尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

詩「顔は庭である」

2011年07月12日 23時50分56秒 | 新詩集

庭園はは顔を真似したのであろう
顔はしげしげ眺めるほどに
庭である
花が咲き蝶が舞い
鯉が泳ぐ池だってある
月が昇る築山だってある
雲の影だって通り過ぎる
稲光が走り雹だって降るさ

なるほど
どの顔も庭である
荒れ放題というわけではない
手入れもある程度されているだろう
しかし真ん中の家がない
主がいないのだ
主がいない同士退屈で
キスなどをする

狂ったように突然
笑もする泣きもする
しかしやっぱり真顔に戻ってはものを喰う
さびしい庭である

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写真「ハス」

2011年07月12日 23時41分03秒 | 新詩集

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詩・決定版「しゃぼん玉」

2011年07月12日 08時30分56秒 | 新詩集
しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉は思い出の気球
翼はないけど
屋根をこえ川をこえ街をこえ
しゃぼん玉は時さえこえて

しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉のなかには 
いつも君がいる 僕がいる
あの日と同じように 笑いながら
しゃぼん玉は季節をわたる

しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉は壊れても大丈夫
丸い虹を見ただけ
淋しいけれど空から見ると
わたしの庭にわたしが待っている

しゃぼん玉 しゃぼん玉
しゃぼん玉は息のカタチ
約束しよう約束しよう 
いつもいるよ 君のなかに
時を旅する気球に乗って

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