今までの相続のお話にマスオさんが登場しない理由は
波平の“義理の息子”だからです。
周囲からは「お婿さん」と呼ばれていますが“婿養子”ではなく
また、波平と同居して波平を「おとうさん」と呼んでいますが
これは「お父さん」ではなく「お義父さん」だからに他なりません。
この養子は
血縁関係がなくても法律上は血族と同様に扱われ
“嫡出子”の身分を取得する制度でこれを「法定血族」と言い
実子と同じ相続人になって相続分も全く同じになります。
波平が義理の息子のマスオさんにも相続させたければ
“養子縁組”をする必要があるのですが、こうすると
マスオさんはフグ田家の母親からの相続も可能になります。
(彼の父はすでに死亡しているようですので)
このように養子は
実親と養父の両方から相続することになります
なお、この“養子縁組”が相続税対策に使われることがあります。
前述しましたが、相続税の非課税限度額は
(5000万円+1000万円×法定相続人の数)で計算されるため
相続人の数が多ければこの限度額も増え
適応される税率を低くすることができるからです。
このため、法定相続人にカウントできる養子の数は
次のように制限されています。
・実子がいる場合…1人まで
・いない場合 …2人まで
税金を少しでも安く抑えたい気持ちは誰でも一緒ですが
「脱税」と「節税」は別モノです。
個人的には脱税はしたことがないのでよく分かりませんが
「脱税=収入そのものを誤魔化す、または隠すこと」で法律に触れますが
「節税=税率の低い方法を探すこと」は
言葉を変えたら“税制を活用すること”になるのでしょう。
ところが、税制はとにかく複雑でヤヤコシイので
死んでからではなく、生前に
税理士等の専門家にご相談なさることです。
もっとも、96%は非課税枠に納まると言いますので
残り4%のお金持ちだけの話のような気もしますが
ご自分がどちらに属するかは判らないのですから
くれぐれも“後の祭り”にならないようにご注意ください。