先回の続きです。⇒ 10月の花のアルバム ② 2023-11-10
今回も、先回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
世界に一つだけの花 - SMAP
メキシコを中心に約20の野生種が知られています。野生種はメキシコの高原が故郷、夜が長くなると花芽を作る「短日植物」で秋以降に花を咲かせます。
近年は、それほど日の長さに影響されずに開花する早生品種が主流になり、春にタネをまいて夏から開花を楽しむケースがふえています。
明治に渡来した外来種で、和名は「秋桜(あきざくら)」と読みます。これを「コスモス」と読ませたのが、昭和52年に山口百恵さんが歌った「秋桜」という歌謡曲が大ヒットしてからです。
この曲を作詞作曲した、さだまさしさんが、「秋桜」を「コスモス」と読ませて、一般化しました。「秋桜」と書いて「コスモス」は図鑑や難読漢字にも取り入れられるほど一般化しています。
<コスモス(秋桜) キク科コスモス属>
10/18 あけぼの山農業公園
江戸時代に伝播した熱帯アメリカ原産の一年草。世界中に広がっている草で、日本では本州以南に分布し、河川敷等に生育する在来植物や農作物への競合・駆逐のおそれがあります。
1年草でふつうは冬が来る前に枯れてしまいますが、街中の暖かい場所では越冬していることも少なくありません。
小さな黄色い筒状花が多数集まり、束のようにまとまって、ひとつの大きな花のようになっています。本種の花は筒状花のみで舌状花(1枚の花びらのような花)はありません。
<コセンダングサ(小栴檀草) キク科センダングサ属>
10/18 あけぼの山農業公園
福島県以西の本州、四国及び九州に分布するレンプクソウ科の落葉低木。人家近くの丘陵や山林で普通に見られますが、花や実が美しく、あまり大きくならないため庭木として栽培されることもあります。
開花期は4月~5月で、枝先に直径5ミリほどの小花が半球状に集まります。花先は五つに裂け、それぞれの裂片が平らに開いて、雄しべが長く飛び出します。
果実は9~11月頃に赤く熟します。甘酸っぱくて食用になりますが、生のままではさほど美味しくないので、果実酒にするのが最適のようです。
<コバノガマズミ(小葉莢蒾) レンプクソウ科ガマズミ属>
10/11 千葉市緑化植物園
全長約1.6m.体は白色で、嘴はオレンジ色がかった赤色、その基部に黒色のこぶがあります。若鳥は灰褐色で、こぶはほとんどありません。
ヨーロッパ中部から北部、中央アジア等の湖・沼・河川を主な生息地としているが、姿の優雅さからアメリカ・南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランド等に移入されています。
日本では、海外から移入されてきたものが野生化してしまい、北海道、関東地方から中国地方で生息が確認されています。
<コブハクチョウ(瘤白鳥) カモ目カモ科ハクチョウ属>
10/18 北柏ふるさと公園
主として葉を観賞する東南アジア原産のシソ科の植物で、日本では園芸的には一年草扱いとされます。暑さに強く観賞期間が長いこと、群植すると特に見栄えがするので公共花壇などによく利用されます。
葉形や葉色、葉の大きさ、色合いなど様々な品種があり、園芸品種は100を超えています。生長期は、4月~6月と9月~10月で、花に負けない華やかな株姿で、鮮やかな色彩の葉を楽しめます。
<コリウス(金襴紫蘇) シソ科コリウス属>
10/18 北柏ふるさと公園
60種ほどの原種があり、欧州、中東、北アフリカの地中海沿岸地域に自生しています。ほとんどが秋咲きで、ピンクや藤色の花ですが、黄花で春咲きの種類などもあります。
花期を迎えると、葉を展開する前に土から直接花茎を伸ばして咲く、ちょっと不思議な花姿が特徴的です。
透明感のあるピンクや白、紫などの花を、地際付近に美しく咲かせます。日本ではイヌサフランという別名でもよく知られています。
その独特の美しい花姿から“裸の貴婦人”とも呼ばれ、ガーデンでもよく栽培される本種ですが、じつは全草にコルヒチンというアルカロイド系の毒を持つ、危険な有毒植物です。
<コルチカム イヌサフラン科イヌサフラン属(コルチカム属)>
10/11 千葉市緑化植物園
日本特産の花木であり、暖地の林内や林縁に自生します。晩秋~冬に咲く花を観賞するため、庭木や鉢植えに多く使われています。
花の後にできる果実は直径1.5~2センチほどの球形で、ツバキよりも小さい。翌年の花が咲く10月頃に熟すと三つに裂け、中から黒褐色の種子が三粒ほど顔を出します。
果実から採取される油は良質で、食用油や髪油として使うことができます。種子を蒔けば繁殖できますが、栽培品種は実生ではなく、挿し木や接ぎ木で増やすのが一般的です。
<サザンカ(山茶花) ツバキ科ツバキ属>
10/23 あけぼの山農業公園
アメリカ南東部、北アメリカ原産のシソ科の多年草。サルビアの中では一番草丈が高くなる種類で大株になります。
サルビアは、初夏から秋の花ですが、一年草扱いのスプレンデンスやブルーサルビアは、初夏から晩秋まで長く咲き続けますが、本種は開花時期が晩夏~秋にかけて咲くサルビアです。
学名のazurea(空色)にちなみ、透明感のある空色の花が穂状にびっしりと咲く姿がとても美しく目を引きます。
<サルビア・アズレア シソ科アキギリ属>
10/18 あけぼの山農業公園
南アメリカに分布するシソ科アキギリ属の多年草です。非常に強健で、暑い夏の盛りから秋まで花を咲かせてくれます。
最大の特徴は非常に濃い花色と、大きく口を開いた様な個性的な花の形(唇形)にあり個々の小花は長さが5cmと大きい所も魅力です。
日本ではメドーセージという名前で流通していますが、本来はサルビア・プラテンシスの英名であり、名前が間違ったまま国内に出回ってしまい定着したものと思われます。
<サルビア・ガラニチカ(メドーセージ) シソ科アキギリ属>
10/18 北柏ふるさと公園
ブラジル南東部原産のシソ科アキギリ属の多年草。本来は多年草ですが、寒さで冬越しのできない日本では一年草として扱います。美しい花を咲かせることから観賞用として導入され、世界中の熱帯から温帯地域で栽培されています。日本には明治時代に渡来しています。
別名では「ヒゴロモソウ」や「スカーレットセージ」等とも呼ばれています。ヒゴロモソウ(緋衣草)の由来は花が緋色の衣を纏ってるかのように見える所からきています。
アキギリ属(サルビア属)には約900種の植物が分類されていますが、単に「サルビア」というと、本種を指すのが一般的です。
<サルビア・スプレンデンス(緋衣草) シソ科サルビア属>
10/18 北柏ふるさと公園
原産地の北アメリカでは宿根草ですが、耐寒性がないため、日本では一年草として分類されています。
ラベンダーに少し似ている美しい青紫の花を長期間咲かせることからブルーサルビアとも呼ばれます。
花の美しさに加え、株がそんなに大きくならないこともあって人気があります。
<サルビア・ファリナセア(ブルーサルビア) シソ科サルビア属>
10/11 千葉市緑化植物園
アメリカ南部・メキシコに分布する低木性のサルビアで、近縁種のサルビア・グレッギーとまとめて、チェリーセージと呼ばれることが多いです。
茎の先端から花穂を伸ばして、ちらほらと花を付けます。1度に咲く花数は少ないですが、茂ってくるとたくさんの花穂を出し、初夏~秋まで咲き続けます。
基本種の花色は鮮やかな緋色で非常目立ちます。葉は軽くもむと甘みのあるフルーツのような香りを放ち、ハーブティーやポプリに利用できます。
<サルビア・ミクロフィラ シソ科サルビア属>
10/11 千葉市緑化植物園
メキシコから中米原産の観賞用のセージの一種です。アメジストセージの名前で流通しています。
とても丈夫で植えっぱなしで年々大株になります。花は秋から開花し、大株になると紫色の長い花穂が株一面を覆うように咲き誇り、秋の庭を美しく彩ります。
花に見えるベルベットのような肌触りの部分はガクで、花はガクから突き出すように咲き、色は白や紫、ピンクなどがあります。
<サルビア・レウカンサ(アメジストセージ) シソ科サルビア属>
10/25 柏の葉公園
中国南部、東南アジア、南アジア原産で、日本では沖縄地方で主に見られる常緑低木です。沖縄三大名花にも数えられており、沖縄県では「サンダンカ」の名前でも知られています。
花期は5月~10月頃、赤やオレンジ、黄色の花を咲かせます。花の形は2〜3cmほどと小ぶりで、かわいらしい印象です。春の終わり頃から秋口にかけて長く続きます。
<サンタンカ アカネ科サンタンカ属>
10/25 柏の葉公園
中国大陸原産で芳香性の一年生草本です。和風ハーブの代表格で、防腐作用や殺菌作用があることが知られています。
食用される葉、実、花は、生食のほか、刺身や麺類の薬味やつま、天ぷら、漬物、ジュースなどに使われます。用途が多く、栽培も簡単にできます。
若者が蟹による食中毒を起こし死にかけた時に、本種の薬草を煎じて飲ませたところ回復したことから、紫の蘇る草の意味で本種の名前がついたという伝説があります。
<シソ(紫蘇) シソ科シソ属>
10/18 北柏ふるさと公園
バラ科サクラ属の小高木。エドヒガンとマメザクラの交雑種であるコヒガンザクラを原種として江戸末期に作られた園芸品種であり、野山に自生はありません。
花名のとおり10月くらいから咲き出し、年を越して1月くらいまで楽しめます。蕾の約3分の1が秋〜冬にかけて咲き、残りの3分の2は春に咲く二季咲きです。
本種も含め、秋〜冬に咲くサクラを総称してフユザクラとも呼びます。カンヒザクラ(寒緋桜)もその一つで、開花は1月〜2月で、ヒカンザクラ(緋寒桜)とも呼ばれます。
<ジュウガツザクラ(十月桜) バラ科サクラ属>
10/18 北柏ふるさと公園
中国が原産となる帰化植物で野山に多く自生しています。秋に白やピンクの花が開花するキンポウゲ科の宿根草です。名前に菊とありますが、学名からもわかるように菊ではありません。
花弁に見える部分はがくが花弁化したもので実際には花弁はありません。華道の素材としてや秋の茶花としても親しまれ、切り花として流通しています。
濃いピンク色の花は別名で京都の貴船地方に多いことから「貴船菊(きぶねぎく)」とも呼ばれます。
<シュウメイギク(秋明菊) キンポウゲ科イチリンソウ属>
10/18 あけぼの山農業公園
シオン(アスター)属は500種の仲間を有するキク科の中でも大きな属の一つです。
はっきりした定義はありませんが、その中でも、鉢植えや花壇、切り花など、園芸的に栽培されているものを総称したのが本種です。
野生種の他、代表的なものにミケマルス・デージー類、クジャクアスター類などがあります。野菊のような雰囲気の可愛らしい花をまとめて咲かせるものが多いです。
シュッコン(宿根)は冬は茎葉が枯れて根の状態で越す毎年生長する草花のことを指します。園芸でアスターと呼ばれている草花は花後に枯れる一年草として扱うので、それと区別するためにもシュッコンアスターと呼ばれます。
<シュッコンアスター(宿根アスター) キク科シオン属(アスター属)>
10/11 千葉市緑化植物園
コセンダングサの変種で、花に白い舌状花が数枚つくものを言います。コセンダングサ、本種ともに江戸時代に渡来しましたが、本種が急速に広がり始めたのは戦後のことです。
コセンダングサには花びら(舌状花)がありませんが、本種には白い花びらがあります。舌状花の長さはまちまちですが、1センチを超えないのがふつうです。
舌状花は、同じ株の中でも花によってその枚数が異なります。また株によっては、舌状花になりかかったような中途半端な出かたをすることがあり、これをアイノコセンダングサと呼びます。
<シロノセンダングサ(白の栴檀草) キク科センダングサ属>
10/18 あけぼの山農業公園
夏の代表的な花木の一つであるフヨウ(芙蓉)の変種の一つで、朝は白花として咲き、徐々にピンクの色へ変化しながら夕方には紅色へと花色が変わります。
花は一重咲きから八重咲まであり、フヨウと同じく暑さに負けず夏から秋にかけて咲き、花色が紅色へ変化することから名付けられています。
花色以外の性質はフヨウと同じで、開花は朝に花が開いて夜には萎む「一日花」ですが、新しい蕾を作りながら秋まで咲き続くので長く楽しめます。
<スイフヨウ(酔芙蓉) アオイ科フヨウ属(ヒビスクス属)>
10/11 千葉市緑化植物園
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
「10月の花のアルバム ③」20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「10月の花のアルバム ④」に続きます。
10月の花はサルビア類が多いですね。
夏から秋が花本番ですからあちらこちらでよく見かけます。
メドーセージやアメジストセージは多年草で年々大株になって本当に秋になると良く目立つ花です。
ところで緋衣草(普通のサルビア)は冬寒さに弱く一年草に扱われていますね。
春になると若い小さな苗が沢山売られています。が 本来は多年草なのですか?
普通は一年草と思われているようです。
こんばんは^^
SMAPの「世界に一つだけの花」良い曲ですね~残念ですが、SMAPが歌う事は無いですね!こうして、YouTubeで見るだけになってしましましたね😢
サルビア・・種類が多いのには、ビックリ(@_@)しました。
そして、シュウメイギクのお花かと思っていたのは、花弁ではない!衝撃です!
自分で調べないと、なかなか覚えられません💦
いつもありがとうございます。
コメントありがとうございます。
今回は偶然ですが、50音別に並べているのでサルビアが揃いました。サルビア
は900を超える品種があるそうで、同じ名前でありながら、品種によって花姿
も違いますね。
緋衣草のご指摘ありがとうございます。hanahanaさんが言われるように、本来
は多年草ですが、日本では寒さに弱く、霜の降りる晩秋には枯れてしまうので、
春まきの一年草として扱われますね。本文に追記しておきました。
こんないわれが合ったんですね
和名は「秋桜(あきざくら)
さだまさしさんが、「秋桜」を「コスモス」と読ませて、一般化
勉強になりました^^
イヌサフラン
この時期、鮮やかな紫色が目立ち花ですよね
でももう少し可愛い名前にしてあげたいところです。
でも毒もあるんですよね
アメジストセージ
ビロードみたいな花が個性的ですよね
私も、少しアップで撮ったんですよ
ほんと陽が短くなりました。
冬がもうすぐですねぇ~
コメントありがとうございます。
SMAPの曲、私もずいぶん久しぶりに聴きました。このように花のアルバムで花
にまつわる曲を、探して見つけた時でないと聴く機会はありませんね。YouTube
は便利なツールです。(^.^)
サルビア、こうやって並べて見ると、同じサルビアでも随分花姿や性質が異な
りますね。サルビアは世界で何と900を超える品種があるそうです。
シュウメイギクに限らず、花弁と思っていたものが愕だというケースは、よく
知られたアジサイなども含めてたくさんあるようで、調べて初めて分かること
が多いですね。
コメントありがとうございます。
私たちの年代は「コスモス」と言うと山口百恵さんを思い出します。山口百恵
さんが、さだまさしさんに作詞作曲を依頼した曲で、その後大ヒットし「日本
の歌百選」にも選ばれていますね。(^.^)
イヌサフラン、私が初めてこの花を見た時は、いきなり地中からニョキッと茎
が出て、花が現れる姿を見てびっくりした記憶があります。
アメジストセージはわが家でも5年ほど居てくれます。毎年ビロードのような
花を庭で見る事ができ、外で写真を撮る必要がないのに、公園で咲いていると
つい撮ってしまいます。
今年は秋をスルーして冬がやってきましたね。
ガマズミに似てるな、と思ったのに、「あまり大きくならない」で気付くべきでした。
シロノセンダングサはコシロノセンダングサでもいいですよね。
今回はサルビアが沢山出て来ましたね。
サルビア・アズレアがとても綺麗です。
沢山見せて下さって、有難うございました。
コメントありがとうございます。
ガマズミとコバノガマズミの違いは、ガマズミが高さ3~5mになるのに対して、
コバノガマズミは高さ2~4mになる程度の違いなので、私は並べて見ないとわ
かりません。
シロノセンダングサは、別名シロバナセンダングサ・コシロノセンダングサと
も呼ぶそうですね。
たまたま方々で撮った花を並べてみたら、サルビアの品種がこんなにたくさん
揃いました。サルビアは品種がとても多いのですね。サルビア・アズレア、私
は今回初見のサルビアです。
いつも詳しく調べていただいて、お勉強させてもらってます^^
「コスモス」の名前の由来ですが・・・
百恵ちゃんとさだまさしさんが関係していると知り、
へぇーー凄い!って思っちゃいました(笑
それに美しい花も「有毒」と知ると・・・ちょっとイメージが変わるというか?
お迎えしたい気持ちが半減しますねぇ・・・(^∇^A。。
人間って、そんなものかしら~(苦笑
でも、秋の花って風情を感じるから好きです♡
アルバム④も是非、拝見させて下さいね♫
コメントありがとうございます。
コスモスの名前の由来はかなり有名な話ですが、知らない人も多いようです。
花の内容を知るときに名前の由来を知ることも面白いですね。アルバム④以降
に登場するハキダメギクやブタナなどの由来も面白いので見てください。
美しい花には毒があると言いますが、その通りで、彼岸花、紫陽花、スズラン、
コルチカム、トリカブトなどが有毒なのはよく知られていますね。
それとキョウチクトウは、花、葉、枝、根など全ての部分に、青酸カリよりも
毒性が強いと云われるオレアンドリンという有毒物質を含んでいます。口に入
れると死に至ることもあるほど危険なので、絶対に家では栽培を避けるべきで
す。