夢水清志郎の事件ノートシリーズ第8弾。マジシャンの建てたミステリー館にて、密室での消失事件を追う。2重の袋とじでテンション上がる感じの作品。トリックというか館のからくりというか、まあ凄まじいものだったが、動機の点でもうひとひねりあればよりテンション上がる感じになるのでしょうが、そもそも子供たちが危険な目にあうようなことでないの前提になっているはずなので仕方ないのかもしれません。それと今回、亜衣とレーチの上下段による構成の部分もキュンとくる感じが良いのでした。
とにかく楽しい本。個性的な登場人物たちが自由気ままに夜の街や古本市や大学祭の喧騒の中を動き回り、出会い、別れ、また出会う。恋愛小説とも言えるし、ファンタジーと言っても良い。何となく世界観は昭和っぽい感じだが、どうなのか。お気に入りの一冊となりました。