今日は旧HPに掲載していた書き物の一篇を移植しようと思う(微笑)ん~、文体は書き直すかな…(微笑)って事で→→『霊峰富士』をちょっと長いけどお読み下さいませ(微笑)
あれは今から●0年以上の昔の話…。高校生くらいだったかなぁ??今では記憶がやや曖昧になっちゃってるけど…(苦笑)中学時代の近所に住む友達とその弟の3人で、富士山の麓の本栖湖のキャンプ場へ行った時の話…。昼間はテントを張ってから、普通に湖の水と戯れたり石を蹴って遊んで過ごしたんだったかな??…、夕飯は定番のカレーを作って食べて、暗くなったらテントの中でトランプをしたりしていたと思う。そして…、心霊的なモノに興味を持っていた我らは、自然と怖い話/体験、霊の話をしだし…、車の免許を取ったばかりの友人が夜中にドライブしようと言い出して、恐い物見たさもあって夜も更けた頃に本栖湖のキャンプ場を出発して、富士山の河口湖側の五合目に向かったのだった。
青木ケ原の樹海は電灯はほとんどなくて真っ暗で、対向車も滅多に通らないほどシーンと静まり返っていて不気味さが漂っていた。くねくねと続く山間の道路、緑の闇、電灯すらほとんど無い。最初はバカ話をしていたけどだんだん無口になるlevieと友人とその弟の3人で…、たま~にポッと現れる信号が妙な安堵感をくれた(爆)
そして・・・、下り坂の直進の先に信号が見えた時、運転していた友人が“アレっ??”と一声呟くとしばし黙ってハンドルを握り…。levieと友人の弟も真っ暗な外をぼんやり眺めながら無口になっていた。その信号を通り過ぎて曲がりくねった道をどれだけ進んだ時だったかは覚えてないけど、友人が前を見て運転しながら…“こんなとこに民家なんか無いよなぁ”・・・っと言い、続いて…“ついさっきの信号のトコにさぁ、女の子と男の子の姉弟いたよねぇ、あれは何だったんだろう??”…っと言った。levieは…“はっ??寝ぼけてる??”…、友人の弟は…“いるわけがねぇじゃん”…と答えたけど、levieと友人の弟は顏を見合わせて不気味な気分に少し怖くなってまた無口になったのだった。levieも友人の弟も何も見てなくて、友人だけがはっきりと…防空頭巾を被った姉弟らしき二人…を見ていたのだった。
でもそこは・・・真夜中の青木ケ原樹海・・・、民家など絶対有り得ない場所・・・。“こえ~っ”。
しばらくは無口な3人だったけど、ポツポツと灯や民家が目に入るようになって、河口湖の近くに来る頃には安堵して再びバカ話に興じるようになっていた(微笑)←震える気持ちが薄らいだ→さすがに明かりや家が増えると気分が違うし(爆)しか~し、富士スバルラインに入るとまた明かりがなくなって、でも…“五合目で何食う”“店やってんのか??”…みたいな話を繋げて明るく振舞おうとしていた感じだったかなぁ??…。暗闇のスバルラインは次第に急勾配の上り坂になっていき、対向車はまるで無しになると少しづつ無口になっていき、気持ちの中に怖さが浮かんでくるようだったかな…。
4合目を越えると目的地の5合目はもうすぐ!って事で、少しばかりホッとしてきた俺らだったな。その時に車は急勾配の坂道で、右は断崖絶壁でやや長めの直進上り…。眼下には黒い森が広がっていて、そのずっと先に街の明かりが少し見えて、空には星が煌めいていた。そのコントラストが幻想的でとても奇麗だなぁって思っていたら、ㇷとlevieが前方を見ると人影が見えた。ん??、一瞬目を疑って目をパチクリしてみたけど明らかに人影で・・・。
でも真夜中だしスバルラインだよ、ここ…。しかも3人横並で歩いている。夜中に登山??そんな馬鹿な…、ここって歩いていいのか??、余りにも不自然だなと思いつつも、levieは無言で近づいてくる人影を凝視し続けていると…、前方の暗闇に潜んでいるかのような人影を、乗っていた車のライトが捉えて照らすと徐々に輪郭がはっきりしてきて、3人とも同じ格好でリュックを背負って帽子を被っているのがはっきりと見えた。そして数mに迫った時にlevieはまた目を疑った!?…。何と全身泥まみれでなのか??土が乾いたような黄土色の上下の服装にリュック、他には肩から小さいポシェットと水筒を下げているのをハッキリと見た。
なんと!?戦時中の復員兵か民間人??っと言う格好の3人の男だった。対向車側の1車線の崖側を、横並びで無言でただ歩いて登っている3人の男・・・。levieは妙に冷静に見つめ続けていた。友人の車が今にも近づき追い越す時、車のライトが歩いている3人の男を明るく照らすとともに、より鮮明に復員兵のかっこうが見て取れたんだけど、ライトに吸い込まれるように、暗闇に紛れるようにして、車が並びかけた時に3人は薄れて消えていった。levieはすぐに後ろを振り返って確かめようとしたけれど…、遠く下の方に5合目を目指す車のライトがちらちら見えるだけで、人影は全く無かった。
…“今の見た??”…、levieはちょっと興奮したような口調で友人と弟に今見た事を話しすと、…“目の錯覚なんじゃないの??こんなトコに人がいるわけないし”…と友人の弟が言い、少し間を空けて…“見てないけど~じゃぁ俺がさっき樹海で見た姉弟も本物かなぁ”…と友人が言いい、…“うひゃぁ~なんかゾクゾクしてきたぁ”…と友人の弟はちょっと興奮気味に…(爆)
5合目の駐車場は結構な数の車が停まっていて、人も結構いたように思う。売店も一部は開いてて缶ジュース飲んで一息ついて・・・、明るくて人がいる事に安堵していた我らだったと思う。5合目には30分程しかいなかったと思うけど、霊感がちょっと強い??友人の弟だけがまだ何も見ていず…、ん~敏感と言う方があってるかな。それがその後に彼だけが恐怖におののくスバルライン下り坂となった。
本栖湖までの帰りのドライブはその弟が運転すると言い出して、友人はちょっと心配そうだったけど、安全運転で行けよ、と念を押して替わった。最初は普通に安全運転で下りを走行していたけど、途中から何かそわそわしだして運転が荒っぽくなって、急な下り坂のカーブを猛スピードでブレーキをあまり踏まずに暴走しだしたのだった。←事故りそうな勢いだったかも→…“うおっ危ねぇなぁ~運転替わるから適当なトコで止まれ”…っと友人が言っても、弟は…“何かがずっと追いかけてくるんだよ~”…っと、青ざめた顔で冷や汗かいてハンドルを握りしめ、何かから逃げる為に??スピードを緩めずに下り続けたのだった。…“白い服を着た女”“羽衣みたいな格好”…、急カーブごとにポツリと言い…“うわぁ~まだ追って来る~”…っと言い続けていた。
自分と友人は何にも見えないので、迫ってくる霊??の恐怖よりも、事故るんじゃないかという心配ばかりだったな。4合目から3合目にかけてはジェットコースターに乗っているかのように、カーブの度に身体が大きく揺れて傾いたから、ホントに気が気じゃなかったんだろうと思う。あまりにも運転が荒いから…“交代するから止めろよ”…と友人が言っても、…“駄目駄目こんなとこじゃ、それにそんな余裕はないし、早く逃げないとヤバい”…っと、とにかく逃げる事しか考えていなかった友人の弟だった。
勾配が緩やかになってからやっと運転が大人しくなり、青ざめていた表情に明るさが戻った友人の弟曰く、…“最初に何かに体当たりされたか、車が何かにぶつかったんだ”…と言ってた。それで怒って何かが空を飛んで追いかけてきた、それが“白い衣装の女”だったそうで、何分間かは車スレスレに平行して飛びながらじっとこちらを恐い形相で睨んでいたそうで…。やや勾配が緩くなって、次第に長い直進になってから、だんだんと女は後退して去ったそうだ。運転を交代してもらってから見せられた友人の弟の手は汗でぐっしょりだった。ホッとしたとは言え、まだ恐怖に震えているようだったのを覚えてる。
富士スバルラインの出口付近で運転手は再び友人に替わって、青木ケ原の樹海の先の本栖湖に向かって再び車が走る。だんだん民家が少なくなって再び真っ黒な緑の闇と静寂の中、お互いに体験した事を語りながらの帰り道だったけど、とにかく早くテントに戻って寝袋に潜り込みたかったその夜…(苦笑)話しているうちに、果たして現実の事だったのか??と考えもしたなぁ。ん~少なくてもlevieは確かに見たし、友人の弟も尋常ではなかったし、友人が見たと言う防空頭巾の姉弟も否定は出来ないと思った…あの日のあの夜…。3人とも別のモノを見た事が本当だとして、なぜ他の2人には全く見えなかったのは謎だけど…。
戦時中と戦後の、青木ヶ原の樹海、富士山周辺がどんな事になっていたのかは知らないし、知る由もないけど、3人が見たモノは違うけど、…霊だったに違いない…、と今でも思っている。
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