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インテリアコーディネーターのブログ。
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1月23日 新景観政策をご存知ですか?

2007-01-23 | インテリア/建築
この春に施行されようとしている景観政策。
私たちが暮らす京都では、とても信じ難い内容が、私たちの知らない内に、可決されようとしています。
ちなみに、この景観政策。
中には是非とも実行していきたいと感じる内容もたくさんあります。特に色彩について勉強を重ねた私からすれば、色彩の基準に関しては、何ら問題なく、むしろこのような基準でもって「騒色」を阻止することができることは、進歩だと思います。
そのことは、平成18年12月19日付けの当ブログの中でも取り上げました。
平成18年12月19日 2007年インテリアトレンド大予測!

ところが、この景観政策。じっくり内容を確認してみると、とても無理のある内容。また、市民の生活を無視した、人に優しくない部分が多々見受けられます。
そこで今日は、そんな新景観政策について取り上げてみることにしました。

YAHOOの検索で「新景観政策」と入力すると一番にヒットしたのが国土交通省のサイトでした。

「景観ポータルサイトでは、国土交通省の美しい国づくりに関する情報を提供して・・・」

見飽きた、聞き飽きた、少々うんざりする決まり文句を見た瞬間、気持ちが萎えてしまったので、とりあえずそのサイトを飛ばして、次の順位でヒットしたサイトに入りました。

何件か見て、気持ちを静めた後、ようやく国交省のサイトを訪れてみました。
すると、やっとの思いで、再び登った崖のてっぺんから突き落とされるようなそんな気分になりました。

美しい国づくり政策大網

その様に題されたページをクリックすると「前文」として、「美しい」という言葉に象徴されるようなまさに「美しい」文章が並んでいました。

体力の余っている方は、上記にリンクを貼っているので、どうぞご覧になってください。
ものすごく疲れること間違いナシ。これで今夜もぐっすり眠れるハズ♪

と、最近次々に改正されていく「美しい」文章でごまかされた法律に疑問を感じている私は、少し皮肉めいた書き方をしてしまいましたが、施行されてしまえば、「知らなかった」では済まないのです。私たち一般市民には、何らかの影響がでてしまう。もちろん、「痛み」を伴わなければならない事柄もあるのかも知れませんが、その「痛み」は、私たちの未来にとって本当に必要な痛みなのでしょうか。

さて、京都の新しい景観法とは一体どのようなものなのでしょうか。
その一例を以下に挙げてみました。

① 道路に面して開放された空間となる駐車スペースを設けられない。
② 植栽基準として、300㎡(約90坪)未満の住宅は(敷地面積-実建築面積)の30%を植栽面積としなければならない。
例えば25坪の敷地で、建ぺい率60%の場合、3坪の植栽面積が必要。
③ 屋根は日本瓦、平板瓦(いぶし銀)、金属板(艶消しの濃い灰色又は黒)のみ許可されるため、洋風住宅のデザインでは建築することができない。

広い敷地を所有する人にとっては、あまり問題のないことかも知れません。しかし、ほとんどの人たちは、このような政策が通れば、快適な生活スペースを確保することができなくなってしまいます。
もうすでに住宅をお持ちの方。そんな方も関係ないわけではありません。
この景観法に沿わない住宅は「既存不適格建築物(=建築時は合法であったが、現在の規制では建てられない建物)」とされ、資産価値や銀行評価等が著しく低下するだけではなく、建て替えが困難になります。
詳しくは、下のサイトから新景観法の概要がご覧になれます。

京都の景観を考える会

このような不思議な改正が、不思議なスピードで可決されようとしている中、改正されようとしている景観法の内容を良く知る宅建業者や市民たちから成る様々なグループから、慎重な審議を求める意見広告が出されました。そして、上のようなサイトも開設されています。

昨日、私もこのサイトを訪れ、掲示板のコメントを拝見しました。
どうやら、趣旨に合わないコメントは削除されているようで、その全てを見ることはできませんでしたが、意見広告やそのサイトに対する否定的な考えの背景には、「不動産屋」という根強い印象の悪さを感じずにはいられませんでした。

真っ直ぐな意見であっても、真っ直ぐに見えないというか、裏があるのではないだろうか。と感じてしまう・・・。だから、不動産屋が反対しているということに対する否定から、切実な訴えが伝わり切らないのではないか。と。


そんな風に感じてしまうのは私だけでしょうか。


一度は否決された郵政民営化。私は政治家たちが、その制定に反対すればするほど、(何か裏があるのではないか。民営化されてしまうことで、彼らの利益が減るのではないか。)と考えてしまいました。
国民のためではなく、私欲のために反対しているとしか、感じることができませんでした。

今、「郵政民営化」が、本当に国民にとって必要だったのか、不安を感じています。
「障害者自立支援法」に代表されるように、美しい文章で飾られた冷たい法を「知らない」内に通してしまってはいけないと思います。

まずは、知ることからはじめませんか?

1月19日 書店行脚

2007-01-19 | インテリア/建築
足りない知識は、本で補う・・・。
安易だとは思うけれど、限られた時間の中でかたちにしていかなければならないとき、とりあえず本屋さんへ行ってみよう♪という流れになるのが、最近のパターンです。

そんな私の頭の中にある悩みの約半分を占めているのが、夏までには新しく改訂しようと考えている会社案内(パンフレット)。
というわけで、ここ最近に購入した書籍がこれ。

「プロとして恥ずかしくないレイアウト&配色の大原則」


実は、こういったデザインの基本となる書籍を購入するのは、4冊目になりました。昨年だけで3冊。どれも似たようなものですが、わずかな情報の差にどちらも欠かせないものになっています。
そして、読むほどに、深みにはまって行くというか、なんだか迷路の中を彷徨っているような状態になってしまっています(苦笑)。

それから、1/3程度を占めているのが、新しい新築住宅の仕様。
要するに、現在の私は、これら二つのことだけで基本的には頭がいっぱいで、ほかのことは、残された少ないアキの部分でなんとか処理されていると。いった感じです。
だから、ブログもすっかり遠ざかってしまいました・・・というのは全く都合の良い言い訳ですが、うっかりしていると月日はどんどん流れて行ってしまいますよね。

さて、実はこの新築の仕様。この話題は昨日に突然登場してきた私の頭の中にとって、最も新しい議題なわけですから、昨日のその瞬間までは会社案内のこと以外、考えていなかったと言っても過言ではありません。

そして、早速煮詰まった私は、仕事を終えると真っ直ぐに書店へ向かいました。
会社を出たのが19:00前でしたので、約1時間の間に3店舗まわりました。最後に訪れた店舗では、20:00の閉店に合わせて、早く帰って欲しい店員さんが閉店の案内をしながら歩き回っている姿を横目に、しつこく滞在しましたが、結局納得のいく書籍に出会えることはありませんでした。
今日も、チャレンジしてみるつもりです。

そこで気付いたのが、今更ではありますが、インテリアイメージを外枠だけで表現することは非常に難しいということ。
私が、表現する空間は、建売住宅。つまり、「不動産」としてある程度完成させる必要があります。ところが、住宅というものは「動産」=「家具やファブリックなどのインテリアを構成する様々なアイテム」が加わって初めて完成するものです。

通常、イメージをつくる時には、テーマに合わせた色から部材を選択していきます。
色には、全体的なイメージをつくるベースカラー(約70%)、配色全体のバランスをとるアソートカラー(約25%)、配色全体を引き締めたり、変化をつけるアクセントカラー(約5%)があります。
基本的に、ベースカラーは天井・壁・床、アソートカラーはカーテンなどのファブリック類、そしてアクセントカラーをクッションなどの小物類で表現してしまえば、簡単にわかりやすいイメージをつくることができます。

そこに、家具や照明などのかたちを加えてテーマを完成させていくというわけです。

私の場合は、「動産」に頼ることができませんから、本来、ベースカラーで表現する器の部分に、アソートカラーもアクセントカラーも取り入れ、枠でかたちを表現する必要があります。脇役を主役にしてしまう。いえ、もっといいますと脇役だけで全キャストを表現してしまう。ということかも知れません。
これはもしかすると、そのテーマをきちんと理解していないとチグハグな空間になりかねません。

今、そんなことを書きながら、その建物の方向づけを行っているのが正直なところ。
私を悩ませているテーマが何なのか、とりあえず着工までは企業秘密(笑)にしておきますが、書きながら、少し出口が見え始めた今日この頃です。

1月9日 こんな休日はいかがですか?

2007-01-09 | イベントレポート
テレビ画面に向かって、バットに見立てたリモコンを振る親子・・・
そんな姿に違和感を覚えた昨年の年末、1冊のパンフレットを頂きました。

INAXライブミュージアム NEWS LETTER

以前から愛知県にタイルミュージアムがあることは知っていましたが、初めてその概要を見て、その立派さに驚きました。
さらに、昨年10月、新たに「土・どろんこ館」などが加わり、体感・体験型の5つの館となったようです。私もいつか機会があれば、ぜひ、訪れてみたいなぁ。と思います。
そんな土・どろんこ館の一部をご紹介したいと思います。


外観



日干しれんがの壁
手作りのれんが一つ一つの個性を活かしつつ、自然な流れに見えるように、ゆるやかなカーブを描きながら2階ロフトに向かって積み上げられています。



小あがり
高さ30cm程の土間のたたきでできた「小あがり」では、寝転がってくつろげます。



階段下の秘密基地
階段下には、ビー玉を星座に見立てて配置した壁に、子ども3人が座れる、洗い出しのベンチが置かれた隠れ家的な空間があります。


  
常滑大壁
受付横から美しい曲線を描きながら大空間に広がっています。カーブと角のめりはりのある弧は、奥行を感じさせる、難易度の高い左官技術です。弧と弧の間の棒は、建築家フランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテルのクスラッチタイルに採用したものと同じ、知多半島・内海の土を使っています。
(説明文は、INAXパンフレットを引用)


バーチャルな世界ではなく、リアルな世界で、自然と触れ合える休日。スイッチ1つでリセットできない現実を楽しむことも、心や身体にとって大切なことではないでしょうか。
INAXライブミュージアム
〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130 TEL.0569-34-8282
  

1月6日 窓も10年保証

2007-01-06 | インテリア/建築
本日、1月6日より平常営業しております。
旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願い致します。

さて、新しい年が始まりましたが、みなさんはお正月をいかが過ごされましたでしょうか。
私は、年末からバタバタしており、慌しいままに新しい年を迎えました。
そして昨日、クリーニング屋さんに制服を取りに出かけたついでに、書店に立ち寄りました。

最近、私が習った歴史と現在教えられている歴史では、随分変わってきていることを知りました。
その変化の例をあげると、鎌倉幕府の成立が有名です。私が学生の頃は「1192年に成立した」。と習いましたが、現在の教科書では1185年。「1192(いいくに)つくろう鎌倉幕府」も「1185(いいはこ)」となってしまっているというわけです。
なんだか不思議でとても面白いと思いました。そしてまた、立証する人、その時代を生きた人が居ない現在、本当のことは何もわからないのかも知れません。

そこで、日本の歴史を改めて知りたいと考えた私は、三大将軍の中で一番好きな「織田信長」に関する書籍を購入することにしました。
真っ先に司馬遼太郎さんの作品が並ぶコーナーへと進み、ほんの数分で書店を後にしました。

自宅に帰り、書店の袋を開けると

・・・・・・
中には「太合記」と題された本が上下巻セットで二冊・・・。


行き場を失った豊臣秀吉に関する書籍が、とりあえず枕元に並ぶことになりました。
現実の世界では、この様な失敗をしないようにしようと、改めて感じた一日でした。

さて、2007年最初のテーマは保証です。
住宅は10年保証が当たり前になりましたが、ついに、窓にも10年の保証がつきました。

先日、会社のアドレスに「ハチセのリ・ストック住宅って何年もつの?」というようなメールが届きました。
新築住宅には10年の保証が義務付けられましたが、中古住宅の場合、法律で定められた保証期間(=瑕疵担保責任期間)は、たったの24ヶ月です。
ハチセのリ・ストック住宅の場合は、通常よりも6ヶ月長い30ヶ月を最低基準として、3年保証、5年保証などのバリエーションがありますが、それでも新築住宅に比べるとかなり短い保証期間です。
では、2年でその住宅は壊れてしまうのか。といいますと、決してそうではありません。
もちろん、新築住宅は10年保証がついていますが、10年で壊れるわけではありません。
使い方、メンテナンス次第で、何十年も暮らして頂くことができます。

そう。この「使い方・メンテナンス次第」というところが重要で、ここに差があるために、明確な耐久期間を提示することが難しいのです。

しかし、ご購入者様にとっては、「何年もつのか?」ということは重要な問題だと思います。ハチセではリ・ストック住宅に関して、公式な見解を早急にまとめるつもりですが、このような、耐久性、買い換え時などは、住宅に限らず様々な商品において気になるところだと思います。

そこで、ユニットバス・キッチン・洗面化粧台・便器といった水まわり設備についてメーカーに問い合わせてみました。
こちらも、答えに困っておられましたが、おおよそ10年から12年程度で買い替えるお客様が多いようです。アフターメンテナンスについては、INAXの場合、廃盤から6年間は部品が揃います。

10年というのが、一般的な商品にとっては、一つの区切りなのかも知れませんね。
そして、今日ご紹介したいのが、10年保証の付いた窓です。
YKKAP 「APW700」「APW500」

APW700は、日本の住宅に求められる機能を贅沢に盛り込み、閉めた時だけではなく、開けている時の性能も追い求めたフラッグシップ商品です。(YKKAP発行 メディアレポートより引用)


APW500は、室内から窓の枠が見えないフレームレスデザインが特徴で組み合わせのパターンや内装の仕上げでフレキシブルな室内空間を演出できる窓です。(YKKAP発行 メディアレポートより引用)

詳しくはこちらをご覧下さい。→ APW10年保証

この商品を見ていると、窓の役割が単純に光と風を取り入れる為だけのものではなく、インテリアとしてもエクステリアとしても重要な存在になっていることがわかります。
住宅にとって、重要なポジションを担う窓だからこそ、メーカーが10年間の保証をつけることができるほどの自信を持った商品が生まれたのかも知れません。