5月に出会った植物の花や鳥の写真を整理しました。5月はバラの花の種類が一番多い月で、新緑の季節でもあります。5月は170品種ほどの花木や鳥の撮影ができました。毎月恒例の記録として18回に分けて投稿します。
瀧川ありさ 『夏の花』MUSIC VIDEO(full ver.)
ツクバネウツギ赤花版で、高所(1000~2000m)に自生します。また、タニウツギよりオレンジの強い赤色です。
5月~6月頃、新枝の先に紅色の花を1~2個ずつ咲かせます。長さ5~10ミリの花柄のように見えるのは細長い子房です。
ツクバネウツギの名前は、ガク片が羽子板でつく羽根のような形をしていることからで、本種にも羽根があります。
<ベニバナツクバネウツギ(紅花衝羽根空木) スイカズラ科ツクバネウツギ属>
5/2 つくば実験植物園
本種(エキウム・ウィルドプレッティ)はカナリア諸島原産で、高さおよそ2m。一番よく栽培されている種です。
5~6月に淡桃色の花を密に着かせます。開花までに3年かかり、開花するとその株は枯れます。
光があたると銀白色の葉と雄しべ&雌しべがキラキラして見えます。その名の通りまさに宝石の塔です。
<ホウセキノトウ(宝石の塔) ムラサキ科エキウム属>
5/2 つくば実験植物園
林内の薄暗い場所にごく普通に生え、地下茎で広がっていくため、しばしば群生します。
茎の先から1個から2個の細長い釣鐘のような花がぶら下がります。花は白を基調としていますが、先に行くほど緑色が濃くなります。
名前の宝鐸(ほうちゃく)は、寺院などの軒先にぶら下げる釣鐘のことで、花のかたちに由来しています。
<ホウチャクソウ(宝鐸草) イヌサフラン科チゴユリ属>
5/2 つくば実験植物園
日本各地、中国、台湾、朝鮮半島に分布する多年草。日当たりのよい場所を好み自生する山野草です。
這うように伸びてツル状で生育します。花は可愛らしい星形五枚弁で淡い色合いの青い花を初夏にかけて咲かせます。
咲き始めは赤紫で、次第にコバルトブルーに変わっていきます。真ん中にある星型の白い線が蛍の光を連想させることから付いた名前です。
<ホタルカズラ(蛍葛) ムラサキ科ムラサキ属>
5/2 つくば実験植物園
昔から、美人の代名詞にも使われるほどの優雅で大輪な花、ボタン。本種は雪のような白のボタンで、白を代表する銘花です。
千重、半抱え咲き、大輪の花。幅の広い花弁を持ちます。育てやすく、樹高は中くらいで、庭植えにも鉢植えにも向きます。
<ボタン「五大州」 ボタン科ボタン属>
5/2 つくば実験植物園
ケシ科ケシ属の一年草、多年草です。世界中に150種ほどが確認されており、モルヒネが採れるために栽培が禁止されている種類もあります。
世界では一般的にケシ科ケシ属の植物、場合によってはケシ科の植物全部を本種の名前で呼んでいます。
アヘンの原料成分となるモルヒネが含まれる品種も、本種の一種で、日本ではこちらを「ケシ」と呼んで、園芸種の本種と区別しています。
日本でガーデニング用として栽培されているのは、主にシャーレーポピー、アイスランドポピー、オリエンタルポピーです。
ポピーの名前はラテン語のpapa(粥)が由来といわれています。小さな子供を眠らせるためにお粥に睡眠効果や鎮静作用のあるケシの汁を入れたことから「ポピー」という名前がついたそうです。
<ポピー(芥子) ケシ科ケシ属>
5/22 あけぼの山農業公園
南アフリカ原産のキク科のユリオプスデージとよく似たキク科の黄色の花です。
花名から誤解を受けますがマーガレットでもコスモスでもありません。ユリオプスデージが秋~冬~春に咲く花なのに対して、本種は初夏~秋に咲く花です。
<マーガレットコスモス キク科ステイロディスカス属>
5/22 あけぼの山農業公園
北海道南部~九州の高山帯~亜高山帯に分布するキジカクシ科の多年草。針葉樹林の林床など薄暗い場所に群生します。
花の後には水分を含んだ直径5~7ミリの球形の果実がなり、秋には赤く熟します。実は紅葉とのコントラストが美しく観賞の対象になり、甘味があって食用にもなります。
名前は葉の様子が翼を広げて舞う鶴に似ているとして名付けられました。日本以外でも東アジアと北アメリカの温帯~亜熱帯に分布します。
<マイヅルソウ(舞鶴草) キジカクシ科マイヅルソウ属>
5/2 つくば実験植物園
原産地は北アメリカで、海外から日本へやってきた帰化植物です。1941年に京都市伏見区向島で採集された記録が最初とされています。
春から初夏にかけて高さ30~50cmほどの茎を地表から立ち上げて、枝分かれしたそれぞれの先端に淡い紫色の花を多数咲かせます。
名前は海岸に生えるランに似た花をつける植物として名がついたウンラン(海蘭)の仲間であることと、線形の葉がマツの葉に似ていることから名づけられたようです。
<マツバウンラン(松葉海蘭) ゴマノハグサ科ウンラン属>
5/2 つくば実験植物園
沖縄を除く日本全国に分布するニシキギ科の落葉樹。山地や丘陵の林縁に自生します。
開花は5~6月。花は直径1センチほどの淡い緑色で、あまり目立たないものの1~7輪ずつ咲きます。雌雄異株であり雌の木には雌花を、雄の木には雄花を咲かせます。
秋(10~11月)になるとサイコロステーキのような四角い薄紅色の実が鈴なりになり、熟すと自然に四つに裂けて中から暗い紅色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。
果実は熟すと、4つに裂け、中からオレンジ色の種が顔を出します。この様子を繭(まゆ)に例え、繭実が命名の由来であるとする説もあります。
<マユミ(真弓) ニシキギ科ニシキギ属>
5/2 つくば実験植物園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「5月の花のアルバム(15)」10品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「5月の花のアルバム(16)」に続きます。