ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

弾丸ツアー1

2019-03-26 15:35:29 | 日記
忙しい、忙しいと言いながら、東京日帰りツアーに出かけた奥さん(苦笑)
まあ、甲斐さんのライブに参戦するためなら珍しくはないんだけど(笑)

今回は、以前から甲斐友さんに誘われていたものの、日程や場所など都合がままならず
なかなかお伺い出来なかった山田拓斗さんのライブを拝見するための上京です


甲斐さんファンの皆さんには、ビルボードツアーのメンバーとして、お馴染みの方かと存じますが

前述の甲斐友さんによれば、きっかけは甲斐さんのライブでも
今やすっかり山田さんのファンになられた方も少なくないようで
甲斐さんのライブで、お顔を見かけたことのある方もおみえになっているんだとか…


以前に奥さんが、やはりビルボードメンバーでいらっしゃる
木村将之さんが出演されるライブに誘って頂いた時にも
東京近郊にお住まいの方は、ライブに足を運ぶハードルが低くて良いなと
地方在住のヤッカミも含め(笑)羨ましく思ったらしいんだけど


今回は、毎年この時期に新宿ユニカビジョンで「だけ」流される(笑)
ビルボードツアーの告知映像も見に行って、日頃のウラミツラミを晴らすことに…(笑)


更に、これは奥さん痛恨のミス以外のナニモノでもないんですが
例のローリング・ストーンズ特別展を観に行く決心をしたのは
「初期にメンバーが暮らした部屋」の再現に心惹かれたのはもちろん(笑)


今年は、ビルボード東京でのライブが2日 × 2回に増えたことで
「日帰り上等!(笑)」の奥さんも、さすがにそれぞれ1泊することは避けられず…
となると、2日目のライブ前にポッカリ時間が出来るので
「ちょうどいいや♪」とばかりに、1枚で2回入場できるチケットをゲット


でも、その後に、特別展がGWで終了することに気づき
5月のビルボード東京ライブの時には跡形もない…って「オーマイガッ!」状態…(笑)
ということで、山田さんのライブの後に特別展を詰め込み、バタバタと出かけた次第です(苦笑)


…で、午前中に到着してすぐユニカビジョン前で待機
ほぼ予定時刻通りに「ビルボードライブ」の文字が現れるや
いきなり【安奈】を歌う甲斐さん登場♪
が…「これ、甲斐バンドじゃね?」と奥さん心の声…(苦笑)


去年は「東京ばっかり!」とブーたれていたので(苦笑)
内容はしかと把握してなかったみたいだけど
それでも「ビルボードライブの【冷血】が流れたんじゃなかったっけ?」という微かな記憶があり


その前の年は、押尾コータローさんとご一緒に
初めてビルボード東京でライブをなさった時の映像が流されていたのを覚えていて
思わず「イヤイヤ、去年のビルボード映像流すでしょ?フツー(笑)」とツッコミまくり(笑)
しかも、あっけに取られてる内に甲斐さんの映像は終わってしまい…(苦笑)


一足先に、この映像を見た甲斐友さんから
「甲斐さんの次に流れる曲が強烈!」との情報を貰っていたので
しばし、足を留めていたら…殺処分されるペットについてのメッセージソングで(汗)


「♪捨てないで~捨てないで~♪」…って文字にすると、昭和の演歌みたいですが(苦笑)
この【死んじゃったポチの話】という曲を歌っているのが
どこからどう見ても、れっきとした「ビジュアル系バンド」という
あまりのミスマッチぶりにビックリして、東京へのリベンジは終了(笑)


お昼過ぎから始まる山田さんのライブ会場へ移動して、甲斐友さんと合流
甲斐さんファンのご夫妻とは残念ながらお会い出来なかったものの
甲斐友さんの会社の方々やご友人に「甲斐さん繋がりの友人」で
今年の甲斐さんのカレンダーの「ここに映ってる人」と紹介され(笑)皆さんとしばし歓談


この日のライブは、山田さんと共に民族音楽「ようそろ~ず」で活動なさっている
ジャズクラリネット奏者の宮脇惇さんとお二人で演奏されるとのことだったんですが
最初に山田さんが、お一人でステージに登場され
何かのアクシデントのため、1曲目はお一人で演奏なさることを告げられた後


甲斐さんのツアーメンバーのオーディションでお弾きになって以来なので
「うろ覚えなんですけど…(笑)」とか
「皆さんがよくご存知の通りじゃないかも知れませんが…(笑)」
…と、おっしゃって、始まったのは【安奈】
突然のことに驚いたのと、今まで聴いたことのない優しく切ない【安奈】に
奥さんは、涙があふれて止まらず…(苦笑)


「クラリネットの方、準備はよろしいでしょうか?(笑)」と、宮脇さんを招き入れられ
いよいよお二人でのステージがスタート♪
ようそろ~ずで展開なさっている「民族音楽」はもちろん
ジャズやブルーグラスのナンバーを演奏されたそうですが


山田さんは、フィドルとフラットマンドリン
宮脇さんは、クラリネット…という編成なので
スタンダードなスタイルでのジャズ、ブルーグラスにはならないのは想像できるとはいえ
どんな感じなのか?と訊ねたところ


「簡単な決め事があるだけで、今日ここでしか出来ない演奏って言ってたし
クラリネットがメインの曲の時は、山田さんがピッキングしながら
ずっと宮脇さんの方見てたりして、確かにアドリブっぽいんだけど
お互いに自由に演奏してるのが、すっごくマッチしてるんだよ♪」
…と、さすが音楽知識に乏しい奥さんらしい答え(苦笑)


山田さんが「アメリカではバイオリンのことを『フィドル』と呼ぶんです」とか
「本来の『マンドリン』は背面が丸く出っ張っていて、座ってお腹の辺りに構えると…(笑)
なので、アメリカ人は自分が痩せるんじゃなくて(笑)
背面の出っ張りをなくして『フラットマンドリン』を作ったんです(笑)」

…といった話をなさった時に、知っているつもりで知らなかった自分を
「ボーっと生きて来たんだ…」と反省しておりました(笑)


でも、ジャズのスタンダードから【蘇州夜曲】まで、様々なジャンルの曲を
この編成ならではの音で表現なさったのであろうことは判りますよね♪


そうそう!宮脇さんは、若手ジャズミュージシャンの登竜門「ちぐさ賞」で
グランプリとパフォーマンス賞を受賞され
そのグランプリ特典として、CDを制作・発売されるそうで

宮脇さんが「タワーレコードとかで買えるんですよ(笑)」と話されると
山田さんが「ようそろ~ず」は自主制作なのに…とボソッとツッコまれたらしく(笑)
それが、お二人の「あうん」の呼吸の秘密なのかも知れないなあと…?(笑)


ライブ終了後に、山田さんと少しお話させて頂いたそうで
奥さんが「甲斐さんは山田さんが左ききだとおっしゃってたけど
バイオリンは右で弾かれてますよね?」と訊ねると

「左きき用のバイオリンもあるんですが
オーケストラで演奏する時に、1人だけ反対になってしまうので…」
最初から右手でお弾きになっているんだとか…
あっ、今も、お箸とペンは左手で持たれるそうです


ビルボードツアーに関しては「お話できないんです」とおっしゃいつつ
甲斐さんと鈴木健太さんがお二人でステージに出て行かれた後
木村さんとご一緒にスタンバイなさっているものの
3曲目で、先に木村さんがステージに向かわれるので

お一人で待っておられる間、すごく緊張なさることなど教えて下さり
「今年は、スゴイことになってます」と山田さん(笑)
いよいよ開幕が近づいて来てるし、いやが上にも高まっちゃいますよね♪(笑)


「じゃあ、次はビルボードで…」とご挨拶して失礼した奥さん
全身を心地よく包み込んでくれるような演奏を味わった後に
「ストーンズ展って、どーなんだろ…(笑)」と思いつつ(笑)次の目的地に移動したらしい

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運び屋2(ネタバレあり)

2019-03-25 16:51:50 | 日記
さて、その「日本のお父さん」達が身につまされる話ですけど(苦笑)

甲斐さんのような九州男児に限らず

昔々「男は外で闘い、女は家を守る」というのが「普通」の時代がありました





それは「亭主関白」「男尊女卑」というより

家庭における「役割分担」だった訳ですが

ただ、奥様方が家庭のことで何か相談したくとも

「それはお前の仕事だろう」とか

「俺はお前たちを養うために毎日働いて疲れてるんだ」とか

ひどくなると「風呂!メシ!寝る!」しか言わないようになったりする内に





ますます家族との繋がりが希薄になり

いちばん居心地の良い場所は職場と化して

家族との関係は、更に悪化の一途をたどり

子供たちの独立を期に、あるいは定年を迎えた日に、差し出される三下り半

…といった本末転倒状態を招く原因となりかねないんじゃないかと…?





で、この映画の主人公アール・ストーンは

「デイリリー」という、咲いて1日で枯れてしまう百合を栽培し

毎年のように品評会で優勝している、その道のレジェンド的存在

…が、それだけ仕事に打ち込み、家庭を省みなかったために妻と離婚





品評会で、観客にデイリリーを1輪ずつプレゼントするシーンで

あまりの人気に「バイアグラを配ってるんじゃないぞ」とアールじいちゃん(笑)

この日も優勝を飾り、大勢の人々に祝福され

同業者やスタッフに気前よく飲み物を振る舞っている内に

娘の結婚式をすっぽかしてしまい…(汗)





年月は流れ、アールの仕事もインターネットに奪われ

あっという間に廃業に追い込まれ、家も農園も差し押さえられ

行くあてもなく、おんぼろトラックに身の回り品を積んで

訪れた先は、結婚を間近に控えた孫娘のブランチパーティー





ちょうど来合わせた元妻と娘に罵倒され、会場を追い出されたアールに

付き添い人の友人と名乗る男が「車を走らせるだけで金になる仕事」を持ちかけ

家族との関係を修復するには金が必要だと思ったアールは

最初はそうとは知らず「運び屋」になってしまう





…って、確かに孫娘の結婚式の援助をして感謝されたとはいえ

お金で愛情を買える訳がないですよねぇ…

というか、他にどうすればいいのか判らなくなっていたことが哀しく…





その後も「ドライブ」を重ね、トラックを買い替えたり、農園を取り戻したり

ついに「運び屋」だと自覚してからも

自分が所属する退役軍人会に大金を寄付したりして

かつての「栄光」をもう一度味わおうとする様子がまた哀しく…





イーストウッドは…「アールはずっと家族とうまくやって来れなかったんだが

同時に、それに対して、ずっと自分をごまかして来ていた

家の外にいれば楽しく過ごせるんだが

家に帰ってみると、自分は家族が望む夫、父親ではないことをひしひしと感じるという

よくいるタイプの男なんだ」と語り





また「私も家族を犠牲にして来た

家族と共に過ごした時間が、あまりに短すぎた」と自身の私生活に触れ

「だから、彼はデイリリーを栽培する農園の経営と販売に熱中した

そして、その大事な商売さえも失い、財政的に逼迫している

そして、ひとたび金の味を知ってしまうと彼は衝動に負け

他の人たちに善を施し、自分の行為を正当化しようとするんだ





だが、彼は法的に悪い側にいることは確かであり

それは、彼にとっても、他の人々にとっても危険だということが判って来る」…

として、単なるピカレスクロマンには終わらせず…(苦笑)





アンディ・ガルシア演じるカルテルのボスが手下に暗殺され、世代交代が行われて

アールの仕事ぶりにも厳しさが求められるようになったんだけど

それまでアールが寄り道したりして、決まったルートを走らなかったことが

DEA捜査官たちに対する目くらましになっていたのが





カルテルの一員をスパイに仕立て上げたり

電話を傍受したり、Nシステムで該当車種をピックアップしたりと

徐々に「運び屋・タタ」に迫りつつあった捜査官たちにとっては

逆に仕事がやりやすい状態に…(苦笑)





その捜査官(ブラッドリー・クーパー)とアールがコーヒーを飲みながら話すシーンは

二重の意味で味わい深いものがあり

クーパー自身も「アメリカン・スナイパー」では叶わなかった

俳優・イーストウッドとの共演に涙が止まらなかったらしく

「体の向きを変えて涙を隠した」んだとか…





アールは、自分は家族と向き合うことから逃げ続けて来たくせに

捜査官に「仕事」と「家族」についてのアドバイスをしたり

若い衆には「自分の人生を生きろ」などと説教したりしていたのが

元妻が病に倒れたと知ってからやっと

「運び屋」の仕事を放り出して駆けつけたものの、あまりに遅い「帰宅」…





妻は「あなたはずっと外に生きて来た

あなたは家から外に帰って行く

そばにいてくれるのが何より嬉しい

そばにいるために、お金なんて必要ないわ」と

その愚かさを責めるのではなく、静かに過ちを諭して息を引き取り





娘とは和解できたとはいえ、失われた時間を取り戻すことは出来ないし

アール自身の「私は許されるに値しない人間だった」という言葉が

その「救いのなさ」を痛感させます

ちなみに、このアールの娘役は

クリントの実の娘アリソン・イーストウッドが務めていて

ここにもクリント自身の私生活が投影されているのかも知れません





イーストウッドは…「人生で一番難しいことは

結局シンプルな2つのことに絞られる

『家族』そして『許すこと』だ

私たちはいつも、まだ時間があると考える

だが、ないのかも知れない、あるのかも知れない

アールにさえもあるのかも知れないね」…と語っていますが





ボクにとっての「救い」は、収監されたアールが

デイリリーの世話をしているカットでエンディングを迎えたこと

パンフレットによれば…レオ・シャープは自ら有罪宣言をし

3年の実刑判決を受けたものの、司法取引で申し出た

「デイリリーの畑を維持すること」は認められたようです





それにしても「デイリリー」という

その日1日しか咲かない花、たった1日で枯れてしまう花に

人生の大半の時間を注ぎ込んだ主人公が

たとえ1週間に1日だけでも家族との時間を作っていたら…と考えると

偶然とはいえ、あまりにも象徴的だなあと…

イヤイヤ、他人事じゃないですね(苦笑)

甲斐さんのライブみたいに、ワンナイト・スタンドで生きて行かないと…(笑)





余談ですが…美術監督のケビン・イシオカによれば

このデイリリーの畑でロケを行う際

前の週からほとんど毎日雨が降っていたのが



「クリントが到着した途端に、冗談抜きで太陽が輝いた(笑)」らしく

「イーストウッドも晴れ男なのか(笑)」と思ったら

「撮影前夜に、花が全部枯れてしまった…私のストレス、想像つくだろう?

ところが翌朝、また咲いた!クリント・イーストウッド効果だね」と…(笑)





でも、イーストウッドは…

「前の晩、美術監督が全ての花を切るって言い出したんだ

翌朝、新しい花が咲かせるためにね

もし、うまく咲かなかったら、大変な事態になるところだったよ」…と明かしていて

やっぱり「持ってる」人なのかなあと…(笑)

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運び屋1(ネタバレあり)

2019-03-23 14:16:00 | 日記
甲斐さんは特に触れていらっしゃらなかったけど
こちらも実話に基づいたクリント・イーストウッド監督作品です


近年、緻密な調査を元に「ハドソン川の奇跡」や
「15時17分、パリ行き」などを実写化していたものの
主演にはトム・ハンクスや事件の当事者を起用し、監督業に徹していたのが
ついに「グラン・トリノ」以来、11年ぶりの主演復帰♪


イーストウッドに「インタビューするのは、これでもう5回目」とおっしゃる町山智浩さんも
「『グラン・トリノ』の時は、これで最後だと言っていたが…」と思われたらしい(笑)


当のイーストウッドは「私はいつも辞める辞めると言い続けてるんだ
そんなに正直な人間じゃないと証明したくてね(笑)」と軽くかわしてますけど(笑)
「やりたい!」と思ったら、前言を翻してでも実行するというのは
自分の気持ちに「正直」だからじゃないかと…?(笑)


イーストウッド自身も「まずシナリオを先に読んでね
それから、基になったニューヨークタイムズの記事を読んだ
それで、この役を、他の誰かに譲りたくなかった
他の誰かの演出で演じたくもなかった
だから両方自分でやったのさ」と話してます


撮影当時のイーストウッドは、この作品のモデルとなった
麻薬の「運び屋」レオ・シャープと同じ87歳
パンフレットに掲載されているレオじいちゃんの写真を見て
そのクリソツぶりにビックリ!(笑)


映画の冒頭、背中をまるめ、筋ばった体でヨチヨチ歩くイーストウッドを見て
「あのダーティハリーが…ああ、年とったなあ…」と
胸の奥が痛くなるような気分になったんだけど


「アメリカン・スナイパー」でもイーストウッドとタッグを組んだ
ブラッドリー・クーパーによれば…
「88歳という年齢で、クリントが年寄りのように
『演じなければならない』という点が、彼の凄いところだよ


カンガルーみたいに椅子から飛び出す、アスリートみたいなクリントが
もう何年も棺桶に片足突っ込んでいるような人物を演じるのを見るのは楽しかった」んだとか…(笑)


まあ、映画の中でも、1度に2人の女性とベッドインするシーンがあったし…(笑)
もっとも、イーストウッドと同年代の山田洋次監督は
「若い美女と遊ぶくだりは、少し現実離れしてましたね(笑)」とおっしゃってますが…(笑)


ちゃんとしたIDを持つ退役軍人で
長年、園芸家として、車で国内中を駆け回り
犯罪歴はもちろん、違反切符を切られたことさえ1度もなく
法定速度内の安全運転で、大量のコカインを運ぶ87歳(笑)


「輸送中」にも関わらず、タイヤがパンクして立ち往生している一家がいれば
車を停めて、手助けをしてやったり
警官にトランクを見せるよう言われても
とりとめのない話で煙に巻きながら機転を働かせたり
食えないじいちゃんと言うか、まさに適任?と言うか…(笑)


トラブル続出の「グリーンブック」に比べると
カーラジオに合わせて、鼻唄を歌いながら
緊張感ゼロのただのドライブと化している(笑)道中は
のどかなロードムービーを観ているようだったし(笑)


ヒスパニック系のマフィアや黒人たちに分け隔てなく接する
愛嬌たっぷりの主人公のキャラクターが
強面の方々やトンがった若者たちまで惹きつけて行く様子に
「トニー」とは違った魅力を感じました


アンディ・ガルシア演じる麻薬カルテルのボスも
この最年長の運び屋を大いに気に入り
前述の美女をプレゼントするんだけど
最初に携帯電話を渡された時は、使い方も判らず(笑)


メールは無理だと判断した若い衆は
「とにかく、電話が鳴ったら出ろ!」とだけ言い含めたものの
次の取引の時に新しい携帯を渡すと
「まだ、前の電話を持ってる」と「証拠品」を差し出すじいちゃん(笑)


でも「イカレじじい」と笑っていた若い衆たちも
いつしか「タタ(おじいちゃん)」と呼んで慕うようになって行くあたり
イーストウッドの演技力なのか、レオじいちゃんが魅力的だったのか…


ただ、我が家が「2本立て」を敢行した日は
その映画館の「レディースデー」に当たっていて
「グリーンブック」では、観客の9割以上が女性だったのに対し


「運び屋」は、シニア男性が圧倒的に多く、ボクなんか、まだまだ「若輩者」で(笑)
「さすがイーストウッド!」って感じだったんですが


この諸先輩方が「グリーンブック」での鼻をすする音に負けないくらい
うるうると涙しておられたのは
年をとって涙もろくなられた…と言うと聞こえが悪いけど


「チコちゃん」でも取り上げられていたように、年齢と共に経験値が上がり
我が身に置き換えて考えることがお出来になるからで
イーストウッドの脚色という「主人公と家族の関係」に
ご自身を投影なさったり「ある!ある!」と共感された結果じゃないかと…?


決して「良き家庭人」ではない(失礼!)
イーストウッドならではの演出というか
日本のシニア世代にとっては「当たり前」だった「夫」や「父」の姿が
「運び屋」をやる以上に、取り返しのつかない「罪」として描かれていて
胸に迫る…イヤ、身につまされるんですよねぇ…
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グリーンブック2(ネタバレあり)

2019-03-22 14:30:00 | 日記
前回のセイヤングで、甲斐さんがこの映画について
ほとんど2人だけしか登場しないロードムービーだから
普通なら「樹木希林みたいな人たちが沢山出て来ないと
(間が)もたないじゃないですか(笑)」と、おっしゃってましたが


その2人が本当にスゴくて、プライベート情報がほとんどなく
その容姿を捉えた映像も少ないシャーリーを表現し
助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリはもちろん


ファレリー監督からの再三のオファーにも関わらず
自分には演じられないと固辞していたヴィゴ・モーテンセンが
20キロの増量という外見だけじゃなく
…って、ご本人よれば、役作りのために太ることは
「仕事だから」問題なかったみたいだけど


映画の中で、がっつり食べるシーンが多かったのと
撮影でカロリーを消費するため「痩せたんじゃない?
しっかり食事をしてから寝て下さい」と言われたことの方が辛かったそうです(苦笑)


…ハッタリが得意で「リップ」が達者なイタリア系
「ホンマもん(笑)」に成りきっていて
間がもたないどころか、2人が車に乗っているシーンを
ずーっと観ていたいくらいでした(笑)


まあ、甲斐さんは、主演と助演の振り分けを逆にしていたら
どちらも賞が獲れたんじゃないか?と話されてましたけど
やっぱり主演はヴィゴ・モーテンセンで正解だったと思います


そうそう!甲斐さんが「行くはずだった」試写会で
石原良純さんと長嶋一茂さんのトークショーがあったという投稿が読まれてましたが
つい先日、お二人が「グリーンブック」の公式スチールそのままに
トニーとシャーリー風に車に乗っておられるCMを見て
「冒涜」という単語が浮かんでしまいました(汗)


ともあれ…ストーリーは「転」に入り
白人バーでの一件以来、トニーから「1人で行動するな」と言われていたはずが
白人青年と共にジムで裸のまま拘束されたシャーリー
トニーに「なぜ黙って出かけたんだ?」と問い質され
(性的マイノリティであることを)
「知られたくなかったんだ」とアザだらけの顔でうつむくも
トニーが警官に袖の下を渡し、事態を収拾したことには不満を隠せず…


実の兄とは音信不通で、妻とは離婚し
金も名声も手にしながら、演奏する時以外は黒人として差別され…
その演奏にしても、自分の好きなクラシックではなく
レコード会社から「黒人のクラシックに未来はない」とジャズをやるよう命令されていて
「孤独」を絵に描いたようなシャーリー


トニーがマフィア風の男たちに仕事の話を持ちかけられているのを聞き
昇格と昇給を申し出て引き留めようとするんだけど
確かに最初は「金のため」に引き受けたとはいえ
旅を続ける内にシャーリーの人柄や境遇を知ってからは
きちんと「仕事」をこなすようになっていて
シャーリーから「辞めないでくれ」と言われる前に「辞めないよ」と一言
奥さんはもちろん(笑)場内から鼻をすする音が…


更に、大雨の中を車で移動中、パトカーに止められ
外に出るよう命じられた上に、差別的な言葉を投げかけられ
トニーが警官を殴って留置場行き…(汗)
でも、シャーリーが冷静に、弁護士に電話をかける権利があることを主張


その電話の直後、ケネディ司法長官から
2人を釈放するようにという口添えの電話があり
「浅見光彦」シリーズの所轄刑事のごとく手のひら返し(笑)
…とまでは行かないものの、しぶしぶ釈放を認められ


司法長官と知り合いなのか!?と小躍りせんばかりに喜ぶトニーに
こうしたことで頼み事をするのは「恥だ」とシャーリー
「偏見や差別に暴力では勝てない
私は笑顔と尊厳で闘うんだ」との言葉にグッと来ました


そして、南部ツアー最終日…
シャーリーが通された「楽屋」は物置部屋(汗)
しかも、館内のレストランは白人オンリーで
トニーが、なだめても、すかしても
更には「食事をさせないなら演奏は中止だ!」と脅しても
「ご理解下さい」の一点張り…


2人がコンサートをキャンセルし、黒人バーに行くと
狭いステージで生演奏の真っ最中
タキシードを着た2人連れに興味津々の女性バーテンダーに職業を訊ねられ
シャーリーが「ピアニスト」と答えるや「何か弾いてみてよ」とリクエストされ
スタインウェイとはかけ離れた(笑)おんぼろピアノで、アドリブ満載の演奏を披露


拍手喝采を受けて、バーを出ると
店の中で現金を取り出すシャーリーに目をつけていた男たちが
車の陰に潜んでいるのを発見したトニーが、いきなり拳銃を取り出し発砲
白人バーからシャーリーを助け出した時には
てっきり「持ってるフリ」だと思って、すっかり忘れてたんで
発砲された男たち以上にビックリ!(笑)


いよいよ「結」に入って…頑張って走れば、クリスマスイブに家へ帰れると
悪天候にも負けじと車を運転するトニー
…が、またしてもパトカーに止められ、身構える2人に
「タイヤがパンクしているんじゃないか?」とお巡りさん(笑)


トニーがタイヤ交換するのを待って
「メリークリスマス」と見送ってくれたんだけど
トニーは睡魔に襲われてしまい
シャーリーがハンドルを握って、トニーを家まで送り届けることに…


ダッシュボードの上に置かれた、返したはずの翡翠石を見つけ(笑)
シャーリーは、それをポケットに忍ばせ
「家に寄って行かないか?」というトニーの誘いを断って
ひとり自宅へ戻り、翡翠石をトレーに置き、部屋を見渡すと
「シーン」という音が聞こえそうな静けさ…


家族や親類に囲まれ、お酒と料理もふんだんにあり
幸せなはずなのに浮かない顔をしたトニー
このままエンディングなのか…と思いきや
突然、シャーリーが訪ねて来て、ボクは心の中でガッツポーズ(笑)
ドロレスがシャーリーにハグしながら
「ステキな手紙をありがとう」と囁くラストシーンにクスッとしながら


シャーリーが「兄は私の居場所を知っているよ」と
音信不通なのは、相手が会いたがらないからだとほのめかした時
トニーに「自分から連絡すればいいじゃないか」と言われたことを
トニーに対して実践したのかなあと思い
細かな伏線の回収の仕方に脱帽でした


ちなみに、脚本を手がけたトニーの息子ニック・バレロンガは
この映画のタイトルを「ドロレスへのラブレター」にしていたらしく
ファレリー監督から「僕なら、頭に銃を突きつけられても
そんなタイトルの映画は観に行かない」と言われ(笑)
「だけど、僕のお母さんですよ」と粘ったんだとか…(笑)
まあ、少なくとも僕は「恋愛映画はパス!」
…と思ったであろうことは間違いアリマセン(笑)
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グリーンブック1(ネタバレあり)

2019-03-21 21:16:48 | 日記
甲斐さんのオススメ映画であり、アカデミー作品賞に輝いたとあっては

観ない訳には行かないだろう(笑)…ということで

珍しく?意見と休日が一致した我が家(笑)

ただ、これから何かと忙しくなる奥さんの主張により

もうひとつ気になっていた「運び屋」との2本立てとなりました(笑)





山形国際映画祭以来、映画のハシゴに慣れている奥さんと違って

ボクには若干の不安があったんだけど

この2本を立て続けに鑑賞したことで

それぞれを単独で観ていたら味わえなかったかも知れない?点もあり

まあ、結果オーライかな?(笑)





…で、まず「グリーンブック」ですが

前評判通り…イヤ、それ以上に素晴らしい♪

「グリーンブック」というタイトル…

正しくは「黒人ドライバーのためのグリーンブック」…が示す通り

人種差別というシリアスな問題が取り上げられているものの





生まれも育ちも性格も価値観も何もかも正反対の2人の男性が

バディとなって旅をする様子をコミカルなテイストで描いたロードムービーは

爽やかな風が吹いたような、暖かいお茶を飲んだような後味





パンフレットに「起承転結」がしっかりした作品との一文がありましたが

それが「まあ!よく出来た話!」ではなく

「実話」に基づいたものだということに改めて感動します





その「起」では、ナイトクラブ「コパカバーナ」の用心棒…

ヴィゴ・モーテンセン演じるトニー「リップ」バレロンガの腕っぷしの強さや

黒人業者が使ったコップを捨てるような偏見に満ちた点に触れ





コパカバーナの改装のため、仕事を探すトニーに

「ドクターの運転手」という話が舞い込み

指定された住所を訪れると、そこはカーネギーホールで

マハーシャラ・アリ演じる「ドクター」は

音楽、心理学、典礼芸術の博士号を持つ

黒人天才ピアニストのドナルド・シャーリー





カーネギーホール上層の高級マンションで

「玉座」みたいな椅子に掛けたドクターから

「黒人との仕事に抵抗が?」と訊かれ、即座に「ないね」と答えたものの

仕事の内容が、運転だけでなく、身の回りの世話も含むと知り

「俺は召し使いじゃない」と断るトニー





でも、1962年当時のディープサウスは、黒人差別が合法化されており

公立学校、公衆トイレ、バス、ホテル、レストランなどが

白人用と黒人用に分けられていたことはもちろん

往来でも、黒人が立ち止まったり、座っていい場所が指定されていたり

夜に黒人が外出することを禁止する町もあり





知らずに足を踏み入れると、差別的な言葉で罵倒され

暴力を振るわれ、逮捕されることになるため

シャーリーは、どうしてもトニーに同行して欲しかったらしく

トニーの言う通りの給料を支払うと約束





…が、トニーは、その南部ツアーに出発する朝から

シャーリーの荷物をトランクに積み込もうとせず

妻のドロレスが持たせてくれたサンドイッチをほおばり

タバコを吸っては、ペラペラと喋りまくり





シャーリーから、手はハンドルの10時と2時の位置に…とか、前を見て…とか

少しは静かにしてくれないかと注意され

シャーリー用のサンドイッチまで平らげてしまう…といった不穏なスタート(苦笑)





まあ、ガサツで無教養なイタリア系アメリカ人と

ストラヴィンスキーに「神の域の技巧」と絶賛され

ケネディ大統領を始め、上流階級の人々の前で演奏する孤高のピアニスト

到底、相容れそうもないですよねぇ…





休憩先で売られていた翡翠石が、地面に落ちていたのを

トニーが、こっそり拾ってポケットに入れたことを咎めるシャーリー

トニーが「ただの石ころだ、お守りだ」と言い訳しても取り合わず

ムカッ腹で売り場に石を置くトニー





カーラジオから聞こえる流行りの曲ひとつを取っても

「リトル・リチャードを知らないのか!?」

「アレサ・フランクリンは、ブラザーだろ」とトニーは、いちいち驚き





「ケンタッキーといえばフライドチキンだ!

黒人のソウルフードだろう」と決めつけ

食べたがらないシャーリーの鼻先にチキンを差し出し





「手は、10時と2時に置かなきゃいけないんだろ?」…で一本取ったものの(笑)

チキンが入っていたパッケージを窓から投げ捨てたトコで

車がバックしてゴミを拾うカットが…(笑)





「承」では、シャーリーが、コンサートの関係者…

いわゆる上流階級の人々に、トニーを紹介したいと申し出たものの

トニーは、言葉遣いや態度を改める気がなく

会場の外から演奏を眺めることに…





でも、イタリア系の血が騒いだのか?

それとも、コパカバーナで夜毎奏でられる音楽で鍛えられたのか?

シャーリーの演奏が、とんでもなく素晴らしいことに気づき

シャーリーを見る目が少し変わったようで





ある会場に着いたら、スタインウェイ製のピアノが用意されておらず

しかも、ゴミにまみれたピアノを見て

「ドン・シャーリーは、スタインウェイしか弾かないんだ!」と

力づくでピアノを用意させたり

グリーンブックに載っていた粗末なホテルを見て「ウソだろ!?」と憤ったり

高級紳士服店で、スーツの試着を断られたシャーリーの代わりに怒ったり…





一方、シャーリーも、白人バーで殴られたところを

トニーに助けられたこともあり、信頼度を増して行き

トニーがドロレスに書いている手紙を添削指導(笑)

…って、まあ、シャーリーが口述するのを、トニーが書くだけですが(笑)

ドロレスはもちろん、周囲の女性陣は全員胸キュンキュン♪(笑)





黒人たちが農作業しているそばで、タイヤがパンクし

白人であるトニーがタイヤを交換するのを見ていた農夫たちが

車の後部座席に座ったままのシャーリーに気づき

信じられないものを見たように表情を強張らせているシーンは

当時の空気を強く感じさせると共に

トニーがごくごく自然に、当然の仕事としてタイヤ交換する姿が印象的でした

コメント
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