すでに日焼けあとの皮膚も一部が剥がれはじめるほどの昔話となりましたが、8月14日から16日まで、3泊4日の加計呂麻キャンプに行ってまいりました。
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今年は、奄美大島では通例とされている旧盆(旧暦7月15日)が新暦(太陽暦)の8月15日と重なるため、現在の仕事先でも比較的休みが取り易いということもあって、
「なん年かぶりで加計呂麻に行こう!」と一人勝手に盛り上がっていたところに、Iターン仲間のN君が「どっか行きませんかぁ?」と連絡してくれたので、渡りに舟(事実、加計呂麻にはフェリーで行きます)と一緒に行くことになったのだ。
さて、今回の加計呂麻キャンプ、オレには心に秘した大きな目的があった。
それは、釣りである。
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思い起こせば2003年(平成15年)12月1日、時刻までは覚えていないが移住者として名瀬港に上陸した時より4年8ヶ月と2週間、決してマジメにやったとはどのような基準に照らしても言えないが、それでも20回くらいは釣りに行っただろう、その全て・トータル・総計の釣果は
ボウズであった。
なんにもなしのゼロの皆無だったのだ。
中でも口惜しいのは、一昨年の春の連休に、同じ加計呂麻同じ実久(さねく)の海で竿を出した時である。
午前中いっぱいを釣りに費やしたのだが、綺麗さっぱり、アタリもない(ちなみに、アタリ・コウスケが同じ頃に加計呂麻の南の方に来てたはずだ。そうか、アイツがいけないのか)。
売店のオヤジがわざわざ見に来て「ここで釣れないなんてことはありえん」とか言いやがって、それでも妙にくすんだ海の色を見て納得していたのだった。
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ここまで詳細に、微に入り細を穿った説明でかなり多くの人々にご理解いただけたのではないかと思うのだが、今回の加計呂麻キャンプは、移住5年目にして釣りというジャンルの総決算となるのだ。何か釣れれば。
もちろん、こんなことを人前で言うほどオレも阿呆ではない。
同行のN君に「あっ、釣竿だ」とか言われても「いやー、馬鹿みたいに荷物ばっかり増えちゃったね」とか空惚けていたことは言うまでもない。
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さて、新装開店したフェリー加計呂麻の専用岸壁から乗り込んだオレとN君は、さしたる出来事もないままに加計呂麻島瀬相港に到着する。
目指すは島の北端にある実久集落である。
先行するはオレのオフロードバイク・SUZUKI DR250R。
製造12年目を迎える、ド旧車・整備不良ではあるが、まともな直線は200mと続かない加計呂麻の道では、後ろを走るハーレーの1200ccのことを案じる必要はない。
それでもちょいちょいミラーを覗き込んでいたが、そのうち気付いた。
こちらのエンジン音とメットの風切音の隙間に、ハーレーのドコドコという音がしっかり聞こえるのだ。
たいしたもんだ、さすがハーレーと感心する。
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さて、到着初日は、オレは何もしない。
テントを立てて(天気が良く、風も弱いのでペグすら打たない)、あとはぼーっとしてビールを飲んでみたり、持参の三味線を弾いてみたり、すぐに飽きたり、またビールを飲んでみたり。
夕方、バス運転手の徳島勝郎兄が帰ってきたので、島唄の話をちょっとしたりでその日はシャワーを浴びて寝た。
翌日、用意していたナンに特製ピリ辛サラダを具にした朝食をしたためると、グズグズと後片付けをしてから釣りに行く。
若さ溢れるN君は、オレのナマケモノペースに付き合いきれず、とっくに海に入っている。
歩いても5分ほどの桟橋に単車で行くと、まずはドッグフードを餌にして釣りはじめる。
これで釣れたら儲けモノなんだが、いくら南洋ののんびりしたサカナさんたちでもイヌの餌には食欲がわかないと見えて突付くだけで喰いつく気配はない。
ナニ、これくらいは折込済みだよ。
近くの岩場でヤドカリを生け捕りにして釣針につけ、投じた次の瞬間、浮がするすると沈んでいく。
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のこのこと上がってきたのがこのカワハギ。
全長で10cm弱か。
それでも、一匹は一匹だ。
4年8ヶ月と2週間。
あまりに小さく、あまりに手応えがなさ過ぎて感動も何もないが、それでも、一匹は一匹だ。
記念写真を撮って、はいサヨウナラ。
その後、餌ばかり取られること数度。
それも次第に間隔があいてきて・・・。
水面近くを進む黒影が3つ。ダツだ。偵察専用ダツに違いない。
赤い、シャア専用ダツが見えたら気をつけろ。
なんて馬鹿を言っていたらとっくに昼を廻ったので、今日の釣りはこれでオシマイ。
昼メシを食べて、またぼけっとして、夕方6時のフェリーでN君は帰ります。
その夜は、熊本から来たという《椎名誠と怪しい探検隊》みたいなオッサンたち(何人かはオレより若いんか、失礼シマシタァ)とちょっと飲んでからテントに潜り込んで、暑苦しいな、眠れるかな、と思っていたら熟睡していた。
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翌朝は、前日の残り物で(真夏の南の島のキャンプでも、ちょっと工夫をすれば一度の調理で2食できるのだ。ナマケモノの智慧だね)済ませ、ヤドカリを捕獲すると桟橋へ。
すると今度も投げた、喰ったのタイミングでカワハギが上がる。
サイズは前日に釣ったのとほぼ一緒。
記念撮影は省略して、サヨウナラ。
何度かヤドカリを補給して、通り雨にも降られて、「結局チビのカワハギ2匹かよ」と思いはじめたところにやってきたのがエラブチ(ブダイ)の子供。
この桟橋からは、知識と腕がある人ならかなりの大物が狙えるのだが、オレ程度のヘタクソにとってはエラブチは最上級の獲物である。
ではあるのだが、子供じゃあねぇ・・・。
てことで記念撮影後にお別れ。
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さらにヤドカリを捕獲して、それでも投げるそばから餌を取られて、いい加減嫌になってるところにやってきたのがコイツ。
ネバリだ。
強烈な引きで、最初はテトラを釣ったかと思ったほど。
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ちょっと小ぶりだが、立派な食用サイズ。
とはいえ、コイツを調理できる道具と調味料は、今回は持参していない。
記念撮影をしてお別れとなりました。
連続ボウズ記録も止めたことだし、久しぶりのキャンプで準備がボロボロだしで、あと1日の余裕は別のことに使うことにして、午後のフェリーで帰ります。
ナニ? タイトルに偽り有りだ?
だから何度も言ってんじゃん、4年8ヶ月と2週間て。
オレにとってはこれでじゅうぶん爆釣なの!
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ところで、このトリのこと、知ってる人がいたら教えてください。
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今年は、奄美大島では通例とされている旧盆(旧暦7月15日)が新暦(太陽暦)の8月15日と重なるため、現在の仕事先でも比較的休みが取り易いということもあって、
「なん年かぶりで加計呂麻に行こう!」と一人勝手に盛り上がっていたところに、Iターン仲間のN君が「どっか行きませんかぁ?」と連絡してくれたので、渡りに舟(事実、加計呂麻にはフェリーで行きます)と一緒に行くことになったのだ。
さて、今回の加計呂麻キャンプ、オレには心に秘した大きな目的があった。
それは、釣りである。
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思い起こせば2003年(平成15年)12月1日、時刻までは覚えていないが移住者として名瀬港に上陸した時より4年8ヶ月と2週間、決してマジメにやったとはどのような基準に照らしても言えないが、それでも20回くらいは釣りに行っただろう、その全て・トータル・総計の釣果は
ボウズであった。
なんにもなしのゼロの皆無だったのだ。
中でも口惜しいのは、一昨年の春の連休に、同じ加計呂麻同じ実久(さねく)の海で竿を出した時である。
午前中いっぱいを釣りに費やしたのだが、綺麗さっぱり、アタリもない(ちなみに、アタリ・コウスケが同じ頃に加計呂麻の南の方に来てたはずだ。そうか、アイツがいけないのか)。
売店のオヤジがわざわざ見に来て「ここで釣れないなんてことはありえん」とか言いやがって、それでも妙にくすんだ海の色を見て納得していたのだった。
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ここまで詳細に、微に入り細を穿った説明でかなり多くの人々にご理解いただけたのではないかと思うのだが、今回の加計呂麻キャンプは、移住5年目にして釣りというジャンルの総決算となるのだ。何か釣れれば。
もちろん、こんなことを人前で言うほどオレも阿呆ではない。
同行のN君に「あっ、釣竿だ」とか言われても「いやー、馬鹿みたいに荷物ばっかり増えちゃったね」とか空惚けていたことは言うまでもない。
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さて、新装開店したフェリー加計呂麻の専用岸壁から乗り込んだオレとN君は、さしたる出来事もないままに加計呂麻島瀬相港に到着する。
目指すは島の北端にある実久集落である。
先行するはオレのオフロードバイク・SUZUKI DR250R。
製造12年目を迎える、ド旧車・整備不良ではあるが、まともな直線は200mと続かない加計呂麻の道では、後ろを走るハーレーの1200ccのことを案じる必要はない。
それでもちょいちょいミラーを覗き込んでいたが、そのうち気付いた。
こちらのエンジン音とメットの風切音の隙間に、ハーレーのドコドコという音がしっかり聞こえるのだ。
たいしたもんだ、さすがハーレーと感心する。
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さて、到着初日は、オレは何もしない。
テントを立てて(天気が良く、風も弱いのでペグすら打たない)、あとはぼーっとしてビールを飲んでみたり、持参の三味線を弾いてみたり、すぐに飽きたり、またビールを飲んでみたり。
夕方、バス運転手の徳島勝郎兄が帰ってきたので、島唄の話をちょっとしたりでその日はシャワーを浴びて寝た。
翌日、用意していたナンに特製ピリ辛サラダを具にした朝食をしたためると、グズグズと後片付けをしてから釣りに行く。
若さ溢れるN君は、オレのナマケモノペースに付き合いきれず、とっくに海に入っている。
歩いても5分ほどの桟橋に単車で行くと、まずはドッグフードを餌にして釣りはじめる。
これで釣れたら儲けモノなんだが、いくら南洋ののんびりしたサカナさんたちでもイヌの餌には食欲がわかないと見えて突付くだけで喰いつく気配はない。
ナニ、これくらいは折込済みだよ。
近くの岩場でヤドカリを生け捕りにして釣針につけ、投じた次の瞬間、浮がするすると沈んでいく。
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のこのこと上がってきたのがこのカワハギ。
全長で10cm弱か。
それでも、一匹は一匹だ。
4年8ヶ月と2週間。
あまりに小さく、あまりに手応えがなさ過ぎて感動も何もないが、それでも、一匹は一匹だ。
記念写真を撮って、はいサヨウナラ。
その後、餌ばかり取られること数度。
それも次第に間隔があいてきて・・・。
水面近くを進む黒影が3つ。ダツだ。偵察専用ダツに違いない。
赤い、シャア専用ダツが見えたら気をつけろ。
なんて馬鹿を言っていたらとっくに昼を廻ったので、今日の釣りはこれでオシマイ。
昼メシを食べて、またぼけっとして、夕方6時のフェリーでN君は帰ります。
その夜は、熊本から来たという《椎名誠と怪しい探検隊》みたいなオッサンたち(何人かはオレより若いんか、失礼シマシタァ)とちょっと飲んでからテントに潜り込んで、暑苦しいな、眠れるかな、と思っていたら熟睡していた。
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翌朝は、前日の残り物で(真夏の南の島のキャンプでも、ちょっと工夫をすれば一度の調理で2食できるのだ。ナマケモノの智慧だね)済ませ、ヤドカリを捕獲すると桟橋へ。
すると今度も投げた、喰ったのタイミングでカワハギが上がる。
サイズは前日に釣ったのとほぼ一緒。
記念撮影は省略して、サヨウナラ。
何度かヤドカリを補給して、通り雨にも降られて、「結局チビのカワハギ2匹かよ」と思いはじめたところにやってきたのがエラブチ(ブダイ)の子供。
この桟橋からは、知識と腕がある人ならかなりの大物が狙えるのだが、オレ程度のヘタクソにとってはエラブチは最上級の獲物である。
ではあるのだが、子供じゃあねぇ・・・。
てことで記念撮影後にお別れ。
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さらにヤドカリを捕獲して、それでも投げるそばから餌を取られて、いい加減嫌になってるところにやってきたのがコイツ。
ネバリだ。
強烈な引きで、最初はテトラを釣ったかと思ったほど。
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ちょっと小ぶりだが、立派な食用サイズ。
とはいえ、コイツを調理できる道具と調味料は、今回は持参していない。
記念撮影をしてお別れとなりました。
連続ボウズ記録も止めたことだし、久しぶりのキャンプで準備がボロボロだしで、あと1日の余裕は別のことに使うことにして、午後のフェリーで帰ります。
ナニ? タイトルに偽り有りだ?
だから何度も言ってんじゃん、4年8ヶ月と2週間て。
オレにとってはこれでじゅうぶん爆釣なの!
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ところで、このトリのこと、知ってる人がいたら教えてください。
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この夏、息子といった釣りの回数3回、
その間釣れたのは全てハオコゼ、ゴンズイ等
体のどこかに毒を持つ魚のみの俺から比べれば
南の海はうらやましい限りです。
釣り方よりも魚から針をペンチではずす方法
のみ上達した2008年の夏でした。
おめでとうございます。
しかし、4年8ヶ月と2週間の期間に渡って坊主を続けることは、むしろ、そのほうが難しいような・・・。
その記録をどこまで延ばせるか、にチャレンジしてもよかったような。坊主記録を延ばして延ばして、いずれ仏門に入るのも一興かと。
あぁ、奄美のおさかなさんがなつかしいです。
今度、奄美に行ったら、釣り、ご一緒しましょう。
残り物のうどんや竹輪を餌にしたり、
いくら南の島でも釣れないヨ。
今後は、オキアミとか、マジメな餌を使って釣るつもりです。
でも、釣った後、
魚を下す練習もしなくちゃ。
食べてこそ釣り。
「キャッチ・アンド・塩焼き」が釣りの原則だと
改めて思った加計呂麻行でした。