来年4月からの近江鉄道線の「公有民営」方式による上下分離をひかえて、鉄道線をまちづくりにどう生かすのかを沿線住民らで考える最終回が12月16日、八日市コミュニティセンターで開催され、約30人が参加した。
↑写真:滋賀報知新聞より
近江鉄道線の全線存続には、国からの交付金や滋賀県と沿線10市町の税金が投入され、公共交通として新たな一歩を踏み出す。そこで求められるのは、公共交通とまちづくりが両輪となった地域活性化。
このフォーラムでは、沿線住民をはじめ、より多くの関係人口を巻き込むにはどうすればよいのか、全4回のフォーラムで事例紹介やワークショップを通じて理解を深めた。
主催は市民らでつくる「人と環境にやさしい交通まちづくりプラットフォーム滋賀」(代表・宇都宮浄人関西大学教授)。
最終回のフォーラムでは、近江鉄道とのコラボ企画や地域活性化のイベントを展開する事業者や市民団体の代表が登壇し、具体的な活動内容や思いを紹介した。
続いて参加者それぞれが、鉄道を生かした地域活性化プランを提案し合い、投票を通じていくつかのプランに絞り込んだ。
具体的には、沿線の食品製造販売業やJAと連携して食品ロス削減も狙った「車内販売イベント」や、子どもたちが武将コスプレで乗車すれば運賃無料となるとともに、我がまちの歴史への関心も高められる「武将電車」などのプランが選ばれ、具体化の方策に意見を出し合った。
このあと修了式が行われ、閉会のあいさつで宇都宮代表は、「近江鉄道が上下分離することで、自分たち(沿線住民、滋賀県民)のもの(鉄路)になる。電車は単なる移動手段でなく、つなげると広場になり、使えると実感してもらえたのでは。すぐに結果が出なくても試すことが大事で、やってみて財産になればよい。きっかけをつかんで、次へ進んでほしい」と励ました。
甲賀市水口町の大学生、村地貴雲さんは、「住民が公共交通にどのようにして関わっていき、情報を発信すれば良いのかイメージをつかめた」と話していた。
なお、「人と環境にやさしい交通まちづくりプラットフォーム滋賀」は、来年2月ごろまでに、第2弾となる取り組みを計画している。
<滋賀報知新聞より>