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インテリアコーディネーターのブログ。
住まいのこと。インテリアのこと。仕事のこと。子どものこと。。。

2月26日 インテリアコーディネーターの仕事

2009-02-26 | プロフィール
「インテリアコーディネーター」という仕事があることをご存知ですか?今、このブログを読んでくださっている多くの方が、インテリアコーディネーターが綴るブログと認識して頂いた上で訪れて下さっていることでしょうから、(今更・・・何?)と思われるかも知れませんね。
「インテリアコーディネーター」という仕事の存在をご存知な方はたくさんいらっしゃると思いますが、インテリアコーディネーターが何をする人なのか?ということ説明できる方は少ないと思います。
私自身、友達や親戚といった身近な人たちから初対面の方々まで、質問される機会は少なくはありませんが、実際の仕事の範囲が多岐に渡っていることと、世間のICに対するイメージとのギャップで、その解答に困ってしまうことがあります。
インテリアコーディネーター(以下ICとする)とは、辞書(国語辞典)によると「住宅の内装や改造に関して、関連する商品知識をもとに消費者に選択や組み合わせをアドバイスする人。また、その職業。」とあります。ちなみに、ICを輩出するインテリア産業協会によると、「住まいをより美しく暮らしやすい生活の場にするため、家具や住宅設備などのインテリアを選択し、『空間』『人』『モノ』を調和させること。」・・・だそうです。
ものすごく抽象的でしょ?

そもそも、今日これをテーマにしよう。と思ったきっかけは、ブログランキングで上位をキープされている、あるコーディネーターさんのブログを読んだことでした。
私、滅多に読まないんですよ。同じICさんのブログ。いや?もしかしたら初体験かも知れません。年に一度開催されるICの交流会にも参加したことないし。別に深い意味はないんですよ。ただ、ICという仕事は、前述のようにアバウトな仕事のため、同じICでも仕事の内容も範囲も全然違う。顧客に対するアプローチの仕方も様々。あまり、多くの人の仕事を見てしまうと自分自身の軸がブレてしまうので、気にしないことにしているんです。でも、なんとなく気になってしまったんですね。それで読んでみるとすごく面白くって。どんどん読み進めてしまいました。その中で自分自身のことを紹介されていた回があったんです。
ICが何をする人なのか、具体的な仕事内容がずらっと羅列されます。ハイ。ICの仕事は一言で足る説得力を持つものがありません。まぁ、ありがちな良く見る説明ですね。
ところが、読み進めていくと実にわかりやすい表現にたどり着きました。そんなわけで、ちょっと拝借しちゃいます。

自嘲的にいえば、
「どーーーーーでもいいこと」を一生懸命考える、アホな職業です。


さらに読み進めると、こんな風にもありました。

世の中に、医者がいなければ困っちゃう。
風俗のおねーちゃんが消えることも、まぁ、まず、ありえないでしょう。
それが、世の中のニーズってなもんです(笑)

それにひきかえ、地球上からインテリアコーディネーターが消えたところで
・・・誰か、困る人はいるかい?




と。
いやぁ。この不景気に、不景気だからこそ(?)、おいおい。ICって必要なのかよ?!なんて、自分の首を絞めるような事が言いたい訳じゃありませんよ(笑)。
こんな時だからこそ、むしろ必要だって信じています。だって、家は一日が始まる場所であり、そして一日を締めくくる場所なのですから。
どんなにステキなホテルに泊まったって、老舗の旅館で贅沢なサービスを受けたって、自宅に戻った時に「ほっ」とされた経験のある人は多いと思います。
そんな、心の満足度を高めるお手伝いをする大切な仕事だって、私は信じています。

さて、「インテリアコーディネーター」の資格所有者は全国で7万人ぐらい。なんだとか。
これもそのブログの中にありました。

うじゃうじゃ、いる(笑)

その中には、ペーパードライバー(?)もいるので、
実践の仕事につけているのが、7万人のうち、4000人ぐらいなんだそうです。
(なんの統計か忘れましたけど)


「なんの統計か忘れた」のは困るので、私なりに調べてみましたが(と言ってもネット検索でさらっとね・・・)、全くわかりません。でも、昨年度第26回IC試験の合格者が2,878名ですから、単純に26を掛けると74,828人。7万人というのは、ほとんど正確な数なんだと思います。
その内実践の仕事につけているのが4,000人くらい・・・というのは、かなりアバウトな数字のようにも思いますが(だって、統計を取ること自体、かなり難しいハズだし)、有資格者の5%程度と考えると、「OLに人気の資格ランキング」等でいつも上位にいる資格ですから、仕事に関係なく取得されている方も多いのかも知れません。
別に仕事にしなくても、自身の住まいを豊かにするために取得したって良いですものね。そして、ICの求人数が異常に少ないというのも実情です。それは前述のように残念ながら「別に居なくても困らない」職業であり、専門のICを置かなくても「設計士」さんが兼務することも「現場監督」さんが兼務されていることも珍しいことではありません。ですから、ICがICとしてICラシイ仕事をするために、フリーで活躍されている方が多く存在します。ということは、私のように企業に属している人だけを探すと、もっともっと少なくなると思います。書きながら、改めてシアワセものだなぁ~。と思います。

「ICラシイ」という表現を使いましたが、これもまた難しいトコロです。
例えば、私は「ICになりたい!」と初めて口にしたのが、小学6年生の頃でした。正直、どんな仕事かなんてわかっていませんでした。図面に色を塗ったり、照明器具の写真を貼ったり、カーテンの生地を選んだり・・・。そんなような仕事をする人だと漠然と思っていた程度です。
ハチセに入社して、営業と同行する車中でそんな話をしたことがあります。そんなことがしたくて、ICを目指した。って。
「別にそんなことなら、ICじゃなくても、結婚して子どもと一緒に作ればいいんじゃない?」その時そんな風に笑われたことは、今でも鮮明に覚えています。
ICの専門学校へ通うとプレゼンボードを製作したり、パースを描いたり、平面図に家具を落とし込んだり、色を塗ったり・・・そんなことを繰り返し練習します。
そう。図面に色を塗ったりするプレゼンボードの製作は、あの時漠然と描いていたICの仕事、そのものでした。まさに、12歳の私が描いたイメージ通り。
でも、それだったら、あの時ケタケタと笑われたように、別に仕事にしなくたって良いんです。私がしている仕事は、書き上げるとグダグダ・・・だらだら・・・なんだか良くわからなくなってしまいます。それにあの時描いていたイメージとは違って、プレゼンボードを作ることも少ないし。
ただ、全ての業務に共通して言えるとすれば、「そこに住む人が笑顔になる家」をつくることだと思います。ちょっと格好付け過ぎでしょうか?
でも、ホントにそれに尽きます。そして何より、喜んで頂けることによって私が元気になれます。“もやっ”と描かれているイメージを“現実的なもの”にする。“好きなアイテム”を整理して家全体のバランスを整えるお手伝いをすることが、私の仕事の『軸』です。
「インテリアコーディネーター」といってもインテリア(=内装)だけではありません。カースペースや外壁などエクステリア(=外装)だって、合わせて(あ~でもない。こ~でもない。)と悩みます。

・・・書けば書くほど、曖昧になってくるぅ~。
だからやっぱり、

「どーーーーーでもいいこと」を一生懸命考える、アホな職業

これに尽きると思います(笑)。

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2月18日 冬の東福寺

2009-02-18 | インテリア/建築
先日、パラっとめくった雑誌に掲載されていた東福寺へ行ってきました。
約10年振りに訪れました。東福寺といえば“もみじ”を連想する私ですが、そう、10年前はこの“もみじ”の季節に訪れましたので、ほんと“もみくちゃ”になった印象だけが今も鮮明に残っていますが、冬の東福寺は、それはとても静かな時間が流れていました。
目的は苔むすお庭だったのですが、何も考えずに拝観料を払って入館すると、まぁ枯れ木が美しい(笑)空間でした。

想像力を振り絞って・・・ええ。秋ならきっと真っ赤に染まるもみじの木。
とりあえず、写真に赤いペンで色を塗ってみようかしら♪なんて・・・。

苔に出合うことができなかったから、受付で聞いてみました。
他にも入館できるトコロがあるとのことで・・・。(先に聞くべきだったなぁ。)とちょっと後悔。まぁ、もみじは赤くなくとも、素晴らしい景色には違いありませんでしたが。

さて、目的のお庭は「方丈八相庭園」の中にあります。
こちらは、作庭家 重森三玲さんが1938(昭和13)年に手掛けたもの。東西南北 四周に巡らせた庭が特徴です。
ここを拝観するのは初めてのことでした。入口から最初に出合うのは東庭。東司(とんす=便所の意)の柱石の余材を利用し、北斗七星に見立てた「北斗の庭」と呼ばれるお庭です。
投げ込まれたさい銭が日本人らしいというかなんというか・・・

順路を進むと南庭が出てきます。

そこは、ぽかぽか とてもあたたかい場所。たくさんの人が日向ぼっこをしていました。一度座ってしまえば、ゆっくりとおだやかな時間が流れます。いつまでもぼんやりと座っていたくなります。
重い腰をようやく上げてさらに順路に歩みを進めると、目的の苔むす北庭が見えてきました。
 
ウマスギゴケの緑と敷石のコントラストがとても美しく、思わず見とれてしまいます。市松模様も決して規則的ではなく、遠くへ行くほどその間隔がゆるやかになります。その辺りのセンスにうっとり。
ところが、足元からみるみる冷えてくるのです。さすがは北庭。東西南北の特徴をしっかりと感じることができたのも、また、面白い発見でした。
最後に西庭。
 
市松の刈り込みはさつきです。きっとゴールデンウィークのあたり(?)五月には鮮やかに咲くさつきの花と緑、そして砂地のコントラストがきれいなことでしょう。

重森三玲繋がり・・・というわけで、東福寺の後、京都市左京区吉田上大路町にある重森三玲美術館を訪ねました。
 
全てが思いつきのため、当然入れるわけもなく(こちらは完全予約制です)・・・、事前予約が必要だということを知った上で訪れましたから、入れないことに差ほど落胆することもなく・・・外だけ拝見して帰って来ました。

次回は改めて予約を取って・・・
いやいや、そんな計画的な行動、仕事以外でできるのだろうか?
またいつの日か、レポートしたいと思います。
そうそう。そういえばこの日のそもそもの目的は「梅を見ること」だったハズなんですけどね(笑)。

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2月14日 就活検定?!

2009-02-14 | ひとりごと
NTTコムウェアが提供している就活検定を見つけたので早速トライ!
じゃ~ん☆☆☆

・・・まぁ、11年も働いているんだから、当たり前と言えば当たり前の結果なんですけど・・・どんなことでも、「1番」という響きはとっても良いもので、テンションが上がります。

褒められて、テンションの上がる方にオススメ。
ちなみにこの検定、「マナー編」の他に「SE職種診断編」と「IT業界編」があるんですけど、私は無謀にも「IT業界編」にもトライしてみたんです。(いや、正確にはそちらが先で、その後にマナー編を見つけたんですけどね。)
まぁ、ヒドイ結果でした。なんのこっちゃ?の連続で、なんとなく知っていた4問と偶然に当った1問。合計5問でもちろん不合格でしたよ。

ITに強い方は、ぜひお試しあれ!

2月13日 ラブ・クローバー号

2009-02-13 | ひとりごと
「安全」「快適」「信頼」を表わす、三つ葉マークが目印のヤサカタクシー。
最近では約1400台の内、4台だけ存在するという四葉のマークのタクシーもすっかり有名になりました。私は見たこと(・・・そもそも歩くときに周りを見ていないので)も、もちろん乗ったことも無いのですが、乗ると幸せになると言われています。
とてもステキな企画だなぁ。って思います。

そして、2月13日、14日の2日間に限り期間限定で走るラブ・クローバー号。
普段はグリーンのクローバーがピンクに!!!
工務部の宮が移動中に2台も見つけたそうで・・・写メを送ってもらいました。
テーマは「恋愛成熟」だそうですよ☆
 

2月9日 魔法のフライパン

2009-02-09 | インテリア/建築
「魔法のフライパン」という名のフライパンをご存知でしょうか。
これは、三重県にある錦見鋳造株式会社が製造・販売している尾張鉄器のフライパンです。私がこのフライパンの存在を知ったのは今から2年半ほど前のことだったと思います。当時、テレビで目にする機会が多く、「ほぉ~」と思いながら見ていました。
それからしばらくたった2007年2月、社内会議で「価格にこだわらなくても売れるか?」というテーマで話し合ったことがありました。その時私は「高いから売れる例」と「価格以上の価値を求める例」の二つをもとに検証しました。
その結果、『自分にとって価値を見出せるものには、その対価を惜しまないが、例え安くても、必要がなければ買わない人たちが増えている』というレポートになりました。

「価格以上の価値を求める例」の一つに取り上げたのがこの「魔法のフライパン」です。そこで、「自分にとって価値を見出せるものにはその対価を惜しまない」という自分の検証結果に基づき、自分自身がそれを試してみることにしました。
なぜなら、その時その魔法のフライパンの納期は2年半後だったからです。

2007年2月16日、納品までは2年半待ちとなることを了承して、ネットより注文しました。2年半後の生活なんて当時は想像できていなかったけれど、あまりに先のことだから、かえって軽い気持ちだったような気がします。

それからしばらく経ち・・・というか、申し込んだことさえもほとんど忘れそうな今年2009年1月、錦見鋳造から「発送予定」の連絡が入りました。
2009年2月3日、改めて「発送準備完了」の連絡。(どちらもメールがやってきました。)
そして、当初の予定よりも若干早い2009年2月6日、注文から約2年経ったその日、そのフライパンは私の手元にやってきました。

さて、そんなフライパンの特徴を簡単にご紹介したいと思います。
① 熱しやすく冷めにくい
② 全面に均等にこげ目が付き、うま味成分を逃がさない
③ 油なじみが良く、焦げ付いたり、こびりついたりすることなく、使えば使うほど使い勝手が良くなる
④ 熱伝導率が鉄製やフッ素コートのフライパンに比べて格段に高い。(全面が200℃に到達する時間は一分ちょっと。=より早く食材の中心へ熱を通すことができるので、エネルギーの節約にもなる。)
⑤ 炭の遠赤外線効果により、フライパンの表面全体が均一に熱くなり、食材にも効率よく熱を伝える。
⑥ 一体成形で丈夫。

・・・などなど。
とにかくその特徴を書き並べましたが、特に嬉しいのがその軽さ。直径26cmで980gというのは、鋳造フライパンとしては 驚異的に軽いそうです。その秘密は画期的な薄肉鋳造にあります。開発当初、業界の常識だった板厚4.5mmを世界初の1.5mmにまで薄く作ることに成功されたそうです。
そして、フライパンをようやく手にして、改めて「いいなぁ」と思いました。なぜなら、これこそ「究極のエコ商品」だと思うのです。単純に省エネだから。ではありません。スーパーで1,000円程度で買うことができるフッ素加工されたフライパンは、1年経たない内にその化工部分が剥がれ、焦げ付きに悩まされることも少なくありませんが、使えば使うほどに馴染むこのフライパンは、この先何十年も使い続けることができる。いわば一生ものの一品です。
エコに対するアプローチは、様々な方法がありますが、私は、永く使い続けられるものを購入することや、物を大切に長く使うこと、長く使い続けることが出来る商品を提供すること、簡単に壊れない商品を提供することも、立派な“エコ”だと思うんですよね。

そして、現在の錦見鋳造のホームページを見ると「納品までは2年6ヶ月以上となります」と掲載されていました。やはり「良いもの」は「売れる」ということでしょうか。

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2月2日 京町家と塗料 Vol.1

2009-02-02 | 豆知識
今日は、社内向けにレポートした「塗料」の話を少しアレンジしたテーマでお届けしたいと思います。結構なボリュームになってしまいますので、とりあえずVol.1として昔ながらの自然塗料を取り上げます。
京町家と付き合っていくには、欠かせない塗料。どんな塗料を使うか?何度塗るのか?何に塗るのか?同じ塗料を利用しても、着色する材(樹種)が違えば全く違う表情が生まれます。だからとっても繊細です。私自身も勉強しながら、それぞれの家に合う塗料(色)を見つけたいと思っています。

まずは、染料と顔料の違い。特徴をまとめました。
【染料】
・ 化学染料がない時代は植物の根や花からつくった
・ 水や油に溶ける
・ 繊維を染めた場合、繊維の内部までしみ込んで色がつく
・ インクジェットプリンタの場合、発色が良いがにじみやすい
【顔料】
・ 化学顔料がない時代は岩や土を微細に砕いてつくった
・ 水や油に溶けない微細粉末(溶けているように見えても、実は混ざっているだけ)
・ 繊維を染めた場合、繊維の表面に色が付いている
・ インクジェットプリンタの場合、耐水・耐光性に優れていて、にじみにくい

次に日本古来から伝わる日本の伝統的な塗料の特徴をまとめました。
■漆(うるし)
天然樹脂塗料で漆の木の樹液が主成分
常温多湿で乾燥させるので時間が掛かる
硬くて、熱や湿気、酸、アルカリや油に強く、光沢があり美しいが、耐候性が悪く、紫外線を受けると劣化することが知られている。極度の乾燥状態に長期間曝すと、ひび割れたり、剥れたり、崩れたりする。
漆は粘着性の強い塗料で、その粘着性に負けないよう、女性の髪の毛をひのきの板ではさんで作られた丈夫な刷毛が使われる。

タモ 漆仕上げの施工例

ベイヒバ(透け漆5回塗り)

ホワイトアッシュ(透け漆2度塗り)

ホワイトアッシュ(濃暗色漆厚塗り)
※漆塗りは日本の伝統的な塗装方法ですが、輸入材や和風以外の空間に使用しても独特の趣が得られます。例えば、広葉樹の環孔材であるホワイトアッシュに塗装すると、光沢のある部分と光沢のない木目部分との差が明瞭になり、深く立体的な表情を楽しむことができます。

■カシュー
塗膜外観や性能が漆によく似ている
カシューナッツシェルオイルと言う、インドやブラジル産カシュー樹の実を包む殻に含まれるフェノール性油を材料とする。
塗膜や性能も漆とほとんど変わらず、光沢があり、高樹脂分のためふっくらとした肉持ち感がある。
塗料の乾燥は空気中の酸素を取り込む酸化重合であるので、漆のように湿度を必要としない為、自然乾燥または加熱乾燥が行われる。また漆と違う点としては、漆かぶれがなく、刷毛塗りの他、吹き付け塗装も可能である。

■柿渋

柿渋の主成分は高分子のタンニンで、まだ小さな青柿が原料。
未熟な渋柿の果実を粉砕、圧搾して得られた汁液を発酵させたもので、臭気を有する赤褐色半透明の液。
最近では臭気を取り除いた無臭タイプ(無臭柿渋カキタフ)も誕生している。
柿渋の色は基本的に茶系色で、他の色はない。そこで昔からべんがら、松煙などの顔料を混ぜて着色して使用された。顔料も鉱物系など天然のものでないと離反して使用できない。柿渋は天然素材でないと受け付けない性格がある。

タモ(柿渋+亜麻仁オイル仕上げ)
※塗装直後にはあまり色が出ませんが、2~3ヶ月後から色合いの変化が顕著になるという特徴があります。木自体の経年変化との相乗効果で、趣のある風合いが楽しめます。
なお、自然塗料を上塗りすることで、柿渋自体の定着と防水効果がより高まります。

■弁柄(紅殻 べんがら)

赤色顔料の一つ。酸化第二鉄を主要発色成分とする。産地であるインド北東部の地名ベンガルに因んでいる。着色力・隠蔽力が大きく、耐熱性・耐水性・耐光性・耐酸性・耐アルカリ性のいずれにも優れており、安価な上、無毒で人体にも安全なため非常に用途は多い。木材に塗る場合は、柿渋やエゴマ油に混ぜて塗る。

ナラ材
※ベンガラというと鮮やかな朱色(写真右)イメージが強いと思われますが、茶色(同中)や褐色(同左)などの種類があります。
※ベンガラの歴史は古く飛鳥時代にまで遡ります。その艶やかで美しい赤色に加えて、天然の防腐・防錆効果が得られることから、床や造作材、カウンターといった内装材の仕上げだけでなく、構造材に使用すれば耐久性を高めることもできます。
※尚、塗料自体は耐摩耗性が低いため、床や手に触れる場所に用いる際は、「拭き漆」やオイルフィニッシュを上塗りすることでベンガラの塗装面を保護、塗装の剥がれを防ぐことができます。

■松煙

樹脂含量の多い松(特に根元の部分)を不完全燃焼させてつくった煤(すす)を集めた炭素黒色顔料のことで、和墨の原料として知られている。
ベンガラや柿渋と混合して使用することで、色合いに奥行きを与えるとともに、防腐・防虫効果を高める役割も果たす。

松煙仕上げの施工例
※松煙は水に溶けにくいため、アルコール類に溶かしてから水で希釈して濃度を調整します。濃度を濃くすると、重厚感のある「古色」に仕上がり、薄くすると透明感のある黒色になって、木目を活かした仕上がりになります。仕上げにオイルフィニッシュを使用すると表面を保護し、色落ちを防ぐことができます。また、フローリングなど磨耗する可能性のある場所に使用する場合は、塗料の定着と表面保護のためウレタンコーティングを施すと良いでしょう。松煙仕上げには杉・ヒノキといった針葉樹や、広葉樹でもナラ・タモといった木目のはっきりしている環孔材が適しています。

※本日の内容は、株式会社マルホン ホームページに掲載されている写真や説明を参考に作成させていただきました。

★お知らせ★
このほど、ハチセ社長のブログが開設されました。
http://www.hachise.jp/nishimura/
ぜひ、こちらも合わせてご愛読ください。よろしくお願い致します。

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