ちゅう年マンデーフライデー

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谷中で円朝の幽霊画コレクションを観る

2007年08月20日 | 絵画
 お盆のさなか谷中の全生庵へ三遊亭円朝の幽霊画コレクションの展示を観にいってきた。行きは地下鉄「千駄木」駅から、帰りは谷中銀座を抜けて「日暮里」駅に出た。ゆうやけだんだんから振り返ってみる谷中商店街の風景は東京には少なくなった景観だ。お盆休みなのか店は閉まっていたが、ジャズ喫茶「シャルマン」の看板がなつかしかった。

 さて、この展示は円朝のコレクション50幅が虫干しを兼ねて、本堂横の展示室で公開されるもので、すべて幽霊画というのはなかなか圧巻だ。全生庵は臨済宗の寺で、明治16年に山岡鉄舟によって創建された。円朝は鉄舟と交流があった縁で全生庵に墓所があり、またその幽霊画コレクションも、この寺に引き取られたということのようだ。ほとんどは女性の幽霊で、思いを遂げられず死んだり、非業の死に至ったのは女性のほうが多いということか。それとも、どうせ化けて出るなら女のほうがいいということなのか。応挙の幽霊など、クールな美人だもの。

 作者も円山応挙を筆頭に、飯島光峨、伊藤春雨、月岡芳年、高橋由一、川端玉章など有名無名を問わずバラエティがあっておもしろい。怨めしい顔の怖さでは、応岱の「夫婦幽霊」、伊藤春雨の「怪談乳房榎図」が双璧かもしれない。柳の下に幽霊は定番だが、行灯や蚊帳の陰、香炉の煙にまぎれて立ち上るなど、登場の仕方にもさまざま、幽霊はどんなところからも出てくるものなんですね。暗いところでは振り返ってはいけません。

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1 コメント

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幽Vol.7 (のりへい)
2007-08-21 09:12:07
メディアファクトリーが出している怪談雑誌、「幽Vol.7(8月発売)」の特集が三遊亭圓朝だよん。
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