大阪では良家の坊ちゃんのことを”ぼんぼん”と言うが、根性が座り、地に足が付いたスケールの大きな
”ぼんぼん”、たとえ放蕩を重ねても、ぴしりと帳尻の合った遊び方をする奴には”ぼんち”と言う敬愛を
籠めた呼び方をします。「作品のあとがきに書いて有りました。」
大阪は船場、数百年の歴史を持った街を舞台にした作品です。
そんな大阪らしいニュアンスをもった”ぼんち”は現在の大阪から次第に姿を消しつつあるようですとも作者は語って居ます。
老舗の足袋屋の若旦那が毎晩のように4人ものお妾さんの所に行って芸者遊びの明け暮れです。
お妾さんには決まったお手当は欠かさずに届け仕事はしっかりとすると言う豪快な男伊達今では
無理な時代ですがそんな男が居たと言う痛快な昨品でした。