春は気分がウキウキする時期でもあるが
隣り合わせで春の憂いを感じる時期でもある。
私は実は最近、心ひそかに悩んでいる。
二匹の野良猫・・・この冬、見るに見かねて野良猫(三毛猫)の姉妹に
私は餌をあげるようになった。
まだ幼いこの2匹の猫が、寒い中、食べるものを見つけることもできず
私の視界の中を彷徨うのを放っておけなくなった。
ついに私は子猫用の餌を買って来てこの2匹の子猫に餌を与えるようになった。
我が家の近くに野良猫に餌をやっている家があり、その家の周辺は
沢山の猫がたむろしている。
繁殖し、子猫が生まれ、それが衰弱し、死んだりするのを
何度も目にしたことがある。
私は野良猫に餌をやる人の事を快く思っていなかった。
しかし、考えてみれば、私もその人と同じことをしているのだ。
この子猫たちも、もうかなり大きくなって、もう子猫とは
いえないくらいになった。
私は身勝手にも自分に言い聞かせた。
寒い冬の間だけ、まだいたいけな猫だから私は保護したのだ。
もう今は凍え死ぬことは無い。虫たちも這い出て食べ物も
探せば見つかるだろう。
人間の子も春になると卒業して巣立っていく。
この2匹の猫ちゃん達も3月末日を期限として自立させよう。
我が家の飼い犬は、猫を見ると興奮して激しく吠え続ける。
もう14歳半になる老犬なので、これはストレスとなり
寿命にも影響を及ぼしかねない。
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いろいろ自分への言い訳を並べ立てた。
3月が終わり4月になって今日で5日。
私の姿を見かけると我が家に走ってくる2匹の猫。
我が家の庭で私の目の触れるところに長時間横たわっている2匹の猫。
今は自立させる時。この猫たちはもう卒業生なんだ。
心を鬼にして見て見ぬふり・・・。
でも胸が痛む。
夏目漱石の草枕だったか「情に掉させば流される」って一節が
あるけど、こういう場合もそれにあたるのか?
最初から情をかけなければ良かったのか?
ごめんね。