個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

たとえ正しいことであったとしても

2020-03-25 12:53:06 | 不登校
おはようございます。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

みなさんは、学生時代、楽しんで学校に通っていましたか? 授業を受けることが楽しかったですか?

「楽しかった」と答える人にはそれぞれ理由があるでしょう。「友達と遊べる」「クラブが楽しい」これらが楽しい理由の上位にくるでしょうか。
こうした楽しみや拠り所がない子どもたちは、何を目標に、何をモチベーションとして学校生活を送っているのでしょうか。「学校に行くことは義務だから」「行かないと人生が終わってしまうから」そんなネガティヴな感情で通っている子どもはかなりの数いるのではないでしょうか。

学校という場所は、もちろんいい面もあるのですが、やっかいなところでもあるのです。たとえば、音楽で歌のテストがありますよね。私なんかは、人前で話すことすら当時は恥ずかしくてできなかったのに、歌を歌うなんてできるはずがない。でも歌を歌わないと音楽の内申点が下げられるから仕方なく歌いましたが、本当に嫌で嫌で前日の晩から不安で眠れないときもありました。「どうしてそんなことぐらいで?」と思われる方もいるでしょうか、当の本人にとっては大きな悩みなのです。

「そういった経験が社会にでたときに役立つんだよ」確かにそれはわかります。だからといって、私は成人してからも人前で話すことは苦手のままで、それが大学卒業後に「ひきこもった」大きな原因の1つとなったのは間違いありません。つまり人前で歌を歌わせられたり、発表させられたりしたことによって苦手が克服できたわけではないのです。逆にそれらがうまくいったことがなかったため、さらに自信をなくしコンプレックスになった気がします。大人になると、失敗することがあってもそれを受け入れることができ、もっと上達するためにどうすればよいのかを考えることができたり、そもそも失敗してもそれほど落ち込まなくなるのでそのうち慣れてきます。ですが10代の思春期真っ最中の子どもたちにとっては、1回や2回の失敗でその学校生活に大きく影響を及ぼすことだってあるんです。

繰り返しになりますが、学校で歌のテストや人前で発表させることをやめろと言っているのではなく、それらはおそらく子どもの成長にいい影響を与えるケースが多いでしょう。ただ絶対に正しいものだ!というのは少し私は怖く感じます。これまでの先生の経験だけで「これは絶対に正しいものだ!」という判断は危険なことのように思います。

たとえば、こんなこともありました。不登校になった生徒が頑張って学校に行きました。1ヵ月以上休んだ生徒が教室に入ることの恐怖を想像してみてください。クラスの同級生からは「何しに来たんや?」みたいな感じで見られ、ときにはわずかに耳に届くほどの小声で、悪口を言われているかもしれません。授業中、座っているだけでも不安でいっぱいの、そんなメンタルがかなり削られている状態の子がみんなの前で発表などできるでしょうか。先生は「この子はコミュニケーションに問題がある。このコミュニケーション能力を高めてあげれば毎日学校にこれるはずだ。そのためには話すことに慣れさせなくては!」という思いからでしょう。授業でも積極的に、この生徒を当てて答えさせ、意見を発表させました。不登校の間、勉強もできていなかったので、当然授業をうけてもほとんど答えられません。先生に当てられても答えられるはずもなく、いつも「わかりません」としか言えませんでした。そうすると、この子をイジッってくる子たちもでてきます。教室に入って授業を受けているだけでも大きなストレスになっているのに、それに追い打ちをかけるようなことをしているんですね。

甘やかすのではなく段階を経て、徐々にならせていくということが大切であって、いきなり高いハードルをつきつけられてしまったら、せっかく振り絞って出した勇気も消え失せ、二度と教室には入れなくなってしまいます。基本的には先生たちは不登校の子どもたちのことを心配しています。なんとか学校に来ることができるようにと、いろいろ考えたり試したりしてくださっていると思います。ですがその前に必要なものは、彼らがどうして不登校になったのかというその原因を知ること、あるいは知ろうとすること、彼らが毎日どういう気持ちで過ごしているのか、そして自分にとって正しいと思う行為であっても、それは正しくない場合もあるということを理解することが必要だと思います。マニュアル通りにいくことなんてほとんどありません。生徒1人1人に対して「そんな時間はない!」というのは、もっともなことですが、子どもたちの人生がかかっていることなんです。

学校側ができることは先生の人数や、しなければならない仕事を考えると今が限界かもしれません。先生も勉強を教えることはプロであっても、子どもたちの心のケアの専門家ではありません。ですから先生にすべてを押し付けるのではなく、学校にどんどん勉強を教えること以外の専門家を招いたり、ときには先生たちも講習を受けてもらって初歩的な知識だけでも持ってもらったり、あるいはどうしても学校に行くことができない子どもたちが通える場所をつくったり、そういったものが必要なのではないでしょうか。

私の塾でもすべてのことができるわけではなく、勉強を教えることが中心となりますが、「子どもたちにまだ絶望してほしくない。自分の将来に希望をもって進んでもらいたい」という思いをもって子どもたちに接しています。人生を諦めるには、まだ早すぎる子どもたちです。なんとか前向きな気持ちになってもらえるよう私なりにいろいろ考えて彼らと接しています。彼らの表情が少しずつ明るくなり、出てくる言葉もネガティヴなものからポジティブなものに変わっていくとき嬉しくて何ともいえない気持ちになります。

これからますます不登校で苦しむ子どもが増えていくと予想されています。もっと大胆な改革や変化を望んでいますし、私にも何かできることはないか考えていきたいと思います。今苦しんでいる不登校の子どもや、そのご両親。とても辛い状況でしょうが、きっと光は見えてきます。決してあきらめずに、変化が現れるときが必ず来ると信じてください!

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そんな簡単に受け入れることはできないだろうけど

2020-01-17 09:51:24 | 不登校
おはようございます。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

センター試験が近づき、いよいよ受験シーズンに突入です。大阪では私立高校の入試から始まりますので、中学生は私立の受験校が決めて本番に向けて毎日対策勉強に一生懸命です。受験校は決まってしまえば、あとは突っ走るのみですが、決定するまでは悩みますよね。

私の場合は、いつも書いていますように、とにかく中学校が大嫌いでした。何度も学校を休みたいと思ったこともありましたが内申点が下がってしまうと、目標とする高校に合格できなくなってしまうという不安から、なんとか休まずに通い続けました。もし私が当時、高い内申点が必要な進学校を目指していなかったら、学校を休むことは何度もあったでしょう。


高校に入学してからはまったく逆で、1年生の冬に「ドラクエⅢ」が発売されて、1日でも早くクリアしたい!と仮病を使って10日間ほどズル休みをした(笑)以外は学校を休みたいと思ったことはありませんでした。高校での成績はクラスでも最下位に沈み、授業はどの科目もまったくわかりませんでしたが、それによって周りからイジられて嫌な思いをするわけでもなく、それどころか逆に、中学時代のようにヤンキーたちに目をつけられないかとビクビクしなくてもよく(ヤンキーがいなかったので)、内申点のために先生に気に入られようとめんどくさいことをしなくてもよかったので、私にとってはかなり居心地のいい場所で自分をだせるところでした。


毎年この時期には中学3年生は進路を決めなければなりません。どの学校を受験するのか、専願にするのか併願にするのか、子どもたちは大きな決断をします。数ある学校の中から、何を重視して、どういった基準で選ぶのかを決めるだけでも大変なことです。何度も、何校も説明会に行き、たくさんの情報を集め、家族はもちろん学校や塾の先生と話をして決めていきます。

こういった決断は不登校の子たちにとっては別の意味で困難なものになります。まず不登校の子は内申点が低いです。それは出席日数が少なかったり、提出物を出していなかったり、テストを受けていなかったりするためです。まあ、当たり前と言えば当たり前なのですが、もう少し不登校の子でも公立高校を狙うことができる制度にならないものでしょうか。不登校になった原因がたとえば「いじめ」であった場合、「学校に行かずにサボっている者が悪い。受験できないのもしかたない」という考え方はあまりにも優しくないように思います。

原因が「いじめ」であろうがなかろうが、多くの不登校の子どもたちは「ただサボっている」のではないのです。本当は学校に行きたい、学校生活を楽しみたい、勉強も頑張りたい、そう思っている子はたくさんいます。それでも学校に行けないのです。ゲームをしたいから学校を休んでいるのではなく、学校に行くことができないので時間を持て余し、不安な気持ちを追い出すためにゲームの世界に逃げている子もいるのです。それは確かに「甘え」なのかもしれません。でもまだ10代の半ばの精神的にも幼い子どもなんです。弱くても当たり前ではないでしょうか、逃げることもあるのではないでしょうか。そんな苦しんでいる子どもたちの支えになることも大人の役目、教育関係者の仕事ではないでしょうか。

中学校で不登校になると、その後の選択の幅はかなり狭くなります。前述のように公立高校には進学できません。勉強面でもサポート機関がほとんどありませんので、学力も低い場合が多く、私立高校でも選べるような立場にはありません。だいたい学校の懇談でも「まあ、〇〇高校か△△高校のどちらかかなあ」という感じになってしまいます。

これからは通学区域の中学校が行きづらくなった場合、他の場所、たとえばフリースクールや他の中学校で学ぶことができるような方向に進んでいくとは思います。ですがそれにはもう少し時間もかかるでしょう。今現在苦しんでいる子どもたちは、サポート機関もなければ相談機関も少ないというのが現状です。

私のように暗黒の中学時代であっても、高校で思いっきり楽しめることもあるんです。小・中というのは同じ地区に住んでいる子どもたちが集まり、ずっと同じメンバーで固定された組織ですので、いったんドロップアウトすれば戻ってくるのは困難な場所です。ですが高校は違うのです。高校デビューという言葉があるように、これまでをリセットして、新たにスタートが切れる場所となりえるんです。だからこそ、みんなには諦めてほしくはないんです。「学校なんてどうせ…」「人生おもんないわ」そんなことまだ思ってほしくないんです。まだその経験をしていないから、そう言われても簡単には受け入れることはできないでしょうが、どうか希望を捨てずに、自分の未来に希望を持ってほしいのです。

もちろん他にしたいことがあれば高校は行く必要はありません。ただ心のどこかで高校に行きたいという気持ちが残っているのなら、頑張ろう!頑張って高校を目指そう!そのために勉強も頑張れ!学校に行かなくても勉強なんてできるんだ。ネットで講義を受けてもいいし、塾を探してもいい。強い気持ちがあれば絶対なんとかなるから。そして生活リズムの見直しも頑張れ!せっかく高校に合格しても、昼夜逆転の生活を長い期間続けていたり、外出をしていなかったら、いざ学校に通い出したら気持ち面よりも体力面でしんどくなって、学校に行けなくなる可能性もあるから。高校からもう一度やり直すんだ!という強い決意で臨んでほしい!

「こんな状態で高校になんて通えるかな」という不安はもちろんあるでしょう。でもその不安を乗り越え、1歩踏み出してみよう。もしかしたら、途中で高校に行けなくなり中退という形になるかもしれない。でもそれは、そんなたいしたことじゃないんだ。また次の道を探せばいいじゃないか。1歩踏み出すという経験が大切で、これは大きな力になるから。本人は不安でいっぱいでしょうから、親や学校の先生、塾の先生など周りの大人たちが彼らを一生懸命応援して守ってあげましょう。

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大縄跳びってしんどいですよね

2019-05-04 08:47:29 | 不登校
おはようございます。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

今年は10連休ということもあり、塾の授業をどうしようか悩みましたが、2日~5日を休みにさせていただきました。究極のインドア派ですので、どこに出かけるわけでもなく、ほぼ自宅にいることになるでしょうが、久しぶりに映画を何本か見て、土・日の競馬の予想に励もうと思っています(笑)

ですが、子どもたちは大変ですね。この連休中に春休みや冬休みと同じくらいの量の宿題を出されている子もいます。塾の先生をしている私が言ってはいけないかもしれませんが、GW中くらいはゆっくりさせてあげたいなあというのが本音ですね。

ところで、私は禁煙して4年半が経過しました。以前はかなりのヘビースモーカーで、多いときには1日に5箱、つまり100本ほど吸っていた時期もありました。そのタバコが原因で大学生のときに2回喉の手術をしました。病院の先生からは、すぐにタバコをやめるようにキツく言われましたが、1日は禁煙できても2日目からはすぐにタバコを吸ってしまうというダメダメな人間でした。

それからも何度も禁煙しようとチャレンジしましたが、以前にも書きましたように3日間の壁を破ることがなかなかできませんでした。

大縄跳びってありますよね。跳び続けるって、とってもしんどいですよね。あの中に入る瞬間、そして跳び続けている間、「いつまで跳び続けなあかんねん。早くだれか引っかかってくれー!もうしんどい!」

これと禁煙って似てるんです。「タバコを吸わない!」と決意したときが、大縄跳びに入る瞬間なんです。ただ、これが一生続くのかっと考えると怖くなるんです。何十年も吸ってきて、もはや大親友のようになってるタバコをもう一生吸えないんか、ここで永遠の別れになるんか、そう考えると勇気が出ないんですよね。「大縄跳びを一生跳び続けるなんて、できっこないわ」そんな弱い気持ちが襲ってくるんです。

でも、実は勇気を出して大縄跳びに入って跳び続けていると、いつの日にか大切なことに気付くんです。

「大縄跳びを跳び続けているのは、禁煙している今ではなくて、タバコを吸っていた時」なんだと。

タバコを吸っていたときは、生活がタバコに支配され、外出するときには財布や携帯よりもまずタバコとライターを持っているかの確認をし、外食するときもとにかく喫煙できる店をわざわざ探していました。どこに行っても最初にすることは喫煙所の確認であり、すべてがタバコ優先の毎日でした。タバコに支配されている生活でした。どっぷりとタバコという大縄跳びの中に必死で跳び続けているにもかかわらず、それに気づかずに、逆に禁煙することが大縄跳びを跳び続けることなんだという大きな勘違いをしていたため、体の調子もどんどん悪くなっているのがわかっていたのに、怖くてなかなか飛び込むことができませんでした。

それでも、体調の悪化が激しく「長生きしたい」という気持ちが何とか恐怖心を上回り、一生跳び続けることを覚悟して禁煙を始めてから1年が経過しようとしていたときに、ある変化が訪れました。「あれ?俺は今跳んでいないぞ」という感覚が現れ始めたのです。そこから意識が正常に戻っていったのでしょうか、大縄跳び地獄から解放されたことやタバコを吸っていた時期が大縄跳びを跳んでいたんだということにようやく気づき、洗脳というか思い込みから抜け出すことができました。

自分の体や気持ちが、何かに慣れてしまったとき、それをやめるというのは怖いものです。頭のどこかでは、やめないといけないとわかっていても、何か言い訳を考えてはそれを正当化しようとします。それは私の禁煙のときと同じように、やめることが大縄跳びに入ることだと錯覚してしまい、その恐怖心からくるというケースも多いのではないでしょうか。

不登校やひきこもりの子どもたちの中にも、同じような感覚の子はたくさんいます。不登校やひきこもりの時間が長くなればなるほど、1歩踏み出すことが怖くなります。決して今の状況に満足しているわけではないのですが、怖いのです。以前は当たり前のようにできていたことができなくなっている自分に自信が持てず、足が動かないのです。

いいんだよ。それが当たり前だし、だれだってそうなんだ。だれだって習慣をやめたり、環境を変えることって怖いんだよ。でも頑張って1歩踏み出してみよう。今すぐでなくていいから。

大縄跳びの回転の速度がハンパなく速く見えるだろう。入るタイミングを探すのは大変だろう。でも勇気を持って飛び込もう。ひっかかってもいいやん。跳び始めた直後は息も切れて、めちゃくちゃしんどいかもしれない。「もう無理だ」と思ったら1回大縄跳びの外に出ればいいんだ。何回だって入るチャンスはあるんだから。そして何回目かの挑戦で大縄跳びに入って、頑張って跳び続けているうちに、いつかきっと自分が跳んでいないことに気づくときがやってくる。それは必ずやってくる。すべての苦しんでいる子どもたちが、勇気を持って1歩踏み出すことができるように、私なりにできることをしていきたいと思っています。本人はもちろん、そのご家族も苦しいでしょうが、きっと笑顔で振り返られる日がやってきます。あきらめずに頑張ってください!

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試験中に何を考えてますか?

2019-02-26 10:45:52 | 不登校
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

私立高校受験も終わり、1、2年生は学年末テスト対策、3年生はいよいよ公立高校の受験の対策で、どの生徒もみんな頑張っています。私もみんなのパワーに圧倒されないように、ますます気合を入れて頑張っていこうと思っています。

私は2浪していますから、センター試験は3回受験しています。得点の高い順に並べると、1浪⇒2浪⇒現役という順番で、数学だけなら1浪⇒現役⇒2浪という順番になります。いちおう私は理系の大学に進学していますから、本来ならば数学で点を稼がなければなりません。ましてや、現役の時なんて、受験勉強とよべるような勉強をしていなかったので、それを下回るというのは相当悲惨だったわけです。当時通っていた予備校のクラスでも、数学の得点はダントツでビリでした。

数学の試験中は、「なぜ解けなんだ?なぜ何にも思いつかないんだ?」と時間だけが過ぎていき、「こんなはずじゃない!2浪して頑張ったのはこんな結果になるためなんかじゃない!」という焦りの気持ちでいっぱいになりました。今思い出しても、変な汗がでてきます。数学のテストの後、タバコを吸いながら「ああ、俺の2浪した頑張りも、これで終わってしまったな。はあ、3浪かあ」と落ち込んだのを覚えています。

センター試験ほどではないですが、公立高校の受験でも同じようなことを経験しました。30年以上も前のことですが、鮮明に覚えています。理科のテストでメダカの問題が出題されました。血液の流れの向きを答える問題でしたが、「あれ?どっちだったっけ?」と一瞬迷い、少し焦った途端に頭が真っ白になり、それ以降の問題がまったく解けなくなりました。理科で大きくコケてしまったのですが、私は内申点が良かったおかげでなんとか合格することができましたが、人生の中で高校受験時が一番勉強したと言えるほど自信を持って試験に臨んだにもかかわらず、こんなことになったのはとてもショックでした。これがトラウマになり、私は今でもメダカの問題が苦手で、得意の理科の中では唯一きちんと教えられない分野となってしまっています。何度やっても覚えられなくなっており正直見るのも嫌な問題です。生徒からの質問でメダカの質問されないかいつもヒヤヒヤしています(笑)

おそらく私は今でもそうですが、当時はもっとさらにメンタルが弱く、本番で力が発揮できないタイプだったのでしょう。こんな私ですから生徒たちに緊張しないコツや力を発揮する方法を教えてあげることができません。受験前にはえらそうに「高校受験なんて何回もできるものじゃないねんから、目一杯楽しんでこいよ〜!」などと言ってますが(笑)

私の生徒でこんな子がいました。この子は中学は不登校で私の塾に来てくれたのは3年生からでした。もともとの能力は高く、自主学習もしていたこともあり、十分に高校受験できる力はすでにありました。ただやはり、学校に行かずに、塾と家だけで勉強することは簡単なことではありません。ストレスを発散する場もそれほどなく、体を動かすことも多くはありませんので運動不足からの体調不良や、地元の知り合いに会わないかという不安とも戦いながら頑張って塾に来てくれていました。

順調に学力は伸びていきましたが、模擬テストを受験しに行くときには、「知り合いに会うのではないか」という不安に包まれ、なかなか試験にも集中できず、結果を出すことはできませんでした。学校のテストを受けていませんので、模擬テストだけが唯一、自分の学力を知る手がかりになるのですが、その模擬テストで良い結果がでないため自信を失うこともありました。

受験が近づいても、普段の塾での勉強では良くできるようになったのですが、模試では相変わらず良い結果が出ないままでした。何度も志望校を変更した方がいいのでは?という話が本人の口から出ましたが、私はこの子の本当の力がわかっていたので、「このままでいこう!」という判断でした。

持ってる力の7割でも出せれば必ず合格できるはず、なんとか当日その力を出させてあげたい、どうしたら力をださせてあげることができるのだろうか? 毎日そのことばかり考えましたが、いい方法が思いつかず、とにかくリラックスだけはさせることだけを意識して授業を進めていきました。

そして、いよいよ試験当日。私にはもう祈ることしかできませんでした。試験が終わってから初めての授業のとき、落ち込んだ顔で部屋に入ってきたらなんて声をかけようか? そんな心配をしていましたが、それは杞憂に終わりました。

「試験中、感動しててん!」思いもよらなかった言葉が、この子の口から出ました。

塾に入る前は、あんなにできなかった問題が、今はこんなにもスラスラ解けるようになぅてることに感動してん!問題解きながら、それが嬉しくてしかたなかった!

試験中にこんなことを考えることができるなんてすごいな!と思ったのと同時に、その言葉を聞いて本当に嬉しかったです。ちょっと泣きそうになりました。もちろん結果は合格でした。

生徒と一緒に勉強すること、生徒1人1人と真剣に向き合っていくこと、それは私にとっても、とても貴重な経験であり、大切な時間なのです。心から喜べることがたくさんありますし、生徒たちから逆に教えてもらえることが山のようにあります。

受験生のみんな! 公立受験までもう少し!ここが勝負だから、もう一踏ん張りして頑張っていこうぜ!

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待ち時間3時間でも助かった

2019-01-05 10:20:19 | 不登校
明けましておめでとうございます。
堺市西区上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。
今年もよろしくお願いします。

年末は30日まで授業があったのですが、30日の昼過ぎくらいから、どうも左目の調子がおかしくなりました。教室で生徒たちに勉強を教えている途中でしたので入るはずがないのですが、何かゴミが入ったような感じがして、かなり痛みも出てきました。なんとかゴミを取り除こうと、何度も水道で目を洗い、目薬もさしたのですが、まったく目の違和感がなくならない。

帰宅してからもずっと調子が悪く、目を洗ってもよくならないので寝ることにしました。「寝てる間にゴミが流れていくやろう」といつものように、適当で都合のいいように考えて(笑)寝たのですが、次の日目が覚めてもまったく良くなってなかったのです。それどころか、痛みも増しているし、さすがにヤバいと感じ病院に行こうと思いました。

ただその日は12月31日でしたので、ほとんどの病院が休みでした。大きい病院や救急センターに電話しても、「眼科はない」と言われ、「じゃあ、どこか今日受診できる病院わかりませんか?」と尋ねても「わからない」という返事がかえってくるだけ。ネットで検索して、片っ端から電話しても見つからない。大阪市内にようやく見つけましたが、目の状態が悪い中、車で行くには遠すぎました。そしてようやく1つ堺市内で受診できる眼科を見つけ、急いで向かいました。

病院に着くと信じられないような光景と出会いました。病院の中はもちろんのこと、入り口から外にかけて人であふれていたのです。ちょうど正月に福袋を買うために百貨店などの前でできている列のように。受付で申し込みをすると「最低3時間待ちです」と言われました。普段なら迷わず帰っていますが、この日ばかりは他に病院もなく、この目の状態のまま正月を迎えることはできなかったので、仕方なく3時間待つことにしました。携帯の充電も尽きてしまって、暇つぶしに何もすることがなくなった頃にようやく診察してもらえました。目にゴミが入っていたわけではなく、何かできものが瞼の裏にあったうようで、その場で切断してもらいました。とたんに、目の違和感がなくなり、目の充血も収まり、なんだか体まで元気になりました。長い時間待ったけれども、治療してもらえて本当によかったです。

この日、3時間待ちながらボーっと考えていたことは、やはり窓口は必要だなということです。大きい病院や公的機関に電話しても、どの病院が今日受診できるのかを教えてもらうことはできませんでした。私としては、今日中になんとか治療してもらいたい!と必死で探しましたが、とにかくどこに連絡していいのかわからない。ようやく見つけることができたからよかったものの、見つからなかったら眼の状態が悪化して、今頃冬期講習ができていなかったかもしれません。

不登校やひきこもりで悩んでおられる保護者の方も同じ気持ちでしょう。「相談したいけれども、どこに連絡したらいいのかわからない」「ネットで検索したらいくつか見つかるけれども、どんなサポートをしてくれるのか、料金はどれくらい必要なのか、細かい情報まではわからない」「自宅からは遠い場所ばかりで、もっと近くにないのだろうか」

私の塾に相談に来られた方は、みんな同じことを言います。すべての機関にホームページがあるわけでもなく、ネット検索では見つからないところもたくさんあります。私の知り合いのNPO代表の人が中心となって「ひきこもりMAP」というものを作成しました。これは大阪だけでなく、近畿にある「ひきこもりサポート機関」がどこにあるのか、どのような活動をしているのかを調べてMAPにしたものです。かなりの時間と労力が必要だったことは簡単に想像できます。MAPに載せる以上、いわゆる怪しい機関か信頼できる機関かを調べなければなりませんので、現地まで話をしに行き、そのうえでMAPに載せていきます。このMAPがもっと広まれば、相談者は今ほど困らずに、いろんな機関に相談しに行けるはずです。

不登校などの学童期の子どもの相談機関も同じようなものが必要です。不登校の人数や、学校に居づらさを感じている子どもの数に比べて、相談機関の数が少なすぎます。いや、もしかしたら本当はもっとあるのかもしれませんが、その存在が知られていません。この地域にはこれだけの機関があり、ここではこういうサポートをしてくれて、料金はこれぐらいでというのをある程度まとめて取り扱っている窓口が必要です。相談者はこの窓口に連絡さえすれば、多くの情報を得ることができ、そして自分たちに合った場所を選んでいくという仕組みにしなければなりません。そのためには、これはたとえば1つのNPO法人や民間団体だけでできるはずもなく、どうしても行政の力が必要になってきます。行政と民間が手を結び、情報を共有することでしか実現は不可能でしょう。乗り越えなければならない壁はいくつもあるでしょうが、苦しんでいる子どもたちや、その保護者の方々が増加する一方の現状を考えれば、壁をぶち破り、前に進んでいく努力が必要なのは明らかです。私もその力になっていきたいと思っています。

今年も、これまでのスタンスと同じく、気になったことや考えたことなどを私のペースで自由に書いていきたいと思っています。わけのわからない話や脱線することも多くあるかもしれませんが、読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします。

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