今から20年以上前になりますが、
中原中也賞をアメリカ人の方が受賞したと聞いて驚いたことがあります。
(卒業後から日本にお住まいとはいえ・・・)
訳詞でなく日本語で書かれた詩集、日本で生まれた方でもなく
アメリカでの大学生活のとき、日本に興味をもって云々・・・。
驚いて・・もちろん読みました。
以来何冊も。
アメリカと日本が体の中で半分半分になったら、
国とか言葉とか肌の色とか、そういうのはずっと通り越して
すべてみんな、人も動物も植物も・・・
生きているもの、みんな同じ・・・になるんだなぁ・・・
そんなふうに感じました。
そのビナード氏の名前を見たのは今年の春のこと。
ここでもご紹介してますがジャズピアニストの塚本美樹さん、
彼女がビナード氏と一緒にライブ!うわぁ、これはいかなきゃ!
と思ってたら、美樹ちゃんからお知らせが届いて、もちろん二つ返事です。
そのライブが今度は12月2日ニューコンボであります。
おすすめライブ。ビナード氏の朗読に美樹ちゃんご夫妻「visions」が
演奏でコラボ。ほんとうにすてきです!大好きです。
内容は、ビナード氏の作品以外にも「宮沢賢治」も予定とか。
宮沢賢治は大好きですし、あまりに人気の作家なので置いといて(笑)
ビナード氏の作品のひとつについて少し今日はお話します。
教室においてますので、ご覧になった方もあると思います。
紙芝居です。
今年、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会 のノーベル平和賞受賞が
話題になりました。
この紙芝居は広島の原爆を描いた「原爆の図」に
あとからビナード氏がお話を作って紙芝居にしたものです。
絵を選んでそれに物語にしていくってすごいなぁ。
(あ、ちなみに紙芝居は日本特有のものだそうです)
ところで・・・
私、小学校3年生の時ですが、
学校での平和授業以来数か月ほど
原爆が今落ちたら・・・という不安のなかで過ごしていたことがありました。
小学校3年生、、
戦争が終わってることが理解できなかったのか不思議ですが
なぜか、ずっと・・・恐怖でした。
例えば家族そろっているといいんです。
今落ちてもいい、みんな一緒だから。
でも例えばトイレとかね、ひとりだと、今落ちたら
みんなバラバラで私は壁に焼き付く・・・みたいな。
この紙芝居、ちゃんと見ようって買ったけど、実は今も中を見れていません。
今年の5月のライブの時、この紙芝居、顔があげられませんでした。
原爆のお話があるって事前にわかってたら平気だったんです、きっと。
もちろん今はそんなおびえてたりなんてないし、
そういうTVだってちゃんと見れます。
でも、突然だったから、びっくりして小学校3年生の私が
もう50年もたってるのに出てきちゃって(-_-;)
経験もしていない私がこんなに恐怖に陥るのなら
被爆した方々、いえ、その以外にも
たとえば、地震や津波で恐ろしい思いをした子供たちは
いったいどれだけの時間をかけてその傷をいやすのだろう・・・
12月のライブではしっかりこの朗読を聞きたいと思ってます。
お話は、猫の目線です。それがたまらなかったのかもしれない。
子供たちや動物たちにはますますいったいなんだかわからなかったはずだから。
もちろん大好きな宮沢賢治はとっても楽しみです。
余談でしたが、今年の春、ビナード氏とvisionsのライブに行ったこと
ノーベル平和賞のニュース、
相変わらずというよりますます悪化してしまう争い、
いろんなことが忘れちゃだめだよって言ってるようです。
ビナード氏はユーモアあふれるおしゃべりで
笑い声とため息と拍手でとても楽しい素敵なライブです。
そしてもちろん、それを支える音楽が素晴らしい。
というわけでずいぶん余談になりましたが、おすすめライブです💕
寒くなりました。突然冬!
みなさんどうぞお気を付けてお過ごしください。
(中也賞受賞詩集、教室においてます)
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