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私は子どもの頃、幼いながらもいろいろコンプレックスを持っていた。
その中の一つが色が黒く器量が悪い事。
よく祖父から「『色の白いは七難かくす』というが、お前は色が黒いから隠せようが無い」と言われたり、時には「黒ちゃん」と呼ばれたりしていた。これは今となれば祖父が孫可愛さに、からかいたくて(じゃれたくて)言っていたのではないか?と思えなくもないが、当時の私はその事を真に受け、かなり気にしていた。当時私の弟は結構可愛く「弟が女でお前が男だったら良かったのに・・・」ともよく言われ、子どもながらに傷ついた。
それで私は小学校2~3年生くらいの頃、よく仏壇に手を合わせ「どうかもう少し私をかわいい子にしてください。色も白くしてください」とお願いしていた。そしてただ願い事を言うだけでは願いが叶いにくいと考え「勉強ができなくなっても良いので顔を可愛くしてください」と交換条件を出したりした記憶もある。
そういう思い出を持っている私なのだが、数か月前だったか弟が「Sちゃん(私の同級生)の兄さんと一緒にお酒を飲んだ時『うちの父が○ちゃん(私の事)は器量が良くて賢いといつも言ってた』と言ってたよ」と伝えてくれた。
おお!驚き!あれほど容姿にコンプレックスを持っていた私をこのように思ってくれていた人がいたのか!
今は「小さいことなど気にしない!」で、容姿コンプレックスはどこかへ消えてしまったが、伝え聞いたこの話がなんだかとても嬉しかった。
今朝、なぜか、私を褒めてくれていたというSちゃんのお父さんの事を思い出していた。
私が童話の本を出版した時はそれを読んで感想を便箋に何枚も書いて送って下さった。
年末に交通事故で亡くなられたが、その後、Sちゃんのお父さんから年賀状が届き驚いた。
それまで年賀状のやり取りは一度もなかったのに・・・。
そういうことなども思い出したりしていた。
すると私の携帯電話が鳴った。出るとなんと東京にいるSちゃんからだった。私の連絡先を同級生に尋ねてかけてきてくれたという。お父さんの葬儀の時にSちゃんの姿を遠くから見たがその時は言葉をかける事すらできなかった。
子どもの頃はよく遊び、私の結婚式にも来てくれた唯一の小中学校の同級生。
話すのは何年振りだろうか?懐かしい!
みんなの協力のもと作った『同級会だより』を見て、懐かしくなって電話をかけてきてくれたとの事。
感動!
『同級会だより』、原稿を作るのは、それほど大変ではないが、それから先の印刷、綴じ、封筒の宛名書き、封筒入れ、切手貼り、投函などの工程が大変だ。それを同級生会長のNさんが、一手に引き受け、今まで連絡が取れた人140数人に送ってくれた。とてもとても私には真似ができない。Nさん、ありがとう&ご苦労様。
そのおかげで今日、こうして懐かしいSちゃんとお話しする機会が持てた。
なんと幸せなことかと思う。
(今日は嬉しさのあまり思いつくまま長々書いてしまった。しかし不思議。Sちゃんのお父さんの事を思い出したりしていたその時に電話がかかってくるなんて・・・)