古典部シリーズ6作目は全体的に暗い内容の短編集。
「箱の中の欠落」は里志に関わる生徒会長選挙の不正のトリックの話。「鏡には映らない」は折木の中学卒業時の不可解な行動を伊原が解き明かすもの。「連峰は晴れているか」はアニメにも既出のもので、折木たちの中学時代の先生のこと。「わたしたちの伝説の一冊」は伊原の漫研に関わるひとつの決着。「長い休日」は折木の小学生時代のこの性格に至るまでの理由的な話。そして表題作でもある「いまさら翼といわれても」は「遠回りする雛」の続きと言ってもいいような千反田の悩みを描いた作品。どれもこれも奥深いものであったがあえて一つというなら「わたしたちの伝説の一冊」もっとも長く面白いと思いました。
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