晴れときどき風

ノンキな主婦が時に風に吹かれながら送る平凡な毎日。

「水上のパッサカリア」読了。

2007年05月10日 17時22分47秒 | 趣味
海野碧著。日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作らしいです。

ある湖畔に「奈津」と住み着いた得たいの知れない男「大道寺勉」。
三年後「奈津」を交通事故で亡くした彼に元の仕事仲間からの誘いが・・・。

読み始めたとき「これ、ミステリーだよね?」
大道寺の冷静な目で「奈津」との生活やら出会いやらが綴られており、ちょっとハードボイルドな恋愛小説?それにしては大道寺の生活ぶりが思わせぶりだけど。
いかに「奈津」が可愛らしく心根が優しいのかが十分すぎるほど伝わったところで(私はあまりにも自分に自信が無さ過ぎて怯えた感じの「奈津」に少々疲れましたが)やっと話がミステリーらしくなってきます。ちょっと長いんじゃない?

「大道寺」は昔の仕事仲間「始末屋」に誘われて東京にもどるが・・・。

うーん・・・。ミステリーの部分は少ないし弱いかな。
「始末」にしても、調べ上げてもらった物を元にオバサン一人を脅しただけだし。
ハードボイルドではあるけれど、自分で言うよりは人と関わるのが嫌じゃなさそうね。大道寺さん。
圧倒的に強いというのは私の好きなヒーロー像ではありますが、その分ハラハラドキドキできないんですよ。
最後の大どんでん返しというのも、さほど意外性のあるものではなかったし。

面白くないわけじゃないけど、そこそこでした。なんか物足りないよーな。

私的には東京の地名が馴染み深い場所が多かったことと、「ケイト」が可愛いところが一番印象に残っているかも。