早めの補聴器が重要 認知症予防 『あしすと』の 強みを生かして
●西の原議員質問ー高齢者の難聴について伺う。難聴者は高齢化がすすむ日本で推定千4百万人、補聴器が必要とみられる対象は820万人(日本補聴器工業会の調べ)で、今や加齢性難聴は隠れた社会問題にまでなっている。
障害手帳を持っていない難聴者が増えているもとで、何度も聞き返すなどで人と話すことから遠ざかり、引きこもったり、家族の会話にさえ加われずぽつんと取り残されたりしている。
また、車、後方からの人の接近、ガス音などの生活音にも気づけず、予測もつかない危険やトラブルと隣り合わせに暮らしている。厚生労働省が15年「新オレンジプラン」(認知症施策推進総合戦略)で、高齢者の4分の1が難聴者というデーターがあり数値を当てはめると区の難聴者は4万7百人と推計される。認知症と難聴の関係についてこのプランでは予防が可能な9つの要因として難聴もその最大のリスク要因としている。
総合的な連携のとれた対策を進めるべきだがどうか。
〇答弁ー確かに「新オレンジプラン」で高齢者の難聴が認知症のリスクとなる事は認識している。
まずは「あしすと」と耳鼻科の先生たちの連携の中意見を聞いて情報を把握していきたい。
認知症予防の補聴器 補助制度、検討へ!
●質問ー音は耳で聞くのではなく、脳で聞くと言う。脳に信号を送ることで新しい刺激を与え脳を活性化することで聴きたい音を選べるようになると言う。
人は雑多な音と聴きたい音をより分ける能力を持っていて、補聴器は、つけている時間や聞きづらい音を調節しながら辛抱強く慣らしてゆくトレーニングの作業が必要だ。つまりかけたらすぐ見えるようになるメガネとは違う、補聴器をつけて聞こえるようになるにはトレーニングをすることが必要だということだ。
全く聞こえないと諦めていた一方の耳に補聴器をつけて雑音が始めあったがトレーニングを続けたら聞こえるようになってきたという事例もある。
脳を活性化させる作業を低下させないために聞こえずらさを感じたらなるべく早く補聴器を使うことが大切、そういう立場で区としても臨んで欲しいと思う。
〇答弁ー勉強しながら現状の把握をしていきたい。
●質問ー慶応大学医学部耳鼻科の小川教授も17年の国際会議でも、早めの補聴器が重要と発言している。
あしすとには「きこえの相談」があり言語聴覚士が検査をし、手帳取得の判定、手帳取得にならなくても補聴器をつけたら聞こえる補聴器の体験など丁寧に行っている。
こうした綿密な聞こえの相談を、聴覚障害者手帳有無、年齢問わずに行っている例は全国でもほとんどなく、(区の取り組みは)本当にすばらしいと、他区からも視察に来ている。
「聞こえの相談」の昨年の実績は128件、聴力検査90件、手帳取得6件。そこで、障害手帳の対象にはならず、中途難聴で補聴器が必要な人にはどう援助しているのか?
〇答弁ー中等度の方にはどのような音を聞きたいかのアセスメントをし補聴器を試着し聞こえの体験していただいてる。
●質問ーその後の相談、後追いをやってほしいがどうか?
○答弁ー残念ながら全ての方には出来ていない。多くの人が調整で再来する。後追いできるようにしたい。
○答弁(障福祉課長)医師会の協力でセミナーもやっている。
●質問ー視察された方が「様々な聞こえの不安などの相談に時間をかけて対応してくれる。防音設備を有し、聴覚検査を行う、補聴器の特性装置など充実した設備は他になく、言語聴覚士の中でも聴覚を専門としている(専門家は)1割しかいないがその方が対応している。
「すごい」と評価している。
今後さらに、その強みを最大限に生かし、聴力測定、補聴器給付、その後の使用訓練、トレーニングの形態という流れを作り、認知症発症予防との関係でも、先頭に立っていくべきではないか?
○答弁(福祉部長)子どもから障害者、高齢者の認知症予防について重要。
補聴器給付も(認知症予防の)その効果も鑑みて他区も補助制度も始めてるから補助については検討をしていく。
●質問ー難聴を「医療」のカテゴリーでとらえ補助制度がある欧米と比べ、日本では難聴を「障がい者」のカテゴリーでとらえて助成対象を絞り込んでいるため、補聴器所有率が圧倒的に低いのが現実だ。
「社会の中で必需品」だとの見地に立ち、給付、補助を強く要望する。