルリギク」で、大正時代に日本に持ち込まれました。昭和の初期に人気が出て広く普及したと言われています。
開花時期は6〜10月で、長い期間にわたって花茎を次々に上げ、開花を楽しませてくれます。花茎を伸ばした先端に、径6〜7cmの花が咲きます。
ヤグルマギクに似た花弁が細かく分かれる花は繊細な印象ですが、株全体としてみると野性的な雰囲気をもっています。
葉は笹のような細身の形をしており、株は横にやや広がります。自然と分枝するのでこんもりまとまります。
<ストケシア(瑠璃菊) キク科ストケシア属>
6/8 京成バラ園
熱帯アメリカ原産で、花後に枯れる一年草です。日本には江戸時代前期に渡来したとされます。
主な開花期は夏から秋で、花色は紫紅、白、ピンク、オレンジなどがあります。炎天下でもめげずに茎がよく枝分かれして茂り、球状の花を咲かせます。
花びらは持たず、色づいているのは苞葉(ほうよう)と呼ばれる花の付け根に付く葉っぱです。
夏から秋まで長い間、紅色が色あせないことからこの名前になったそうです。
<センニチコウ(千日紅) ヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)>
6/5 柏の葉公園
アメリカ南部を原産とするモクレン科の常緑高木。日本には明治のはじめに米国より入ってきて、広く植栽されている樹木です。
モクレンやコブシなどと同じ仲間で、早春から続くこのモクレン属の開花の最後を飾るのが、本種です。
6月から7月に、大輪で純白の香りのよい花を咲かせます。花の白と、常緑で光沢のある葉の深緑色との対比は非常に美しいものです。
花が上向きに咲き、樹高が高いため、見上げないと開花に気づかないことがあります。
名前の由来としては花を大きな盞(さかずき)に見立てて「大盞木(たいさんぼく)」とする牧野富太郎博士の説が有力です。
<タイサンボク(大盞木) モクレン科モクレン属>
6/12 あけぼの山農業公園
ヨーロッパ~北アジア、西アジア北部~中央アジア北部にかけて分布するキク科コタ属の常緑多年草です。
名前にカモミールとついていますが、ジャーマンカモミールとは別種になり、花の形が似ている程度で、姿は似ておらず香りもほとんどありません。
「染物屋のカモミール」という名前の通り、花からは黄色の染料が採れ、草木染めとは思えない鮮やかな黄色を発色します。
花や葉に香りはほとんど無いので、草木染めで利用する以外は主に観賞用のハーブです。
<ダイヤーズカモミール(紺屋加蜜列) キク科コタ属>
6/12 あけぼの山農業公園
地中海地方原産でアオイ科の越年草。英名では「ホリホック」と呼ばれます。
6~7月頃にハイビスカスに似た華やかな花を穂状に咲かせる夏の花です。シンプルな一重咲きから、フリルのような華やかな八重咲きもあります。
毎日、次々と新しい花を咲かせ、2ヵ月近く咲き続けてくれます。花穂の下から上へと順々に咲いていく「咲き上がる」性質を持っています。
咲き始めは梅雨のはじまり頃で、てっぺんの花が咲くと梅雨が明けると言われています。
<タチアオイ(立葵) アオイ科ビロードアオイ属>
6/5 アンデルセン公園
ヨーロッパ原産の帰化植物。クラウンベッチの名で知られ、肥料や牧草として導入されたものが野生化してます。
茎先に散形花序を作り蝶形花「上唇がピンクか紫で下唇が白く丸い円形状の花」を複数付けます。
下唇の中に黄色い葯の付いた雄しべ数本と紫色の花柱(雌しべ)1本がある花を複数咲かせます。
丈夫な性質で生育旺盛で増えやすく、雑草よけやグランドカバーに適していることから、観賞用に流通しています。
<タマザキクサフジ(玉咲草藤) マメ科タマザキクサフジ属>
6/12 北柏ふるさと公園
メキシコ原産のキク科の多年草で、根は球根になっています。日本には江戸時代1842年(天保13年)にオランダから長崎に持ち込まれました。
花姿がボタンに似ており、和名は天竺牡丹と名づけられています。外国から輸入された花の名前には天竺をよくつけたそうです。
大輪種から、中輪種や小輪種、一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、古くから親しまれてきた春植え球根です。
そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ品種や、チョコレートの香りのする品種など、ユニークなものもあります。
<ダリア(天竺牡丹) キク科テンジクボタン属(ダリア属)>
6/5 アンデルセン公園
日本各地の日当たりのよい草地に群生する多年草。晩春に葉に先立って花穂を出します。若い花穂はツバナと呼ばれ、かすかに甘味があります。
本種は漢字で「茅萱」と書き、尖った葉をピンと立てている様子が「矛」に見立てられました。
尖った葉は、邪気を防ぐと信じられており、6月30日の夏越しの大祓いのためにくぐる「茅の輪」は本種の葉から作られます。
<チガヤ(茅萱) イネ科チガヤ属>
6/1 近所の路傍
日本を含む東アジア原産で、畑の隅や道端で見かけることの多い鮮やかな青い花が咲く夏の植物です。
大きく重なった2枚の青紫色の花が目立ちますが、実はよく見ると小さな白色の花がもう1枚下部にあるのに気づきます。
その形や色から「帽子花(ぼうしばな)」、「青花(あおばな)」ともよばれます。
日本でも古来から自生しています。朝咲いて昼には萎む儚い様子から、万葉集の和歌でも恋の歌で登場する植物です。
<ツユクサ(露草) ツユクサ科ツユクサ属>
6/1 近所の路傍
約24種類が南アフリカに分布する球根性植物。日本ではビオラセアとフラグランスの2種類が出回りますが、一般的にはビオラセアをよく見かけます。
アガパンサスを小型にしたような草姿で、すらりとした立ち姿が美しく、シンプルですっきりした印象を受ける花です。
初夏~夏に花茎の頂点に星形の花を放射状に十数輪付けます。花色は淡いすみれ色、白などがあります。
和名をルリフタモジ(瑠璃二文字)といいます。 「二文字」はニラのことで、つまり、瑠璃色のニラということです。
<ツルバキア(瑠璃二文字) ユリ科ツルバギア属>
6/5 アンデルセン公園
ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、熱帯アフリカの山地に250種程度が分布します。
5月~6月の初夏に開花するキンポウゲ科の多年草です。草丈は20cm~150cmで、青や紫、白、ピンクなどの美しい花を咲かせます。
とくに青色系の花をつける品種が有名で、結婚式のブーケとしても人気です。
和名では「オオヒエンソウ(大飛燕草)」とも呼ばれることがあります。花がツバメの姿にも見えることから、この名前がついたようです。
<デルフィニウム(大飛燕草) キンポウゲ科オオヒエンソウ属>
6/5 アンデルセン公園
日本各地、朝鮮・中国・東南アジア・インドなどに分布する一年草。田園の畦道や湿った草原・畑などに生育します。
花はうすい紫色で、黄色や橙色の斑紋があります。ムラサキサギゴケに似ていますが、こちらは1年草で、地を這うような長い茎が伸びることはありません。
和名は葉が常にほぼ一年中あって(常葉)、さらに果実がはぜる様子に由来します。
<トキワハゼ(常磐爆) ハエドクソウ科サギゴケ属>
6/12 近隣の路傍
北海道南部から、本州、四国、九州の各地の陰地に野生している多年草です。日本の三大民間薬の一つです。
解毒薬として有名で、生の葉を腫れ物に外用するとよく効き、蓄膿症には葉の汁を鼻に挿入し、傷には煎液で洗浄し洗眼薬にもなります。
臭いや生えている場所からあまり良いイメ ージがなく、抜いても、抜いても生えてくる迷惑で、名前にも毒と付くので、毒があると思われがちですが毒草ではありません。
生の全草には特有の悪臭があるので、毒でも入っているかと、「毒溜め」の名から変化したのが名前の由来です。
<ドクダミ(蕺) ドクダミ科ドクダミ属>
6/12 あけぼの山農業公園
アメリカの熱帯地域を中心に約500種ほどが分布し、花を楽しむ種類のほか、パッションフルーツのように果物として利用される種類もあります。
パッションフルーツの実は独特の芳香があり、香水やジュースなどに利用されています。
個性的な花の形を時計の文字盤に見立てたことから本種の名があり、特徴的な造形美のある美しい花が魅力の熱帯植物です。
学名のパッシフローラは「受難の花」の意味で、はりつけの刑にされたキリストをめしべの柱頭にたとえ、放射状にひろがる部分をキリストから出た後光にたとえたものだそうです。
<トケイソウ(時計草) トケイソウ科トケイソウ属(パッシフロラ属)>
6/4 柏の葉公園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「6月の花のアルバム(6)」15品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「6月の花のアルバム(7)」に続きます。