昨年度、今よりも上手く聴き、上手く伝えるためにはどうすれば良いのかについて「聴く心髄・伝える心髄」という演題でご講演いただいた(講演の内容は本会ブログの8月26日に掲載されておりますhttp://outamamura-shakyou.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/08/26/ので、興味がある方はそちらもチェックしてみてください)、小木曽道子先生(カウンセラー、親学アドバイザー、公益財団法人・海外子女教育振興財団渡航前配偶者講座講師、外国語保持教室アドバイザー)をお招きして、生きる力をいかに支えるかについての勉強会を行いました。
以下に簡単ではありますが、勉強会で小木曽先生がお話してくださった内容をまとめます。
世界でも有数の豊かな国と言われている日本でも、自殺率が高い国の1つで、1998年から自殺者数が30,000人を超えて、現在も高止まりしています。直接的な原因は1人1人が違うのでしょうが、大別すると身体の病気や経済問題、恋愛問題、家庭内不和等が引き金となって、うつ病などの精神障害が発生(それ以外にも生物学的要因や家族歴、その人が持っている性格や環境による様々なストレス等が複合的に合わさって)⇒悲観的になる⇒希死(死ぬことを希望する)念慮⇒自殺念慮と、段階的に進行するそうです。
そして、自殺を選ぶ方の90%以上が、うつ病を始めアルコール依存や統合失調症などのこころの病に罹っています。ですから、そのような方に対して、我々一般の人が助けようと思っても助けになることが出来ずに、専門医の助けがどうしても必要になってきます。
しかし、日本人は精神科、心療内科へ通院するというと未だに抵抗があり、十分な精神科治療を受けていた人は10~20%程度という統計もあるそうです。これは非常にお国柄が出ており、カウンセリング等の先進国であるアメリカではもっと気軽に出かけています。
ですからここは私見ですが身体の具合が悪くなったら内科に行き、外傷がある場合には外科に行くように、心も病気になったらキチンと通院できる、そしてそれはちっとも恥ずかしいことだったり、引け目を感じるようなことではない、と一人一人が思えるような社会(社会というと大ごとかも知れないので、地域というように置き換えても良いかも知れません)になったら、もしかしたらもっと命を大切にすることが出来る人が増加するかも知れませんね。
人間は社会的動物と言われます。
会社でも家族でも部活でも趣味のサークルでもなんでもいいのですが、所属していることでの安心感を感じるというのは誰でも覚えがあるはずです。
余談ですが、金八先生が「人という字はお互いに支え合って出来ている」と言っていました。また出典は失念してしまいましたが、「人という字は一方の人をもう一方の人が支えて成り立っている。どう考えても左側の『ノ』の部分は右の部分に寄りかかっているもの」というものもありました。どちらも言っている事は逆でも、共通していることは人は人と関わり合って生きているということでしょうね。
このように人は他の人々と全く関係がなく、一人で生きていくことはできません。でもそれが何らかの原因で集団の中にいても孤独を、それも絶望的なまでの孤独を感じてしまうとそれが自分は生きている意味などない、自分はいなくてもいい、と思い込んでしまう。そうなると後は坂道を転げるように、自殺へと向かって行ってしまうこともあるそうです。
これまた私見になりますが、「孤独を感じさせない」ということは、我々社会福祉協議会が推進している地域福祉の中でも重要なポイント「地域の中で一人じゃない」というところに通じると思います。そして一人で暮らしている方で、閉じこもりがちでどこの集団にも属していないという方でも見守ってくれている人がいるよ、と当事者が感じる事が出来れば、そしてここに参加すると楽しいかもという場所を一緒に見つける、場合によっては創ることが出来るような社会福祉協議会でありたいと感じました。
今後、大玉村ボランティアサポートセンターでは今回小木曽先生から学ばせていただいたことを基にして、自分達にはどのようなことが出来るのかについて検討していきます。
一人一人が命の大切さを理解し、生きる力を持つことが出来る。
さらにはお互いに生きる力を支えることが出来る大玉村になるように皆で一緒に歩んでいきましょう。