なんてすごい奴なんだ

・・・康介。


８８年、鈴木大地さんがソウルで表彰台のてっぺんに立ち、
そしてアジア開催地のオリンピック、０８年北京。
康介は二度も
伝説のスイマーになった。

１００でワールドレコードを叩きだして勝ったときは
インタビューでの第一声が
涙声で「ありがとうございます」だった。
そしてきょう。得意の２００。
第一声は「記録が出なくてちょっと悔しいですけど」。
自分がいま何を求められているのか
きちんと分かっている。


康介の思い、葛藤、ここまで来れたみちのり。
それは私には計り知れないことです。

♪いちばんきれいな色ってなんだろう
桜井和寿くんの書いた歌詞はこんなフレーズで始まります。
桜井くんが「ＧＩＦＴ」といううたの歌詞に
こめたメッセージは、
おそらく
メダルの色にとらわれずに、それぞれの色があっていい、という
ことではないか、と思いますが、
半面、
表彰台にあがれるかどうかで
白黒ついてしまう過酷な舞台でもあるのが
オリンピックだという気もします。


康介は
表彰台のまんなかを求められて
自らもそれを口にして
実際、勝った。
表彰式で両脇のメダリストと並んだとき
康介は上背に恵まれたわけではないのがよくわかります。
それでもなお今回
圧倒的に強かった。
安心してみていられた。

夢を目標にして
一点を見据えて目標に向かい
夢をかなえる。
記録に残り記憶に残る
プロフェッショナル泳者、北島康介さん。
ありがとうと言いたいのはこちら側です。

スピードスケートの（清水）宏保に
どこか共通しているような気もしますし、
「いや、宏保とはちがうタイプのアスリートかな？」という
感じもします。
圧倒的に強いのに
「孤高」って感じがしないんだよね・・いい意味で。
下町のあんちゃん、というような風情が
そうさせてるんでしょうかね。


とにかく、
スタートからフィニッシュまで
すばらしい光景を
二度も見せていただけました。
オリンピック開催年生まれの人間のひとりとして
同じ時代にめぐりあわせた偶然が
素直にうれしいです。

康介おめでとう！
そして
ありがとう！

いま２５歳。
やがて
プールサイドへおりる日がきてからも
素直でカッコイイ
おとなでいつづけてください。

あなたに憧れて
あなたを目標にして
やがてトップスイマーをめざす次世代の
星でいてください。
あなたがかつて林亨さんに憧れて
やがて平泳ぎを極めるレベルへ至ったように、
きっと
あなたをめざす子供たちがいると思いますから。