フトン de スイミング

　１学期の終わり頃、ケチャ（長男：小学５年）は「夏休みの水泳教室には絶対に行かない」とごねた。水泳は苦手なのだ。
　子供達が通う小学校の近くにはスイミングスクールがあって在校生のほとんどが通っている。クロール、平泳ぎ、背泳までは３年生ぐらいでマスターしてしまう。プチトマ（次男：小学３年）は１年生から通っているので、明らかに兄より上回っている。兄の威厳にもかかわるってことか。
　去年は「６級：泳法を問わず２５メートル泳げる」に何とか合格した。背泳ぎで。今年はひとつ上の級「５級：クロールか平泳ぎで２５メートル泳げる」に合格したいところ。絶対行かないと言い張るケチャに私も苛立ってくるが男の子で泳げないのもちょっとかっこ悪い。一緒に地域センターの温水プールに行って練習しようと思った。...が。まず私の着る水着がない。水着売り場を回ってみると今年の流行は三角ビキニ。自慢じゃぁないけれど私、おなかはＤカップぐらいあるけど胸はスカスカ。それにリゾート地ならまだしも、地域センターの室内プールでビキニはちょっと...。と思っていたらワンピースタイプのちょっといい感じの水着を見つけた。が、お値段がとっても感じ悪い。2万７千円。「息子の水泳コンプレックス解消のための水着＝プライスレス」なぁんて、どこかのカードのコマーシャルじゃああるまいし、そんな高い水着買えないわ、とすごすご帰ってきてしまった。
　う～ん、どうしよう！！！
　と、悩んで思いついたのが「フトンdeスイミング」。ただ単にフトンをプールに見立ててバタバタと練習するだけ。思うにクロールができないというのは、息つぎがうまくできない場合がほとんど（だと思うのですが）。
　「いい、１，２，３，４で顔を横に向けて息を吸うの。前に顔を上げちゃあダメなのよ。後ろの人に呼ばれて振り向く感じ、こうよ、こう。」と言って、フトンの上でバタバタと泳ぐ私。それを見てまねするケチャ。「いい、吸った空気は顔をつけている間、ためといちゃダメなの。１，２，３で水の中で吐いて、４でガーッと吸うの。こうよ、こう。」と、またまたフトンの上で泳ぐ私とまねするケチャ。
　でもそのおかけで、ケチャは本物のプールで実践してみたくなったらしく、夏休みの水泳教室にはすんなりと行った。そして私が家に帰った１番に「僕、結構クロールいけるかもしれない！検定頑張るよ！」とうれしそうに話してくれた。そして数日後、ケチャは見事に５級に合格した。やったね！！！それまでケチャはやってもみないで諦めることが多かった。自分でダメだと思うことはけして手を出さなかった。このことで、頑張ればできるんだという自信がついたに違いない。本当に良かった。お金もかからなかったし。
　次は「４級：クロール、平泳ぎともに２５メートル泳げる」かあ...。フトンdeスイミングはまだまだ続く...。