国が暫定指針決定
PM2・5(別項)による大気汚染に市民の不安が広がっています。環境省は専門家会合の結果をまとめて2月末、注意喚起のための暫定的な指針を出しました。
環境省は「今回の事象は大陸からの越境汚染と都市汚染の影響が複合している可能性が高い」として自治体に測定強化を求めています。
今回の暫定基準値は1立方メートルあたり日平均値70マイクログラムで、これを超えた場合の行動目安として「不要不急の外出や屋外での長時間の激しい運動をできるだけ減らす」などとしています。
東京都は平成21年9月の環境省告示を受け、大気汚染の測定項目にPM2・5を追加し常時監視を行っています。 現在足立区内にある都の測定局は3ヶ所(東綾瀬公園・西新井第一小学校・本庁舎交番脇)で、測定をしています。
「独自に測定実施する葛飾区を見習って」予算特別委員会で日本共産党が質問
○質問―PM2・5(微小粒子状物質)について伺う。先の日本共産党の代表質問に環境省が新たに専門部会を設置しPM2・5の大気中濃度が高くなった場合注意喚起する指針を2月中に策定するというお話があった。葛飾区では新年度から独自に測定・公表を実施することを知っているか。
●答弁―承知している。
○質問―葛飾区では、区内のPM2・5による大気汚染状況を的確に把握し、環境基準適合状況を区民に公表することを目的に、新年度から区独自に2地点で観測を行うことにしたという。①1日平均値の質量濃度の環境基準適合状況、②1時間ごとの測定結果の変動状況と傾向 ③四季毎の測定結果の変動状況と傾向を年4回測定し、東京都や他自治体の同時期の測定結果との数値比較などを確認する。足立区でも区独自に測定する考えはないかと質問。
産業環境委員会でも追加報告で日本共産党の質問に「70マイクログラム超えが続くときは (独自測定も)検討」と答弁
国の暫定指針を受け、国が定める数値を超え、異常値が計測されるような場合、「都のデータを確認し、当日午前5時から7時までの3時間データの最大値が1ヶ所でも85マイクログラムをこえた場合はAメール等で、区民に注意喚起する(暫定)。防災無線の使用は今後検討していく」と報告。
日本共産党の質問に、さらに「常時70マイクログラムを超えるような場合は、(独自測定も)検討を行なっていく。」と答弁しました。
九州とは異なり、関東地方で測定したデータで中国からの影響が主原因になることはほとんどありません。
大気汚染物質の測定・分析に15年間たずさわってきた専門家は「発生源を科学的に調べないと必要な対策を間違ってしまう可能性があります。国が自治体の測定データを解析して有効な対策を打ち出してもらいたい」と要望しています。