晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

天童荒太 「包帯クラブ」読了

2006年06月25日 10時52分33秒 | 日記
天童荒太さんの作品はひどく重いイメージがあって敬遠しておりました。
なのでこれが初体験。
短めなのとタイトルに惹かれて買ってみました。

内容は・・・傷ついた場所に包帯を巻いてみたら、本当にそこには今まで血が流れていて、そして確かに手当てされたような気がして心が軽くなった。
そこで仲間で「包帯クラブ」を作り、いろんな人のいろんな傷ついた場所に包帯を巻いてゆく。ところが・・・。
途中、成長した仲間の報告書が差し込まれています。思春期の頃の彼らと成長した彼らの途中を考えてみたりして・・。

感想は、「うう~ん・・・・。」
面白くなかったわけではありません。
その証拠に一気読みしましたし。
ただ、私がもう何を無くし何に傷ついたのかも忘れてしまっているおばちゃんのせいか、非常に傷ついているはずのワラがあまりにも純粋でいい子すぎるせいか、どうも感情移入しにくかった。
多分、私はワラみたいないい子じゃなかったから、高校生の頃読んでも、「嘘くさい」と思ったかもしれないなあ。

と言うことで、感想が非常に微妙。
面白かったけど、なんとも言えない物足りなさと言うか・・・。
正直、感じたことを言葉に変えるのが難しくて(表現力の乏しさと語彙の少なさに)、ここに書くのをやめようかと思ったくらいです。

でもこれを読んで思い出したことがあります。
むかーし、ちょっと破れた網戸に応急処置でバンドエイドを貼ったら本当にそこが怪我してるような気がしました。
遊びにきた甥や姪が、「ここ痛い痛いの?かわいそうね。」などと網戸に話しかけていましたっけ。
なので包帯を巻いた途端、傷が鮮明に浮かび上がるっていうのは分かる気がします。