大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

「フランク・ブラングィン展」レクチャー&コンサート

2010-03-31 17:23:29 | 音楽
 今日は国立西洋美術館で、開催されている「フランク・ブラングィン展」を観てきました。正直に言うと知人のヴァイオリニストである瀬崎明日香さんが出演されてるレクチャー&コンサートに出席するために美術館に足を運んだと言ったほうが正確かもしれませんけど。エルガーの弦楽四重奏曲 ホ短調op.83を初めて聞いたのですが率直なところ、いろんな解釈ができる曲だな、という印象を受けました。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ奏者全員みな、エルガーのこの曲を知らなかったそうです。当然音楽について門外漢である僕はエルガーについてほとんど知識はありません……
 演奏会終了後チェロの奏者である金子鈴太郎さんが「エルガーの弦楽四重奏の曲はテーマがとてもわかりにくいけれども、曲の中に美しい瞬間がちりばめられている」という指摘をされていることに妙に納得しました。音楽を聴くときの基本的な姿勢として作曲家の目指すべき表現と哲学に思いを馳せながら、時代精神や歴史的な背景にも想像力を働かせることはとても大切だな、と演奏を聴きながら思考していました。激動の歴史の中で必然的に生みだされた曲ですね。機会があったらもう一度どこかで聴いてみたいと思います。

ミュージアム・コンサート

「フランク・ブラングィン展」レクチャー&コンサート

■会場
国立西洋美術館 講堂

■出演
弦楽四重奏
  第1ヴァイオリン:加藤えりな
  第2ヴァイオリン:瀬凬明日香
  ヴィオラ:鈴木康浩
  チェロ:金子鈴太郎

■講演
国立西洋美術館主任研究員 大屋美那

■曲目
エルガー:弦楽四重奏曲 ホ短調 op.83



瀬崎明日香さん

言い訳

2010-03-31 16:00:00 | 日記
成功し続ける人と成功しない人、あるいは一時的な成功しか手に入れられない人を分けるのは、自分の行動に責任が持てるかどうかだ。
「失敗」を成功に変えるより、「言い訳」を成功に変えるほうがずっとむずかしい。

マックスウェルの言葉 72

本を読んでも

2010-03-31 15:00:00 | 日記
本を読んだとしても、最悪の読者にだけはならないように。最悪の読者とは、略奪をくり返す兵士のような連中のことだ。
つまり彼らは、何かめぼしいものはないかと探す泥棒の眼で本のあちらこちらを適当に読み散らし、やがて本の中から自分につごうのいいもの、今の自分に使えるようなもの、役に立つ道具になりそうなものだけを取り出して盗むのだ。
そして、彼らが盗んだもののみ(彼らがなんとか理解できるものだけ)を、あたかもその本の中身のすべてであるというように大声で言ってはばからない。そのせいで、その本を結局はまったく別物のようにしてしまうばかりか、さらにはその本の全体と著者を汚してしまうのだ。

ニーチェ 『さまざまな意見と箴言』

救いの力

2010-03-31 14:00:00 | 日記
大きな救いの力は、自分自身の心にあるのです。
私たちの心には、
正しさに根ざした美しく力強い精神が息づいています。
そこから発信されている正しい考え、正しい行ないの先に、
自由な幸せは、いつでも、あなたを待っています。

ジェームズ・アレン

「運命を変える7つの学びのステージ」より


真理の論拠

2010-03-31 12:00:00 | 日記
これが真理だということを、情熱の熱さで測るな。情熱がより大きいからといって、それが真理だという証拠にはならない。しかし、そのように感じる人は少なくない。
また、歴史が長いから、伝統がどこよりも長いからということもまた、真理が真理であることの論拠には決してならない。そのようなことを強く主張する人は、場合によっては歴史を偽造したりすることがあるから要注意だ。

ニーチェ 『曙光』

ワディム・レーピン

2010-03-30 19:07:00 | 音楽
クリスティアン・ティーレマン指揮/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

ワディム・レーピンのウェブサイト

去年の暮れに、ロシアの神童と言われたワディム・レーピンが来日するということを知り、少し高額なチケットでしたが買い求めて、約三ヶ月とても楽しみに演奏会の日が来るのを待っていました。昨日の夜、サントリーホールでのクリスティアン・ティーレマン率いるミュンヘン・ フィルハーモニー管弦楽団 とワディム・レーピンのヴァイオリン演奏はとても心を揺さぶる素晴らしい内容でした。ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、とてもスケールが大きくパーフェクトな演奏技巧で音色の美しさと豊かな情感のこもった弾き方に感激しました。彼は今世紀トップクラスのヴァイオリニストですね。

指揮者のクリスティアン・ティーレマンのエネルギッシュで体全体でタクトを振る姿は、小さな蕾を花開かせるようなエレガントそのもので、とてもきれいでした。と同時に、情熱的で大胆なタクトの先には、楽団員一人一人へ、繊細な心からの信頼の力を送っているようにも見えました。クリスティアン・ティーレマンとミュンヘン・ フィルハーモニー管弦楽団員との深い信頼関係が、ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調 op.67 「運命」をサントリーホールの空間で、ほぼ完璧に昇華し、公演を大成功に導いたと思います。久しぶりに拍手の嵐が鳴り止まない演奏会を体感しました。


ワディム・レーピン氏

勉強はよく生きることの土台となる

2010-03-30 15:00:00 | 日記
たとえば、与えられた約束をよく理解して守り続けるためには、充分な理解力と記憶力が必要になる。この理解力と記憶力は、鍛錬されて獲得できる知性の一部だ。
相手に対して、あるいは遠くの誰かに対して同情を持ちうるためには、充分な想像力が必要となる。想像力もまた、知性の立派な一部だ。
こういうふうにして、人間的な倫理や道徳というものは、知性と強く結ばれている。そして、知識のない知性というものはありえない。
したがって、何の役にも立たなさそうに見える今の勉強ひとつでさえ、自分が人間としてよく生きていくことの土台となっていくと言えるのだ。

ニーチェ 『人間的な、あまりに人間的な』

現実を創る

2010-03-30 14:00:00 | 日記
人は、心に抱く思いに従って、
考える通りの人になります。

どのような思いで、どのように考えて生きるかが、
現実の世界のあなたを創ります。
あなたの人としてのレベルは、
自分の心以上でも、それ以下でのありません。

自分が思うように考えている世界で、
同じ成長の段階にいる仲間とつながり、
現実の出来事や状況を創っていくのです。

誰もが、成長する可能性を秘めて生きています。
あなたが生きる現実は、
あなたの成長にふさわしい世界です。
しかし、その世界に、生き続ける理由はありません。

自分を高める思い、
正しさと美しさを表す考えで、
あなたの生き方が変わっていけば、
それにふさわしい世界が、あなたを待っています。

今の自分を超えて、
今ある世界の見えない壁を崩して、
より高く、より広い世界で、
まだ知らずにいる素晴らしさを、
あなたは、体験することができるのです。

ジェームズ・アレン

「運命を変える7つの学びのステージ」より


視点を変える

2010-03-30 12:00:00 | 日記
何が善であり何が悪であるのか、人間としての倫理とはどういうものか、という定義は、その時代によって正反対になるほど異なっている。古代にあっては、伝統のしきたりや慣習から外れた自由なふるまいをすることは非行とみなされた。また、個人として行動すること、身分を超えた平等、予測がつかないこと、慣れていないこと、見通しの立たないことまでもが悪であった。古代人から見れば、現代ではまったくふつうとされている行動や考えの多くが悪なのだ。
視点を変えるとはこういうことだ。相手や状況を想像してみることだけが視点の変換ではない。古い時代の事柄を学ぶことも、視点を変えるのに大いに役立つのだ。

ニーチェ 『曙光』

最後

2010-03-30 11:00:00 | 日記
人間というものは、最後のどん詰まりになっても、一握りのしあわせにでも、しがみついて、生きていられるものなのです。
そのしあわせとは何か。それは、自分に出来る仕事があるということである。

宇野千代 21

『MOSHA』~ある修復家の展覧会~

2010-03-29 15:17:28 | 美術
 先日、いつも絵画の修復でお世話になっている土師広君から、ちょっと意外な展覧会の案内をいただきました。早速展示中と初日に、二度ほど展覧会場に足を運びました。とても素晴らしい模写の展覧会でした。正直「凄い!」と思いました。僕が昨年の夏にオランダのマウリッツハイス美術館で観たレンブラントの『トゥルプ博士の解剖学講義』を土師広君が綿密な調査と研究に基づいて模写した作品です。まず土師広君の徹底的なこだわりに尊敬の念を感じました。レンブラントが作品を制作していた当時とほぼ同じように、絵の具を手練りで制作したことに驚いたのですが、『トゥルプ博士の解剖学講義』という絵画はレンブラントが製作中に何回も書き直しをしていたことが研究の結果明らかになっているそうで、土師広君も同じように代表的な箇所を三カ所ほど書き直したということを聞いて、本当にびっくりしました。
 指導教官である木島さんは「黄金背景テンペラ画」の技法材料研究の世界的に権威のある方で、クリエイティブな仕事も、修復家としての職人的な仕事も、両方こなせる素晴らしい方だという印象を強く持ちました。今回の展覧会は、土師広君のディレクションによる展覧会だそうです。よろしければ是非展覧会場に足を運んでみてください。


『MOSHA』~ある修復家の展覧会~

2010年3月23日(火) - 4月3日(土) 11:00_19:00 日曜・祝日休廊 最終日は17:30まで営業
「MOSHA」

菅 亮平 / 土師 広 / 籾井 基充 / 渡辺 郁夫 / 木島 隆康


「本会場に展示されているきわめて精巧で魅力的な模写作品は、いずれも真作の科学的分析調査結果に基づいて描かれている。絵画の基本構造である支持体製作から始まる、地塗り層、絵具層の諸材料は、ほぼ科学的データから選択された材料と技法である。その点において、これまでの模写とは大きく異なり、迫真性のある、さらに完成度の高い仕上がりを得ている点に注目していただきたい。」
                                      東京藝術大学大学院 美術研究科 文化財保存学専攻 保存修復油画研究室
                                                               教授 木島隆康 

art deta bank(アートデータバンク)
104-0061 東京都中央区銀座7-10-8 第5太陽ビル1F tel: 03-3574-6771 
open 11:00_19:00  日・祝日 休廊

東京メトロ銀座駅A3出口より 徒歩5分        


          
                                                  右が土師広君

           
                                    レンブラントの『トゥルプ博士の解剖学講義』

本質を見分ける

2010-03-29 15:00:00 | 日記
鉱泉の出方はそれぞれだ。とうとうとあふれんばかりに湧き出る鉱泉。尽きることなく流れ出るもの。ぽたぽたと滴をしたたらせるもの。
鉱泉の価値を知らない人は、その水の量で豊かさを判断する。鉱泉の効用を熟知している人は、その泉の水ではないもの、含有成分で鉱泉のよしあしと質を判断する。
同じように、他の事柄に関しても、見かけの量の多さや圧倒的な迫力にまどわされてはならない。何が人間にとって意味と価値のある質であるのか。本質を見分ける眼を持つことがきわめてたいせつなのだ。

ニーチェ 『漂白者とその影』

歌舞伎座解体に思う

2010-03-29 14:31:07 | 能・歌舞伎
 昨日は久しぶりに歌舞伎を見てきました。坂東玉三郎さんの演じる巴御前は、とても艶やかな姿でした。衣装も豪華で玉三郎さんのこだわりを感じました。あと一ヶ月で歌舞伎座が解体消滅するのはとても残念を通り越して憤りを感じます。私の周りでは、歌舞伎座の解体について賛成する人は誰一人いません。たいがいの人は、「どうして壊すんだろうね?」と首をひねっています。国立劇場や新橋演舞場で歌舞伎をみても特別感動しないような気がするのは錯覚でしょうか。歌舞伎座で歌舞伎をみるというのは、『日本らしさ』の残っている建物の外観と会場の独特な雰囲気も含めて、『歌舞伎を楽しむ』ということではないのでしょうか。日本の重要文化財の消失と言っても過言ではないと思うのですが…。マスコミでも歌舞伎座の解体について、反対の意思表示が表面化していないように思うのですが、とても不思議です。高層タワーが作られ、その一角に新しい歌舞伎座が入居するそうですが、歌舞伎の人気は後退するような気がします。おろかな、経済功利主義者が愚行をくり返す日本の哀れな姿だと思います。歌舞伎役者の誰一人、歌舞伎座解体に反対の声を上げない、もしくは声を上げることを許さない歌舞伎界もお気の毒だと思いますが、日本人の貴重な財産が消えるんだな、と思うとすごく残念です。新しい建物は、大変高名な建築家の設計だそうですが、単なるお金儲けのくだらない人間として、きっと歴史に名を残すと思います。京都の南座でこれからは歌舞伎を見ようかな、と思っています。

御名残三月大歌舞伎