個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

どこまで自分を信じられるか

2020-07-03 20:33:47 | 教室から
こんばんは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

先日は前半最後の大一番、春のグランプリの宝塚記念がありました。「また競馬の話かい!」と怒られるかもしれませんがお許しください。

この宝塚記念というには、以前から私には相性のいいレースでした。なぜかという理由はいくつかありますが、それらを詳細に書いてしまうと2万字ほどになってしまうので、それはまたこのブログではなく、機会があればどこかでお話しようと思います(笑)
ですので簡単にいうと、宝塚記念の距離が主流の距離ではないということです。陸上競技でしたら、短距離は100m、200m、400mなど長距離は1万mなどありますよね。100mと400mでは詳しくはわかりませんが、練習方法や必要な能力も異なってくるとは思います。さらには100mと1万mなんて求められるものはずいぶんと異なるでしょう。

競馬も同様です。競馬では、1000m~3600mの距離でレースが行われますが、もちろん1200mで強い馬と3000mで強い馬はまったく異なります。ただ1つ言えることは、競馬の大きいレースというのは、1200m、1600m、2000m、2400mという距離が多く、すべての馬はこれらの距離のレースに強くなるように育成されます。特に2400mというのは大きいレースが多く、この2400mに強い馬が歴代の名馬にもなっているのです。しかし、この宝塚記念というのは2200mなんです。たった200mの違いと思われるかもしれませんが、この200mの差が大きいのです。2400mで圧倒的な強さを見せてた馬がこの宝塚記念では馬群に沈んでしまったなんてことはこれまで何度もあります。2000mや2400mの大舞台で力を出し切れなかった非主流の馬が宝塚記念で激走することがあるのです。だんだん熱くなってきました(笑)

私は長年の競馬研究のおかげでこのことを知っていますが、一般のライトな競馬ファンはそのことを知りませんので、いわゆる穴馬を見つけることができません。これまで主流の距離で強かった馬の馬券を買ってくれますので、私が狙うような穴馬のオッズはどんどん上がります。ですので予想以上の高配当をゲットしたこともあります。今年の宝塚記念もかなり自信がありました。当日のレースの3時間前にはだいたい自分の買う馬券も決定し、あとは直前の天気や馬場状態などをチェックして購入するだけでした。しかし、レースの1時間ほど前に何気なくネットの競馬情報を見ていると、たくさんの有名な予想家が私とは異なる予想をしていたのを目にしました。普段なら競馬新聞や他の予想家の意見などまったく気にしないのですが、なぜかこの日に限ってそれらがとても気になり、迷いに迷った挙句最初の予想を変更して購入してしまいました。結果はみなさんの予想通り、私が最初に買おうとしていた馬が激走し、私の馬券は外れました。かなりの高配当になったこともありさすがに落ち込んでしまいました。

私は自信のあるものや得意なものがそれほど多いわけではなく、その数少ないものの1つが競馬です。知識・経験・数学的思考、それらを駆使した独自の予想法に自信を持っています。そんな私であっても、こうしてときには他の誰かの意見、会ったこともない人の意見によって自信が揺らぎ、ぶれてしまうこともあるのです。

経験の少ない子どもたちではどうでしょうか?勉強においてもスポーツにおいても、これからの進路選択においても確固たる自信がある子の方が圧倒的に少ないですね。勉強だったら学校の先生や塾の先生、スポーツだったらクラブの顧問の先生や、コーチなど、それぞれの分野における指導者の意見に大きく左右されるでしょう。だから指導者の役割は大切なんです。間違ったことを教えたり、効果のない練習方法を教えたりしても、子どもはそれを信じます。指導者は正しいことだと信じて教えているのでしょうが、それが科学的な根拠や膨大なデータに基づくものではなく、ただ自分が生きてきただけの狭い範囲の中での判断で、さもそれが絶対に正しい、それ以外は認めん!という指導法は実はとても危険なのです。

「この仕事は安定するからこの道へ進め!」「数学が得意なんだから理系へ進め!」「1つでも偏差値の高い大学の方が就職が有利だから!」「不登校になってしまったら、どんなことでも逃げる人間になるぞ!」など。正しいかもしれませんが間違っているかもしれません。少なくとも1つの分野の社会でしか生きてきていない人間が、本人の気持ちを無視してまで強引に言うことではないように思います。知っている情報を伝えてあげることや相談に乗ってあげることは大切ですが、人生を左右するような決断を本人以外、ましてや家族でもない第三者が半ば脅しのような言葉で子どもに伝えるのはどうかと思います。

棋士の羽生善治九段は、以前インタビューでこう語っておられます。「プロ棋士だからといって、100手先まで読めないです。10手先でさえ読めないと思います。ですから、駒を動かすときに、いつも十分な自信を持っているわけではありません。ですが決断を下さなければなりません。おそらくこれが正しい手なんだと思う1手を指すのです。大切なのは決断を下す力なんです。」と。

対局中に誰かに相談できるわけでもなく、一人孤独な中で、信じられるものはこれまでの自分自身の経験と直感だけ。それをどれだけ信じて次の1手を指すのか、その決断力が大切だと答えられています。

「あの有名な人が言っているから」「東大生が言っているから」
今は情報が溢れている時代です。少し探してみると、知りたいことに関連する情報が次から次へと手に入ります。その中で何を選んでいくか、だれも先のことなんてはっきりとはわかりません。だからこそ自分にとっては本当に必要なことは何か、何をしなければならないかをよく考えなければならないのです。もちろん子どもたちには、そこまでの判断する力や決断力はないかもしれませんので、大人のサポートは必要になってきますが。子どもと一緒に考え、いろんな情報や意見はあくまでも参考にして、けっして振り回されず、他人がどう言おうとも、これが正しい道だ!と胸を張って歩いていけるものを探し決断してもらいたいと思っています。勇気と覚悟を持って決断するのです。

羽生善治九段はこうも言っています「幸運は勇敢な人に微笑む」と。

私も今週の競馬は、決して他の予想家に振り回されず、自らの経験と知識、そして直観を信じて馬券を買おうと思います。きっと運命が勇者に微笑んでくれるはずですから(^_^)/

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