「タマに財産の一部を譲ります」
遺言書にこうあった場合でも
ペットに相続権は発生しませんので結果は無効になります。
ただ、タマにしてみたら、“猫に小判”のことわざ通り
鰹節や高級なキャットフードをもらった方がどんなにか嬉しいか知れませんが。
遺言の真意が
「自分が亡くなったあともタマの面倒をしっかりみて欲しい」
という想いでしたら、面倒をみてくれる人に遺言で財産を残して
その代償として、そうしてもらえばよいわけで
これは「負担付き遺贈」と呼ばれます。
この際、一方的にではなく
予め事実上のお願いをしたうえで行う必要があるのは
それを頼まれる側にも、いろいろな事情があるからです。
ペットの世話とは、えさ代、治療費などの負担以上に
特に犬などは散歩の労力もさることながら
その存在を常に頭に置いた生活を送らなければならないなどの
精神的負担とともに、多くの愛情がなければ務まらないからで
一方では飼ってはみたもののちっともなついてくれない、なんてこともあり得るわけで
お金に目がくらんで安易に引き受けるべきではないと思います。
我家の今は亡きぺぺも、8年前のある朝突然
「キャ~ン」の一声を最後に後ろ足が立たなくなって
それ以降、家族共々生活が一変しましたのでペットも生き物
必ずしも健康とは限らないことも考えておかなければなりません。
もっとも、こうした厄介な病の際は獣医が勧める
または自ら依頼して“安楽死”をさせてしまえば
被相続人の想いはともかくとして
それで万事が終わると言えなくもありませんが…。