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インテリアコーディネーターのブログ。
住まいのこと。インテリアのこと。仕事のこと。子どものこと。。。

3月20日 黒山もこもこ、抜けたら荒野

2008-03-20 | 本の話
黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望 (光文社新書)
水無田 気流
光文社

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面白い本に出合いました。
「黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望」
なんのこっちゃ?不思議なタイトル。それから「水無田気流」というこれまたなんのこっちゃ?というヘンテコな名前。
この本は、著者の自伝コラム形式で展開されているのですが、これが実に社会を捉えていて、その時代観察眼は、いくつかのレビューの中でも高い評価を受けています。
私は、そんな数々のレビューの中から、特に朝山実さんが書いた日経ビジネス「毎日一冊!日刊新書レビュー」を読んで、購入を決めたのですが、ページを開くなり、その面白さに引き込まれてしまいました。
(ただ、あとがきの中で、「とりわけ第4章は趣味に走りすぎたせいか、かなり脱線気味となっている」。と著者自身も言うように、4章に差し掛かるころには、私の感覚ではついていけなくなってしまいました。個人的には前半部分が特に面白かったです。)

著者は1970年生まれ。私より7年先輩。
著者に言わせれば、7年も後に生まれてきた私は、もしかしたら「まだマシ」な世代を生きてきたのかも知れない。だから、一緒にされたくはナイかもしれないけれど、共感できることがたくさんありました。

例えば、「中学校は一学年九組。高校に至っては一学年十一組もあった。」というくだりがありましたが、私だって、中学校、高校ともに一学年十組ありました。そのせいで(?)卒業した後には、同級生か否かの見分けだってつきません。中学2年の頃には、とうとう教室が足りなくなり、私が在籍した6組は、図書館を改装した教室が与えられました。改装したといっても、廊下側の壁に設置された本棚が取り払われただけの空間。つまり、廊下側には窓がなく、風の通り抜けることができない、息苦しい教室でした。
夏場は最悪で、各教科担当の先生たちも教室に来ることを嫌がるほど・・・。(先生は一時間我慢すれば済むけれど、私たちは一日中この空間に居るんですけど。)教室に入るなり、その環境に文句を言う教師たちに、ぼんやりとそんなことを考えていました。
そんなマンモス校と称される中学時代は、クラブだって大所帯。私の所属したバスケ部は同級生が30人超。下級生も含めたチーム総数は70人超。スタメン(=スターティングメンバー)5人、ベンチ入り15人のルールにより、熾烈なレギュラー争いを強いられたのは言うまでもありません。

気になるページに付箋を付け始めると、ついには収拾がつかなくなり、どれが大切なのかわけがわからなくなってしまったほど。
そして、社会というか時代に対するモヤモヤとした不満を、私に代わってバッサリと切り捨ててくれる著者に、なんだかすっきりします。

特に、この世代を生き、就職氷河期の最中になんとか職に就くことができたものの、著者の言う「テレビドラマに出てくるように『適当に仕事をこなしつつきらびやかに消費生活を謳歌している』わけではない」ほとんどのOLの方々。
または、そんな時代のせいで正規雇用を受けられず、フリーターや派遣社員として働いているたくさんの人たちには、きっと頷けることがたくさんある本で、ほんの少しだけ元気になれる内容だと思います。
それから、バブル崩壊以前に、買い手市場といわれる中で自由に就職に就くことができ、いまや企業の上層で優雅に働くおじさま達にも、ぜひとも読んでいただきたい、そんな一冊です。

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2月4日 3秒ルール

2008-02-04 | 本の話
「3秒ルール」と聞いて何を連想しますか?
私は、ほぼ反射的に「地面に落としてしまった食べ物が食べられるか否かの基準」を思い浮かべてしまいましたが(笑)。

「3秒ルール」。
実はこれ、ホームページのお話しです。

ホームページでの販売においては、いわゆる「3秒ルール」というのが昔から言われています。この3秒以内にお客様に理解してもらうことは「何をしているサイトか」「何を販売しているサイトか」ということだけです。(『御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか?』より)

御社の「売り」を小学5年生に15秒で説明できますか? (祥伝社新書) (祥伝社新書 99)
松本 賢一
祥伝社

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今日は、読んだばかりの本をご紹介したいと思います。
先日、フラッと入った書店で、この本に出合いました。「いいもの」をつくっていても、商品に自信を持っていても、それをうまくアピール出来なければ気付いてもらえない。周知してもらうことの難しさを痛感しているこの頃のことでした。
「誰にでもわかる言葉で伝える」
それが原則だと思いますが、そんな中でもこの「小学5年生」というターゲットが妙にリアルで、その部分に強く惹かれました。なぜ、小学5年生なのか?その理由は、本の中で解説されています。

それには、小学校の授業のカリキュラムに秘密があります。小学生の授業において、二つの壁が存在します。一つが「小学4年生の国語の壁」、もう一つが「小学5年生の算数の壁」です。国語においては、主人公の心理描写を問う問題が出てきます。(中略)
 つまり、3年生までの子どもたちは、自分の「なまの感覚」で教材を読んでいけばいいのに対し、4年生以後では、子どもたちは、自分の中に別の自分を住まわせながら、自分の「なまの感覚」をいつも見直し、確認して物語を読んでいくことが求められるのです。この「自分の中の別の自分」こそ「メタ認知」と呼ばれるものです。(中略)
 メタ認知能力とは、「自分の思考や行動を対象として客観的に把握し認識する能力」のことです。脳化学では、10歳前後に前頭葉がほぼ完成してしまうと言われています。つまり、私たちが発していくメッセージも10歳前後の子どもたちに理解できれば、ほとんどの人に理解されるということです。


そして、いよいよそのメッセージづくりのお話しに入っていくと、有名なキャッチコピーが例に挙げられていました。


スカットさわやか
味ひとすじ
一粒300メートル
お口の恋人
お金では買えない価値がある
上から読んでも・・・・・・下から読んでも・・・・・・


I’m lovin’ it
JUST DO IT
SHIFT_the future
Empowered by Inovation
THE DOCUMENT COMPANY
Human Chemistry, Human Solutions

さて、どこの会社かわかりましたか?
私は、ほんの数社しかわかりませんでした。いえ、なんとなくはわかるのです。CMも音声もぼんやりと浮かび上がります。でも、どこの会社のキャッチコピーかはわからない。。。

答えは順に、コカ・コーラ、永谷園、グリコ、ロッテ、マスターカード、山本山
マクドナルド、NIKE、日産、NEC、富士ゼロックス、帝人。

しかし、実際にはそれらをちゃんと覚えている人はそれほど多くないというのが現実なのです。つまり、大企業のキャッチコピーですら、私たち消費者はその大半を覚えてはおらず、また大企業のように税金対策で広告費を使えるようならまだしも、そうでない会社にとっては、この「覚えてもらえない」というのは致命的になります。

更に、メッセージ化することのメリットと、メッセージ化のハードル(覚えてもらえないのがあたりまえ)に展開していきます。
読みすすめる内に、就職活動と似た部分が見えてきました。
就職活動をする時、自分の長所と短所を整理したり、自分が進みたい業界について研究したり、自分がそこで何ができるのか?何がしたいのか?自分自身のたな卸しをされたと思います。
ここでは、自分自身が商品なわけですから、自分自身が理解できていない自分自身を知らなければ、自分のことを人に話すこと、アピールすることができません。
ああ・・・。これと同じなのかなぁ。

住宅をつくることも、パンフレットをつくることも、ホームページをつくることも・・・
たった15秒で説明がつくくらいにまで、自分自身がそのものを知り、理解しなければ、できないということなのでしょう。最初から15秒を作るのではなく、何百、何千ものワードを積み重ね、その何十倍もの時間をかけて、そして、15秒にまで凝縮する。
人に何かを伝えるということは、それほど難しいことなのだということですね。


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11月23日 模様替えしました☆

2007-11-23 | 本の話
今日は、部屋の模様替えをしました。
計画的なものではなく、本当に衝動的に。

今朝、いつものように部屋の掃除を始めたんです。
冬になると、私の部屋はいつもに増して狭くなります。
とにかく物が増えるのです。

まずは、ブーツたち。
玄関に並びきらない、もちろん玄関収納に入るわけのないロングブーツをはじめとする冬の必須アイテムが、行き場を探しあぐねた結果、部屋の片隅にどっかりと座りました。
年々増えるものだから、その居場所は拡大する一方・・・。

それから加湿器。
加湿器を購入したときにこのブログでも紹介しました。
そう。いまをトキメク、そして日本を代表するプロダクトデザイナー深沢直人氏デザインの加湿器。
前回は、デザイン以外であまり褒めてあげられていませんでしたが、そして、誰にもオススメはできていませんでしたが、慣れてくると結構良いですよ。
かわいいのはもちろんなのですが、意外に省メンテナンス。とってもお手入れがしやすいのです。

そして最後に、ガスファンヒーター。
これがかなり厄介です。
寒がりの私は、エアコンでは満たされず、毎年ガスファンヒーターに頼り切った生活をしています。昨年の冬からこのガスファンヒーターのコードがとっても邪魔に感じるようになりました。理由は、部屋に家具が一つ増えたせいでした。
新しく購入したディスプレイラックが、ガスコンセントを塞いでしまい、遠くから引っ張らなくてはならなくなりました。

今年もようやく寒くなり、ついにファンヒーターに頼らなければならない生活が始まりました。そうすると、長いコードが目について仕方ありません。そのコードにかなりのストレスを感じる毎日でした。

掃除をしながら、そんなストレスの要因を眺めていると、
衝動的にベッドを持ち上げていました。

というわけで、ベッドをはじめとする家具たちの大移動のあと、コードはすっきりとまとまったわけですが、やり始めると次から次へと気になりはじめ、クローゼットの中や、本棚として利用している食器棚の中まで、整理整頓。

本も、日に日に増えてしまうので、その収納にはとっても困っています。
本来なら食器棚のため、奥行きが通常より深い私の本棚には、たくさんの本たちが二列に並んでいます。普段目にすることのない、その二列目を久しぶりに確認してみると、誰もが知る有名な本たちが出てきました。

智恵子抄、たけくらべ、こころ、晩年、高野聖・・・
高村光太郎、樋口一葉、夏目漱石、太宰治、泉鏡花、それから宮本輝に村上春樹・・・
とっても懐かしい本たちだけれど、スペース確保のために、次の休日を利用してBOOKOFFに持っていく予定です。

そして今日、新たに1冊の本がやってきました。

中原の虹 第四巻
浅田 次郎
講談社

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第四巻の出版、とっても楽しみにしていました。
今年も残すところわずか。本当にあっという間の一年でしたが、三巻を読み終えてから、四巻が出版されるまでの一ヶ月、四巻を待つ一ヶ月は、私にとって、とても長い一ヶ月だったような気がします。

10月4日 KY

2007-10-04 | 本の話
いきなり何だ?と思われるかも知れないけれど、今日は建築とかインテリアからはすっかり離れたお話し。
なので、さらっと読み流してもらえるとうれしい。
いつも訪れてくださっている方はもうお気づきだと思うが、変化をわかりやすくする上でも文章の表現方法が違う。読み返すとなんだか偉そうな感じもしてしまう。そこはどうか大目に見てやってください。

さて、話をもとに戻して「KY」。最近の若者ことばなのだけれど、かなり有名になってきたので、みなさんもご存知だと思う。

KY・・・つまり「空気読めない」

最近の若者(って十分私も若者≪・・・と思っているのは私だけ?≫なのかも知れないけれど)の中では、四字熟語が読めなくても問題はないが空気が読めないことは大問題なのだと、何かの記事で読んだことがある。

「~みたいな」「~感じ」「~なくない?」など、時折大人たちはそんな若者の曖昧な表現に難色を示すが、現代の日本社会で生きる上で、大胆な自己主張をせず、まわりと協調し、みんなが気持ちよく過ごすことのできる彼らの会話術なのかも知れない。

そう。KY・・・つまり空気が読めないために、失脚していった近年のたくさんの大人たちから無意識の内に学んでいるのだろうか。

先日、ある本を購入した。
「王様は裸だと言った子供はその後どうなったのか」

王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B)
森 達也
集英社

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タイトルを見て興味を持ち、レビューを見て尚読みたくなった。と、いうわけで早速ネットを通じて購入を試みたのだけれど、これがとても時間がかかり、手に入れるまでに約2週間を費やした。

この本は、王様は裸だといった少年を「空気を読めなかった鈍い子ども」だとして展開する「王様は裸だと言った少年はその後どうなったか」という話に始まり、日本の民話やイソップ、ギリシャ神話、ついには仮面ライダーにまで手を伸ばした、簡単に言うとパロディなのだが、そのナナメからというか素直じゃない感じになんだか好感を持ってしまった。

以前に何かのドラマの1シーンでこんなものがあった。

「シンデレラはその後、幸せになったかどうかなんてわからない。これまで生まれ育った環境の違いに、うまくいかないかも知れないし、お姑さんとうまくいかないかも知れない。現実には、結婚した後の生活があるのに、王子様と結婚したことがハッピーエンドだというのはおかしい」
といったようなもの。

その時、うまいこというなぁ。と感心した。

そう考えると、日本の国語教育はやはり若干のムリがあることに気付く。
小学生の頃に学習した、文章の一つ一つから、その登場人物の心情や物語の趣旨を読みとるというもの。
私は、ごくごく普通のサラリーマンの家庭で生まれ育ったのだけれど、何の不自由もなく、どちらかと言うと、というより今から振り返って考えると、相当甘やかされて育ったせいか、全く真っ直ぐ、素直に育った。(あくまでも、中学生になるまでは・・・だけれど。)だから、当時の先生が求めている解答を正確に答えていたし、それ以外の思考が働かなかった。

でも、大人になったいま、考えてみる。
本当にそうだろうか?

そういえばこんな記事もあった。

社会には答えがない。
答えのある学生時代を過ごし、社会に出た20代の前半は、答えを探して不安を感じた。28歳を過ぎた頃だろうか、そもそも社会には答えなんてないことに気付く。そうして見えてくるものがある・・・。

みたいなものだった。
さっきから引用しているものは、どこかでふと目に留まり、私の頭の中でいくらかの時間を過ごしているので、私の主観がふんだんにプラスされ、都合のいいように変化している可能性があるので、これまた真剣にとらえず読み流してもらえればと思う。

というわけで、答えのない社会で生きていることをそろそろ自覚し始めているいま、改めて子どもの頃に触れた物語を読んでみる・・・。
たしかに、矛盾が見えないわけではない。

そう考えると、ふと怖くなった。
もしもあの時の私の過ごした時代背景が62年前の日本だったとしたら・・・。

さて、作者の森達也さんはこの書籍の執筆にあたり、「お伽草紙」を挙げ、時局が戦争やむなしの方向に傾きかけ始めている頃から太宰治が意欲的に選択し始めていたパロディに注目。それは、言論や表現への統制・検閲が強化されつつ時期と重なり、時局が激しく変わりつつある時代背景の中での執筆だったと指摘する。
そして現在、「戦後レジームからの脱却」を時局の変化だと捉えるところから、『既成の物語に触発されて創作するというこの手法を僕も試してみようと思いついた。』としている。

このあたりで、もうすでに私が意志を持った大人であることに安堵する一方、時局の変化という言葉に改めて不安を覚え、そしてこれを書きながらあることに気付いた。

「戦後レジームからの脱却」って誰が言ったんだっけ?

とりあえず、景観法のドタバタで訪れてうんざりした国交省のホームページを再び訪れてみることにした。期待は空しくそんなには変わっていなかった。記憶が正しければ、あの言葉の文字サイズは随分小さくはなったと思うけれど。

さて、肝心の本の内容なのだけれど、とにかく面白かった。期待通り、というか期待以上。でも、購入前に想像していたものとは随分違う印象を受けた。もっと、ひねくれた捉え方で展開されると思っていたのだけれど、実に筋の通ったお話しだった。

先日、松山に向かう列車の中でついに最後のページをめくったのだけれど、最後にはなんだか少し悲しい気持ちになった。
そして、赤鬼のことが愛おしくなった。(おかげで、気がついた頃にはすっかり瀬戸大橋を渡りきった後だったのは、改めて悔やまれるのだけれど。)

5月25日 今、松下幸之助ならどうする?

2007-05-25 | 本の話
本つながりで、今日は、ビジネス書籍のご紹介を少し・・・。

「今、松下幸之助ならどうする?」

この本は、現在執筆中の「今、本田宗一郎ならどうする?」と合わせて企画されているそうです。
このブログを最初の頃から覗いてくださっている方は、ちょっと聞き飽きた感じもするかもしれませんが、筆者である大西先生は、私の学生時代の恩師で、今の職業に就くことを全面的に応援してくださった方。

学生時代は、「経営学」の授業を通してお世話になり、当時も卒業後も、ただ一人親交のある教授でした。仕事の相談に乗っていただくことも多々あり、これまで前向きな時間を過ごすことができたのも、先生の影響が大きかったようにも思います。

現在は、関西外大を退職され、拠点を東京に移されていますが、年に1度くらい、ほんの数時間ですが、お話しをする機会があります。
そして、先日のゴールデンウィークの内の一日に、ちょうど大阪へ講演でいらしていたようで、連絡を頂き、京都で会うことができました。

そこで、これまでに出版された3冊の書籍の内、一番新しいものに、サインをしてもらおうと、持参することにしました。

これまでに、出版された書籍は、
「松下とホンダ」、「自由と強制のリーダーシップ」、そして今回のそれです。
ちょうど、二作目の「自由と強制のリーダーシップ」が出版されたとき、コーディネーターの資格試験に合格し、そのお祝いに。と、メッセージ入りの書籍が届きました。
それが、とても嬉しかったので、今度は自らマジックと本を持参したのです。

さて、今回の「今、松下幸之助ならどうする?」は、経営の神様とも言われる松下幸之助の経営手法(=リーダー力)が詰まった作品です。実際に、松下幸之助の下で働いた経験がある先生の、松下幸之助に対するリスペクトが文字を通して伝わってきます。
経営者ではない私が読んでも、仕事に対する取り組み方や、人との接し方などを考えさせられる内容になっています。
先生のお話しによると、「重要な部分に赤線を引いて、職場の二人の上司にプレゼントしました。一人はあまり良い顔はしませんでしたが、もう一人は大変喜んでくれて、その後の対応が明らかに変わりました。」というOLさんからの感想も届いたそうです。

今回はかなりの反響で、増刷も決まったということでした。私としては、今回の内容ももちろん先生らしいというか、今まで習ってきたこと、先生のマインドが凝縮されていることには違いありませんが、実はこれまでの3冊の中では、「自由と強制のリーダーシップ」が一番好きです。個人的にはこれが一番わかりやすく、仕事の取り組み方について考えさせられる点がたくさんありました。

ところで、先日お会いした2時間ほどの間に、「私、このごろ全てにおいて『交渉力』の必要性について強く感じるようになりました。」というお話をしました。すると、「『交渉力』についてなら、以前にまとめたものがあるから、メールで送ってあげるよ。レジュメだけだけれど、君ならそれさえ読めば理解できると思うよ。」と・・・。

翌日、約束通りメールが届きました。
先生・・・私のこと買い被り過ぎデス・・・。

12月4日 今年の流行語大賞は?

2006-12-04 | 本の話
ここのところ、立て続けに新潮新書の書籍を読みました。

最初に読んだのが、「好かれる方法」。


タイトルのストレートさに惹かれて購入しました。
その内容は、PR会社の社長である著者が、その経験を基にPRの方法をまとめられたものでした。

ハチセでも様々な場面で、パブリシティを利用したPR活動をしており、私が担当したものだと、新築のモデルハウス及びリ・ストック制震工法を取り入れたリ・ストック京町家モデルハウスがその例です。

Advertisementではなく、publicityの利用は、うまくいくと期待以上の宣伝効果を得ることができる手段ですが、あくまで、記者の感覚で公開されるために、こちら側の思惑とは全く違うかたちで掲載されることもあります。
これは、Advertisementとは違い、原稿を公開前にチェックできないことが一番の原因です。ですから、原稿をチェックしなくても、私たちの思いを正確に伝えることができれば、私たちの思いを「面白い」と思ってもらうことができれば、無料で世間に広く情報を流すことが可能になります。
ところが、これがとても難しくて、私は二度とも全くうまくいきませんでした。

そこで、何かのヒントがあれば・・・。と手にしたのがこの本です。

結果的には、良くわからなかった。というのが正直な感想です。
PRに限らず、こういった類の「○○の方法」といった本は、数多く出版されていますが、結局その核心というか結論は、自分で見出さなければならない。ということに改めて気付かされることがほとんどです。

ただ、この本を通して、初めて理解できたことがあります。
それは、PRという言葉は、Public(公衆・大衆)とRelations(関係)の頭文字を取ってつくられた言葉だということです。つまり、PRとは、「大衆や公衆、ひいては社会との関係を向上させて、良好なものにする行為」だとそこには記されていました。

要するに、PR活動とは、一方的にこちらの考えを発表するのではなく、対象とする人との良好な関係を築くことで、そこから潜在的に存在する魅力を相手方から引き出してもらうという相互関係があってこそ成立するものだと知りました。

それから、なんとなくもやっとしたものを抱きながら、次に手に取ったのが、「人は見た目が9割」です。


高校生の頃、ハンドボール部に所属していた私は、中学時代では考えられないほど、その顧問のことを信頼し、尊敬していました。
その先生との関わりの中で、「オシム語録」ならぬ数多くの「ユミ語録」が私の心に刻まれているのですが、その内の1つが次ぎのような言葉でした。

「『人を見た目で判断するな』って習ったやろう?人はね、見た目で判断するものなんだよ。だから、そんな言葉があるんだよ。」

これは、服装の乱れを改善させるために私たちに向けられた言葉なのですが、当時この言葉に妙に納得してしまって、それからの生活の中で、人だけではなく、商品も含めて「見た目」に左右されることの多さを改めて実感するようになりました。

この本のページをめくると、比較的早い段階で前述と同じ記述に出会います。うん。うん。と次々に読みすすめていくのですが、納得のいく部分と(そうかなぁ?)と感じる部分とがありました。まぁ、こういった本は偏りがあるし、また、そんな偏りを正しいと思えなければ本として成立しないので、こんなものなのかなぁ。と足早に読み終わりました。

ここまできて、どうもスッキリしないので、次に手にしたのが、今更な感じもしますが、「国家の品格」です。


この本から、「品格」という言葉が今年の流行語大賞にも選ばれたようですね。

私もなんとなく、予想はしていました。今年はやたらと「品格」という言葉を耳にする機会が増えたような気がします。そして、最近になって急に話題の中心になり始めた「イジメ問題」や「虐待」その他モロモロの普通の感覚では理解に苦しむ事件を受けて、また「品格」という言葉を耳にする機会が一層増したようにも感じます。

2007年問題もいよいよ1ヶ月後になりましたが、今や知らない人はいないと言ってもいいほど有名になった「団塊の世代」という言葉。これも本はといえば元経済企画庁長官堺屋太一氏の著書がキッカケだったということ。これも知らない人はいないでしょう。私は、この本を読んだことがありません。

そんなわけで、今回は流行に乗っておこうと、手にとりました。
現在は、少し忙しくて、なかなか読む時間がとれず、まだ40ページそこそこしか読めていません。こちらももちろん、ある種の偏りが見られるのでしょうが、私は今のところ比較的、好意的な印象を持っています。

例えば、2002年から始まった「ゆとり教育」で小学生でも英語を習うようになりましたが、これに対して「英語よりも国語を優先すべきだ」という内容があります。
私もこれには、全く賛成で、当時から小学生で英語の科目が取り入れられることに賛成ではありませんでした。
そうは言っても、「あんた習ってたやん!」という母の言葉には何も言い返すことができませんでしたが・・・。

4月24日 本の話

2006-04-24 | 本の話
私の睡眠欲は、何ものにも勝つことができないが、それさえ乗り越えることができれば、通勤電車のわずかな時間は読書にあてられる。

連休前で、片付けなければならない仕事が盛りだくさんなので、ネタを繰る時間が取れない。
だから今日は個人的な話をしようと思う。

読書。
ある時からハタとしなくなった。
振り返って思い出そうとしても、いつからなのか具体的なことが思い出せない。

おそらく・・・想像する限り、中学生になり、1年365日のうち362日が部活にあてられた頃からではないかと思う。
つまり、14歳くらいの私には余裕がなかったのだと思う。

高校~短大と進学したが、これまた自発的な読書とは無縁であった。
読み物としては、教科書と夏休みの宿題で課せられる読書感想文用の指定図書1冊(といっても、あとがきを読んで、その後に斜め読みする程度だが)。

短大に入学して、このブログで何度か触れた大西教授と出会う。
19歳になる年の1年間教授の授業を聞き、2年目は時折研究室にお邪魔して話を聞くうちに、「企業」というもの、まだ見ぬ「社会」の中に存在する「大人の世界」に強い興味を持つようになった。

そして、成人式を迎えた年、ハチセに就職することになる。

就職活動をしていたある日、当時小林住宅の営業をしていた女性と出会う。
そして3冊の本を頂いた。
1冊はインテリアコーディネーターの資格対策テキスト
あとの2冊はOLの心得のようなものであった。

それまで、マニュアル本的なものを手に取ることがなかったので、少し驚いた。
なぜなら、私から見てあまりに完成された人(年齢も1まわり以上離れていたのだから当然でもあるが。)だったからだ。
彼女とそのような本が結びつかなかった。

インテリアコーディネーターの資格対策テキストは、当時受験資格に年齢制限があったこともあり、必要となる頃にはすっかり古くなってしまっていたので活用されることはなかったが、他の2冊は今でもすぐに手の届く自宅の本棚に納まっている。

タイトルは定かではないが「気立ての良いOLの電話術」と「気立ての良いOLの接客術」とかそんなようなものだったと思う。

ハチセに入社する日を目前に控えた日、その2冊を読んだ。

20歳で入社する私は、当時一番若かった。今から考えれば年齢だけの問題ではないようにも思うが、とにかく最低限のマナーだけは知っておかなければ。とある種の脅迫観念にも似た想いで本のページをめくっていたように思う。

このことがきっかけで、「マナー」に関するテーマを扱った書籍を読む機会が増え始めた。「敬語の使い方」「食事の作法」「ビジネス文書」「手紙の書き方」など、その手のものは一通り読みあさった。
近年話題になった「頭のいい人、悪い人の話し方」といった類の書籍も世間の話題に乗じて手にした。
それでもできないことの方が多いのが現実なのだが・・・。

1999年1月に発売され、現在では160万部の発行部数を超えるベストセラーになった「日本語練習帳」を読むころには、少しずつ読書の機会が増えていたように思う。

そして同時に、いろいろな種類の書籍に触れるようになっていた。

みなさんは、本を選ぶとき何を基準にされているだろうか。

私は、読書の習慣が復活してしばらく、無差別に書籍に触れた時期を経て、「天国までの100マイル」に出会った。
以来、3本の柱を基準に購入している。

小説やエッセイは、すっかりファンになった浅田次郎さんのものが中心。本屋さんで新刊を見つけると必ず購入している。
だから、自宅の本棚の一角は「浅田次郎コーナー」ができている。

マナー系のものは、なんとなく時間のあるとき、目にとまったものを購入する。
特に女性向けに書かれたものを選ぶことの方が多い。

それから、その後の私の人格構成に強烈な影響を与えた短大時代に学んだ「経営学」に関連する書籍。

「企業寿命30年説」さらにその年数は年々短くなっているとも言われている。
その短命さに一瞬驚くが、従来の常識では、つぶれるという認識がなかった銀行でさえ、めまぐるしく統合されて新たな看板を掲げているのであるから、納得できる。
だからこそ、成功している企業をとりあげたものは興味深い。
「企業」は、そこで働く「人」を映し出す鏡のようなものかも知れない。

昨日新しく一冊の本を購入した。

我ながら実に影響を受けやすい、単純な人間だと思う。

7月13日 待ちに待った本が出版されました

2005-07-13 | 本の話
とうとう私の学生時代の恩師、大西宏先生の本「松下とホンダ」が実業之日本社より出版されました。

ということで、今日は大西先生つながりの話を少し・・・。

1996年関西外国語大学短期大学部に入学した私は、シラバスで先生のページを見つけ、強烈な印象を受けました。
よく、結婚会見のときに、出会った瞬間「びびっ」ときました。というような表現を耳にしますが、まさに、そんな感じです。

その後の人生に深く関わることになる人との出会いは、鮮明に覚えているそうですが、私も初めて先生の授業を受けた時、その情景をはっきり覚えています。
その日、その瞬間、私はすっかり魅了されてしまいました。

私が今、ここでこうして仕事ができているのも先生との出会いがきっかけだと言っても過言ではないでしょう。

幼い頃から一度決めたら、納得いくまで突き詰めないと気のすまない、融通の全く利かない私は、幼稚園に入園したころ、「英語」という存在を知ります。
(英語が話せれば、よりたくさんの人とコミュニケーションが取れるに違いない!!!)いつか、うさぎや猫や犬といった動物たちとも会話が出来る時代がやってくると信じていた当時の私は、同じ人間でも会話が通じない人がいることに衝撃を受け、それを学びたいと思うようになります。

それから、母を口説き、英会話スクールに入学できたのが、小学2年生・・・。
「関西外大」の存在を知ったのが中学3年生・・・。
考えてみれば、幼稚園のころに、私の大方の進路は決まっているようなものです。

それと並行して、「インテリアコーディネーター」という職業を知り、興味を持ったのが小学6年生。(これについては、また別の機会にゆっくり・・・)

高校3年生の夏、「外大」と「インテリアコーディネーター」その2つの夢にぶつかります。いえ、正しくはぶつかるハズでした。
ところが、中3で関西外大を知ってからの私は、当然、そこへ進むものだと決め付けておりましたので、何の迷いもなく、外大を受験します。
そして、それは同時に「インテリアコーディネーター」になる。という夢を諦めることでもありました。

あの日、先生の授業を受けたとき、その頑なな思いが、氷が溶けるようにじわじわと・・・広い視野で進路を見つめられるようになったのでした。
「外大」に入学したから、「英語を生かした職業に就く」。多分、この考え方は間違っていないと思います。けれど、先生の授業を受け、いろいろな世界を知る内にその考えがなんだか、ばかげてきたのです。

「私のやりたいことって???」

そう、自分に問いかけたとき、やはり「インテリアコーディネーター」しか思い浮かびませんでした。

「夢は思い続けていれば必ず叶う。たとえ、かたちを変えたとしても・・・」

大西先生がいつも私たちに向けてくれていた言葉です。私は今でも、諦めたり、止めようとしたり、気持ちが後ろ向きになったときに、この言葉を思い出しては、また前を向いてがんばってます。

そうそう、このブログのタイトルにした“Advance”それは、私の座右の銘で「前進・向上・発展」を意味するとっても前向きなことばなのです。