相続人が自らの意思で
相続人の立場を放棄することは「相続放棄」と呼ばれての遺産が大き過ぎる場合などに利用できることはすでにお話ししました。
一方、相続人の立場でありながら
その権利を行使できないどころか「相続人にふさわしくない」と
その権利を奪われてしまう場合があります。
(遺言による「遺贈」も受けられません)
これが、相続欠格(ケッカク)と相続廃除(ハイジョ)です。
相続欠格…簡単に言えば、例えばカツオ(相続人)が波平(被相続人)を殺した、とか
遺言書を勝手に偽造した、などといった犯罪を犯した場合
ほぼ自動的に相続権を失います。
相続廃除…「この子には相続させたくない」との想いに基づいて
法的に権利を失効させる場合、例えばカツオが
波平に対して生前、虐待、侮辱または著しい非行があり
家庭裁判所が申し立てを認めた時などです。
生前に申し立てるか、遺言で意志表示して相続開始後に
遺言執行者が申し立てる2つの方法がありますが
事後に取り消すこともできます
欠格や廃除になった場合でも
該当者の子供は代襲相続が可能です。
それも避けたいのであれば、遺言で
最低限の「遺留分(次回登場)」を渡すにとどめるか
生前贈与などで自分が生きているうちに財産を処分するか、の
どちらかを選択しましょう。