中学校の同級生のKさんの奥さんが作ったおむすび・・・
白いご飯を握っただけのおむすびだったが、あのおいしさが忘れられない。
未だかつてあれほど美味しいおむすびを食べたことが無い。
先日、奥さんに、お会いする機会があった。
「どうすれば、ああいう美味しいおむすびが作れるのですか?」と尋ねてみた。
「お米の一粒一粒がつぶれないように柔らかくふわっと握るようにしています」とおっしゃった。
その会話を傍で聞いていて、同級生のKさんが「似た人がいるよ」と言って
『森のイスキア・佐藤初女』とメモ紙に書いて渡してくれた。
今まで聞いたことの無い名前だった。
ネットで調べてみたら青森県弘前市の岩木山の麓にお住まいの
1921年生まれ、今年94歳になられる方で、
「イスキア」は佐藤さんが主宰する憩いと安らぎの家の事だった。
そこを訪れた人は佐藤初女さんの作った料理を食べ、話をすることにより
元気になるという。
特に佐藤初女さんの作るおむすびは定評があるとの事。
You Tube で、佐藤さんが、おむすびを作られているところを拝見した。
「両手の掌に、ご飯を載せて優しくまるく握ります。お米の一粒一粒が呼吸できるくらいの力具合で・・・」
米の一粒一粒にまで気を配った握り方・・・
同級生のKさんの奥さんと共通する。
私はそこまで考えたことが無かった。
おむすびが壊れないようにむしろ固く握っていた気がする。
Kさんの奥さんが作ったおむすびはふわっとやさしく、
人の心を溶かすような郷愁のような味がした。
きっと佐藤初女さんのおむすびもあのようなおいしさなんだろう。
この年になって、おむすびの奥の深さを知った気がする。
あれほどのおいしいおむすびを自分も作ってみよう!
(残念ながらそういう気は起きなかった)
またあのおいしいおむすびを食べてみたい。そう思った。(なさけなや~~)
佐藤初女さんは「『忙しい』という言葉を私はなるべく使わないようにしています」
と語っていらっしゃった。
佐藤初女さんの元を訪れる多くの方々に寄り添い、『一期一会』の精神でもてなすためには
『忙しい』という言葉は禁句かもしれない。
高齢となられた身には負担が重い日が多々あるだろうに・・・。
最近、私は「忙しい」とよく言っている自分に気づいていた。
そして娘からそれを指摘された。
「電話でよく忙しいと言ってるよ。遊びが入っていて忙しいと・・・。
そういう事を言わなければよいのに・・・」
そうだ。そのとおり。仕事で忙しいということは何も無い身。
遊びを忙しいと言うなかれ!
反省!(「反省だけなら猿でもできる」←昔、こんなコマーシャルがあったっけ)