こんなにすすんだ足立の外部化 保育園、学校、図書館、公園……に続いて

2013年09月21日 18時59分41秒 | 日記

戸籍、国保、出納・会計も矢継ぎ早に株式会社に

プライバシーは大丈夫?

みなさんが「区でやっている」と思われる部署が次々と外部化されて株式会社などがやっているのをご存じでしょうか?
 株式会社は設けることが至上命題。区民の税金が食い物にされ、サービスの質の低下も懸念されています。最も重要な個人情報も民間に委ねることになります。足立区の外部化がどこまで行こうとしているのか、ご報告します。

 学校では、給食の民間委託から始まり、学童擁護員(みどりのおばさん)の廃止とつづき、都が採用している教師と栄養士などの職員以外は正規の公務員はいなくなりました。多くの方が「区の職員」と思っている警備員も、半数の学校の栄養士も事務員も、みんな非常勤職員やシルバーさんです。区の正規職員はゼロです。災害時などいざという時の対応が懸念されます。

竹の塚図書館、興本図書館、伊興図書館など地域図書館にも区の職員は一人もいません。
 運営は「指定管理」という制度で、区内の企業(ガソリンスタンド経営会社やバスのメンテナンス会社、元プール運営会社など)4社が寡占状態で丸ごと運営しています。図書館長もこれらの企業の雇われ館長で、労働基準法に反する事態や不当解雇など問題が続出。住民からも伊興図書館などで苦情が次々と。図書館は、単なる貸本屋ではなく、住民の知的要求に応える役割が、図書館法で位置づけられています。しかし足立の図書館では、区内企業の儲けの道具になり、働く職員は低賃金長時間労働で「官制ワーキングプア」となっています。

質の高い保育の提供は、子どもの成長発達に不可欠です。
 しかし足立区では、公立保育園を続々と民営化し、残る公立保育園の興本保育園は都住建て替えに合わせて外部化、西新井保育園も民営化を予定しており、西新井周辺地域には公立保育園が一つもなくなってしまいます。
 新しくつくる認可保育園はすべて株式会社の保育園。園長も雇われ園長です。豊かな経験が必要な保育現場ですが、安い賃金のため園長も職員も定着率が低いのが実情といわれています。
 既存の公立保育園にも派遣会社の保育士さんを導入しました。区が「人件費」として計上している予算よりもはるかに低い時給で働き、派遣会社が儲けている事実も共産党の追及で明らかになりました。

通常の公園管理は「一部業務委託」という形で、シルバーさんや業者も入っていますが、その運営には区が責任を持っています。しかし、都市農業公園など大きな公園は「指定管理制度」を導入し、区が運営を丸投げしています。その中で、管理するシルバーさんなどの人員が削減され「公園が汚くなった」「花畑がなくなって大根ばかりになった」「時間が来ると前と違ってすぐに追い出される」など地域からは苦情の声が相次いでいます。

みなさんが訪れる足立区役所。受付の女性も、代表電話の応対も、コールセンターも、駐車場を案内する職員も、区の職員ではありません。非正規職員(要綱専門非常勤職員)の職種は100以上におよび、区のありとあらゆる職場で、安い賃金で大切な仕事を担っている方がたくさんいます。

今年度(来年1月から)からは、区役所1階の戸籍と区民事務所の窓口業務も大手企業にやらせるとしています。そのために約2年で3億円以上も新たに税金を投入します。「民間だから安くすむ」のではなく、「税金が民間大手企業の儲けの食い物にされてしまう」のです。「偽装請負」を避けるために、業務の棲み分けをして丸ごと企業に委ねるとしています。戸籍業務は、その人にとって最も守られたい個人情報が満載されています。

戸籍の外部化の実施も検証もされる前から、次に国保業務も外部化するとしています。この職場も「偽装請負」が懸念されるとともに、一人一人の区民の相談に乗り苦情も受け政策に反映する職員がいなくなったら、大変なことになります。個人情報の保持も重大問題です。更に、区役所の中枢、出納・会計(会計管理室)も外部化すると、今総務委員会で報告されました。