恩田陸著。
前々から読みたいと思っていた本です。
さまざまな事柄を全て自分の中に「しまい」、忘れない力を持つ人。
人の心が分かる力を持つ人。
人の未来が分かる人。
遠くの音を聞ける人。
さまざまな能力を持ちながら、極めて温厚。権力を持たず、群れず、地に溶け込んで生きている「常野一族」。
10の短編でそれぞれの話が展開されながら、さりげなく繋がっています。
場所を変え、時代をまたぎ、時に彼らを殲滅させようとする強大な力に襲われ、残酷な結果となっても、そこには必ず未来に繋がる灯りが灯されて、話が紡がれていきます。
私の好きなジャンルのお話なので、すぅーと入ってきました。
楽しみながら、悲しみながら、あっと言う間に読み終わり、読み終わってしまったことが残念なくらい。
私はこの本、大好きです。
特に「大きな引き出し」と「国道を降りて・・・」がいい。「光の帝国」の岬ちゃん、幸せになって欲しいなあ。
でも、これから「常野一族」には大変な事が待ち受けているようで。
自分に特別な能力がないことに感謝します。
これ「七瀬ふたたび」を読んだ時にも思ったなあ。