尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

夜の川

2010年04月08日 22時23分03秒 | 詩の習作
日暮れ時
私たちは肩を寄せ合い
かならず三十分寝るのである
それは死によく似た
夜の川であった

眠りから覚めて
通りを歩くとき
まだ日没後の薄明かりが
西の空にあっても
それは朝の知らせであった

夜の川を
白い腕を翼にして渡ったのである

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まばゆい朝、ヒットラー総督のように

2010年04月08日 01時30分22秒 | 詩の習作
生まれるということよりも
決定的なことは
死ぬことではなくて
愛してしまうことだ
愛することは…
それがなくては自分の生も死も
問題にはならないからだ

天窓からもれてくる
まばゆい朝に目を覚ましながら
つまり
自分のなかの運命が目を覚ましたのだと
自分に説明をした
ヒットラー総督のように
片手を振りかざしながら

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛翔

2010年04月08日 01時21分06秒 | 詩の習作
絶対に真似をしてはいけません
と、断った上で書きます…

これは夢だと知った上で
僕は夢のなかで夢の外に出たくて
高いところから
何度も身投げした
その度に僕は死ねずに
ツバメ返しのように飛翔するのだ

生活を続ける一方で
僕は飛び続けていると思う


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

写真「夢の花」

2010年04月08日 00時52分59秒 | フォトポエム
人の夢を見なくなった
そのかわり
淡い花の夢を見ることがある

たいていは白と桃色の草の花である
人ではないので
歯磨きの鏡の中で思いだしても悲しくはないが
彼女が現実ではなく夢であることが
分かったようで分からなく
少しだけ胸が痛むのだ

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする