野良猫岡山の糖尿病・奮闘記

「膵外分泌疾患に伴う膵嚢胞手術後糖尿病発症治療12年目」のブログです。薬物療法と食事療法で頑張ってます。

HbA1cの「下限値」を考える

2018年11月08日 | ブログ

 今年(2018年)3月、米国内科学会(ACP)が「薬物療法中の2型糖尿病患者のHbA1c管理目標を7%以上8%未満とする」声明を発表した。日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同指針では、高齢者には健康状態や使用薬剤などに応じて6.5~7.5%の下限値を設定しているが、2型糖尿病患者全般について7%の下限値を設けたACPの声明は極めて異例だ。下限値の問題を中心にHbA1c管理目標について、国立国際医療研究センター糖尿病研究センター長の植木浩二郎氏に解説してもらった。

 大多数の患者ではHbA1c 7%未満にするメリットが大きい

 今回のACPの声明(Ann Intern Med 2018; 168: 569-576)は4項目から成る(表1)。特に注目されるのは声明2と声明3で、声明2では妊婦以外の薬物療法中の成人2型糖尿病患者について、HbA1cの管理目標値を7%以上8%未満とすべきだと主張。声明3では、HbA1c 6.5%未満の2型糖尿病患者では、薬物療法の減量を検討することを推奨している。

 植木氏は、この声明には3つの問題があると指摘する。第1の問題として挙げるのは、「HbA1c 7%以上8%未満」という一律の目標設定は、糖尿病治療で近年強調されている「個別化」に反し、今回の声明1とも矛盾することだ。

 第2の問題は、HbA1c 7%という下限値の設定だ。厳格な血糖管理を進める上で低血糖対策は確かに重要だが、下限値は個々の患者の脆弱性に応じて、重症低血糖を回避できるレベルに柔軟に設定すべきである。

 HbA1cを7%未満にコントロールすることの意義は、少なくとも細小血管合併症の予防の面からは確立されている。大血管合併症の予防については、細小血管合併症ほど有効性を示すエビデンスは豊富でなく、一部の臨床試験ではHbA1cを7%未満にした厳格血糖管理群で死亡リスクの上昇が認められているのも事実だ。重症低血糖が多く発生し、不整脈などを介して死亡リスクが高まったと考えられている。

 ただし、大血管合併症の予防を一次評価項目とした糖尿病の臨床試験の大多数は、心血管疾患(CVD)の既往を有する患者を対象とした再発予防試験である。同氏は「CVDの既往を有する患者は、重症低血糖が発生したときの死亡リスクが高いと考えられ、このような患者では、HbA1cを7%未満にすることで重症低血糖やそれに起因する死亡のリスクが細小血管合併症予防のメリットを上回る可能性がある」としつつも、「日本人の糖尿病患者でCVDの既往を有するのは1割程度にすぎず、大多数の患者では7%未満にすることのメリットの方が大きい。網膜症や腎症はQOLを著しく低下させることを忘れてはいけない」と述べる。

 さらに第3の問題点として同氏は、今回の声明の根拠になっている臨床試験は主に、インクレチン関連薬やSGLT2阻害薬が登場する前のものだと指摘する。これら新しい薬剤を用いれば、低血糖を起こさずHbA1c 7%未満を達成することは以前より容易で、HbA1c 6.5%未満でも必ずしも薬物療法を減量する必要はない。

 

薬剤を変更して、より厳格な血糖管理を目指すという選択肢も

 高齢者では特に重症低血糖に留意すべきだといわれる。加齢によって血糖低下に対する生体反応の閾値が低下すると無自覚性低血糖を起こしやすく、昏睡を伴うような低血糖を突然発症するリスクが高まる。このような背景から、日本糖尿病学会と日本老年医学会は2016年に合同で、「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」を発表している(表2)。患者の健康状態〔認知機能、日常生活動作(ADL)〕、年齢、使用薬剤に基づきHbA1c 7.0%未満~8.5%未満の目標値をきめ細かく設定。インスリン、SU薬など重症低血糖が危惧される薬剤を使用している患者には6.5%未満~7.5%未満の下限値を設けている。

 植木氏は下限値の趣旨について「あくまで"インスリン、SU薬などを使用する場合は"ということ。低血糖リスクの低い薬剤に変更して、より厳格な血糖管理を目指すという選択肢もある」と説明する。

 なお、ACPは声明4で生命予後が10年未満と思われる高齢患者では、HbA1c管理目標の設定自体を避けることを提唱している。これについて同氏は、ここで想定されているのは日本の両学会指針ではカテゴリーⅢの要介護レベルの患者に相当するとした上で、「高血糖性昏睡など急性合併症の問題が考慮されていない」と指摘。急性合併症を回避するために、このカテゴリーの患者でも8.5%未満は目指すべきだと主張する。

 

腎機能が低下した高齢者へのインスリン、SU薬の使用は要注意

 植木氏の考えを裏付けるのが、日本糖尿病学会の「糖尿病治療に関連した重症低血糖の調査委員会報告」(糖尿病 2017; 60: 826-842)である。この調査は同学会認定教育施設に呼びかけ、2014~15年の1年間に重症低血糖症例(自己のみでは対処できない低血糖症状+血糖値60mg/dL未満)を登録したものだ。

 2型糖尿病480例については年齢77歳、HbA1c 6.8%、推算糸球体濾過量(eGFR)50.6mL/分/1.73m2(いずれも中央値)というプロファイルで、使用薬剤はインスリンが60.8%(SU薬併用例を含む)、SU薬が33.1%(インスリン使用例を含まない)と両者で90%以上を占めた。特にSU薬使用群は年齢81歳、HbA1c 6.4%、eGFR 42.3mL/分/1.73m2であることに同氏は注目し、「このレベルの腎機能が低下した高齢者に対しては血糖管理目標を緩めるか、薬剤を変更することが必要」と指摘する。

安全な厳格血糖管理を実証したJ-DOIT3

 重症低血糖を起こすことなく厳格な血糖管理が行えることを示したのが、J-DOIT3試験である(Lancet Diabetes Endocrinol 2017; 5: 951-964)。日本人2型糖尿病患者2,542例に8.5年の長期介入を行い、血糖・血圧・脂質に対する強化療法が血管イベントの抑制に有効かどうかを検証したもの。強化療法群では平均HbA1cが開始時の8.0%から6.8%まで低下、58%の脳卒中発症抑制効果などを示した。しかも、低血糖については従来療法群に比べ強化療法群で2倍近く高率だったものの(283例vs. 521例)、第三者の介助や入院を要する重症低血糖には差がなかった(4例 vs. 7例)。発生率は強化療法群においても年0.1%未満と極めて低率である。

「HbA1c 6.2%を目標とした強化療法群で6.8%にとどまったのは、参加医師が目標達成より重症低血糖の回避を優先したから。SU薬は開始時より減量され、インスリンの使用率は想定より低かった」と植木氏は説明する。同試験が始まった2006年当時は、インクレチン関連薬もSGLT2阻害薬も未導入で、今なら重症低血糖を増やすことなくより低いHbA1cを達成した可能性は高い。実際、同氏が現在診療している患者の中には、5%台後半にコントロールしている患者も少なくない。

 しかし、一般臨床医が重症低血糖のリスクを予知することは容易でない。血糖値以外に低血糖のマーカーは存在しないからだ。保険診療の中で血糖自己測定(SMBG)や持続グルコースモニター(CGM)を適用できる患者は限られている。「寝汗など夜間低血糖を疑う症状があったり、HbA1c値に比べ血糖値が不自然に高いような患者はどこかで低血糖を起こしているかもしれない」と同氏は述べ、SMBGやCGMで血糖の日内変動を確認できない場合は、専門施設に紹介してもよいだろうとしている。

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2018/1105516886/?_login=1#_login

 

 

米国「薬物療法中の2型糖尿病患者のHbA1c管理目標を7%以上8%未満とする」

 

(´・ω・`)良いと思う。いくらインスリン注射してもHbA1cが「7.0」を切らないものもいる!



 

そりゃー、6年もHba1cの検査をしてたら2.3回は「7.0」を切ったことがあるが(´・ω・`)


疾病型糖尿病の俺は、日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同指針の、健康状態や使用薬剤などに応じて「6.5~7.5%」の下限値を設定をクリア出来ないのが現状。


7.0~8.0なら・・・。(´・ω・`)シ 30歳の2月から糖尿病・・・。つらい・・・。


日本も米国に合わせよう!ねっ!


 



今朝の血糖値です。93(mg/dl)です。久しぶりの2桁。(`・ω・´)どやっ!


体重も57㎏まで回復!一時は53㎏まで減少。(`・ω・´)どやっ!



 また更新します。皆様もご自愛ください。




2018年の流行語だそうで。俺的には「そだねー」かな?



ガーファって?(´・ω・`) とって付けたような・・・



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